家族葬ってどんなもの?一日葬って?直葬は?
2023年1月23日更新。
「家族葬」という言葉を最近よく耳にします。家族葬とはどのような葬儀なのか想像できますか。小規模な葬儀を漠然とイメージしている人が多いと思います。
実際のところ、家族葬はどのくらいの規模の葬儀のことを言うのでしょうか。実は、決まった定義はないのです。
いざという時に曖昧な知識のまま葬儀の形態を決めてしまい、葬儀後に後悔しないために家族葬について説明いたします。
【もくじ】
1.家族葬って?
2.葬儀の形式
3.規模と形式の違いは?
1.家族葬って?
現在、葬儀の打ち合わせをすると、首都圏では8割以上の人が家族葬を希望します。しかし家族葬と言っても、どの関係の人を葬儀に呼ぶのかはそれぞれ異なります。
故人の子供だけで行う人も、家族と親戚で送るという人も、家族・親戚はもちろん、近所の親しかった人や習い事の仲間も呼ぶという人も、皆さん「家族葬が希望」と言います。
一般的に家族葬には2つのタイプがあります。
1つは「参列する人を限定する」葬儀です。あえて故人の会社関係や喪主関係の人は招かず、故人と直接関係のあった人だけに参列の声がけをします。
もう1つは「故人に縁があった人がそもそも家族と親戚しかいない」という場合です。故人が高齢であったり、長い間施設で過ごした人などに多いパターンです。
自宅を離れ、施設などで何年も過ごすと、以前は近所付き合いがあった人とも付き合いがなくなってしまうため、葬儀の際に声をかける人がいない、ということになります。
どちらにしても「家族葬」という場合には、少人数での葬儀になることが多いです。
余談ですが、「密葬」という言葉もあり、小規模の葬儀の際に使われます。
密葬を家族葬と同様に家族だけで密かに行われる葬儀と思っている人もいるかと思いますが、実際は、密葬はその後に大規模な社葬やお別れ会の行うことを前提とし、その前に行う葬儀のことを指します。
2.葬儀の形式
葬儀は、儀式の方法や日数の設定などを基準に大きく分けると3種類あります。それぞれの特徴を以下に記載していきます。
通夜と葬儀・告別式
「通夜」と「葬儀・告別式」を2日間にかけて執り行う従来の形式です。
仏式では、この2日間にお経を上げることにも意味があります。神道でも「通夜祭」と「葬場祭」と2つの儀式が行われます。
2日間行うことで、弔問者が参列しやすくなるというメリットもあります。
一日葬
通夜を行わずに、葬儀だけを執り行う方法です。
高齢の親戚などが2日間来なくて良いという点ではメリットも大きいですが、先述のように「宗教儀礼としては2日間行うべき」とお寺から言われてしまうこともあります。
ある程度弔問者が来る葬儀の場合、一日葬だと準備などで慌ただしくなってしまうこともあります。
直葬
「火葬式」といった言い方をする場合もあります。通夜や葬儀・告別式を行わず、火葬のみを行う形式です。
メリットとしてはやはり費用が抑えられることと、葬儀時間の短さから疲労が少ないといった声もあります。
デメリットとしては、基本的にはたくさんの人を招く形式ではないため、後から「故人とお別れが出来なかった」と親戚や友人が残念がることもあります。
また、「本当に通夜や葬儀を行わなくて良かったのか」などと後悔し、故人に対して申し訳ない気持ちになる遺族の方もいらっしゃるので、直葬を選択する際は慎重に検討してからにした方が良いでしょう。
宗教者に供養をお願いしないため、葬儀後の追善供養などでどのようにしていったら良いか戸惑われてしまう人も多いようです。
3.規模と形式の違いは?
家族葬=火葬だけを行う「直葬」と思っている人や、参列する人数が少ない家族葬だから「一日葬」で良い、と思っている人も多いようです。
しかし、「家族葬」とは葬儀の規模(葬儀にどれだけ人を呼ぶか)での分類あり、「直葬」や「一日葬」は葬儀の形式(葬儀をどのように行うか)での分類になります。
この点を混同してしまうと、家族や葬儀社に自身の希望が伝わらないことがあるので注意が必要です。
葬儀の規模について、「家族葬」と対になる言葉が「一般葬」となるのですが、葬儀形式についても、「直葬」や「一日葬」に対し、従来通りに通夜と告別式を2日に分けて行う葬儀を「一般葬」と呼びます。
そこが混同されがちではありますが、従来の葬儀は規模も形式も「一般葬」だと認識しておいてください。
葬儀を考える上で、まず以下の①と②について決めると良いでしょう。
①葬儀の規模(参列者の数)
「一般葬」か「家族葬」かを決める
②葬儀の形式
「一般葬(通夜と葬儀・告別式)」か「一日葬(葬儀のみ)」、「直葬(火葬のみ)」のいずれかを決める
葬儀の規模と形式は分けて考えなければなりません。宗教形態も含め、葬儀はここ数年多様化しています。
少人数で行う葬儀だからといって、葬儀の形式自体を簡素化しても良いということはありませんので故人と残された人達にとって最も良い選択は何か、を良く考える必要があります。
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