葬儀後 2019年 12月 03日(火) 墓地購入時に知っておきたいこと 2023年12月19日更新。先祖代々受け継ぐお墓は一生に一度、購入することがあるかないかの大切なものです。いざ購入することになった際、購入手順や購入場所、さらには種類など、考えることはたくさんあります。また、遠方にあるお墓を近く移すにはどうしたら良いのか?など、わからないことは尽きません。ここでは墓地購入時に知っておいた方が良いことをご紹介します。【もくじ】 ・墓地は経営母体によってタイプが異なる ・墓地の上手な選び方 ・墓石は墓地に合わせる ・分骨するときの手続き ・お墓の引越しと墓じまい ・改葬するときの手続き 墓地は経営母体によってタイプが異なる 現在の墓地の形態は以下の種類に分けられます。 菩提寺の墓地最も伝統的で壇家の人、同宗派の人のみ利用可能です。 公立霊園墓地自治体が運営している墓地です。応募には墓地のある地域に在住していること、生前は申し込みができないなどの条件があります。 民営霊園墓地民間の団体などが経営する墓地で、近年は大規模に開発されています。公立に比べ条件も厳しくなく宗派も問いません。 納骨堂いわゆるお墓のマンションと呼ばれているものです。個人、夫婦、家族などの単位で納めることができ、手入れが簡単で後継者に負担を掛けないといったメリットがあります。最近利用者が増えている形態です。 墓地の上手な選び方 墓地は永代使用権を払って借り受けるものです。霊園などでは、正当な相続人以外は譲渡、転売ができないところもあるので、購入時に使用権なども確認しておくことが大切です。選ぶポイント以下の5つの項目などを参考にしましょう。①所有者の寺院・霊園の宗派の確認②周囲の環境③交通の便④予算⑤施設の状態 墓石は墓地に合わせる 墓地が決まったら次は墓石を選びます。最も多く利用されているのは、和型の角石塔型(3段型)です。寸法的に調和が取れています。墓石には白の御影石を使うのが一般的でしたが、最近では黒の御影石も使われる傾向にあります。墓石の選択は、石質やいわれなど考慮が必要な面もあるので、石材店に相談しましょう。 お墓は、新仏が出たら三回忌までには購入した方が良いとされています。新しいお墓はまず、開眼供養をすることが大切です。 一般的なお墓の構成 一般的なお墓は墓石以外に次の要素で構成されています。 ・つくばい ・線香立て ・灯籠 ・水鉢 ・花立て ・塔婆立て ・石碑 ・塔婆 ・植木 ・墓誌 ・物置き台 ・名刺受け ・拝石 昨今は、墓地の広さの関係ですべての要素が揃っていないお墓もあります。 開眼供養とは墓石に仏様の魂を入れる儀式のことです。僧侶の読経で入魂が行われると供養のための仏塔になると考えられています。開眼供養では線香と供物を供えますが、納骨と同時に開眼を行うこともあります。 その他、神式のお墓は仏式と同様に角石塔型が一般的です。キリスト教では十字架型や幅広型、洋型が一般的ですが、特に決まりはありません。 分骨するときの手続き 遺骨を2か所以上に分けて納骨することを分骨といいます。宗派によっては遺骨の一部を本山の納骨堂へ納める場合もあります。分骨した遺骨を手元に置いておくだけであれば、特別な証明書などは必要ありません。しかし、お墓や納骨堂などに納める場合には「分骨証明書」が必要になります。すでに墓地などに納めてある遺骨を分骨する場合には墓地の管理者から、火葬時に分骨する場合には火葬場から「分骨証明書」を発行してもらいます。「分骨証明書」は分骨した遺骨を納骨する際に、納骨先の管理者に提出します。 お墓の引越しと墓じまい 「何年もお参りしていない故郷のお墓を近くに移したい」という方のために、お墓の引越しサービスがあります。故郷の役所とお墓のある寺院などで手続きをすることにより、お墓の引越し(改葬/かいそう)が可能となります。また、お墓の継承者がいない場合は、墓じまいなどもありますので、ご家族や菩提寺とよく相談して判断しましょう。 改葬するときの手続き 改葬とはお墓を移転することをいいます。改葬する際は、菩提寺への相談、法要などのほかに法的手続きが必要です。 ①移転先を決める まずは遺骨の移転先を決めて新しいお墓を建立しなければなりません。これから供養をしていくためにどこに新しいお墓をつくるか、交通の便や環境、施設など希望に合った墓地を選んでください。②墓地使用許可証を受け取る 新しい墓地が決まり永代使用契約が済んだら管理者より「墓地使用許可証」を受け取ります。 ③受入れ証明書を発行してもらう 移転先の墓地管理者より「受入れ証明書」を発行してもらいます。これにより遺骨の移転先が決まったことの証明ができます。 ④埋葬証明書・改葬許可申請書を受け取る 今のお墓(移転元)の管理者から「埋葬証明書」を発行してもらい、所在地の役場から「改葬許可申請書」を受け取ります。「改葬許可申請書」には今のお墓の管理者が記入押印する項目があります。「埋葬証明書」「改葬許可申請書」はひとつの様式になっています。また、原則として遺骨1体につき1枚必要となることが多いようです。墓地や市区町村で異なりますので確認すると良いでしょう。 ⑤改葬許可申請をする 今のお墓(移転元)がある市区町村役場に改葬許可申請を行います。必要な書類を提出し、改葬の申請をします。 ※提出する書類の一例…墓地使用許可証・受け入れ証明書・埋葬証明書・改葬許可申請書(印鑑) ⑥「改葬許可証」の発行 書類の不備などがなく申請が承諾されると「改葬許可証」が発行されます。 ⑦遺骨の引き取り 事前に日時を決めて今のお墓(移転元)に「改葬許可証」を提示し、遺骨を引き取ります。このとき、古いお墓の魂抜きの供養をすることがあり、その場合はその手配も必要です。「改葬許可証」の発行手続きと遺骨の引き取りを一日で行う場合は、管理者や遺骨を取り出す石材店と当日の段取りを良く打合せておくことが大切です。また、使用した墓地は整地して管理者に返すことが原則ですので古い墓石は撤去する必要があります。 ⑧新しいお墓に納骨 事前に日時を決め、新しいお墓(移転先)に遺骨を納めます。このとき、納骨の法要と同時にお墓の魂入れ(開眼供養)を行うことがあり、その場合はその手配も必要です。先の「改葬許可証」は新しいお墓(移転先)の管理者に提出します。 コラム一覧に戻る キーワード検索 検索 記事カテゴリー すべて(101) 葬儀の流れ(19) 葬儀の種類(15) 葬儀の打合せ(8) 葬儀の準備(3) 葬儀後(11) 終活(6) マナー(13) 宗教(7) 遺品整理(1) 相続手続(2) ご契約団体様(16)