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2023年 08月 03日(木)

自宅葬とは?選ぶ理由や流れ・準備、メリット・デメリットを解説

自宅葬

2024年1月23日更新。

この記事は、自宅葬を検討されている方に向けた内容になっています。

「自宅葬はどんな場合に選ばれているか?」
「自宅葬の準備について知りたい」
「自宅葬のメリット・デメリットは?」
といった疑問に具体的にお答えしていきます。


昔と最近では、自宅葬の考え方が変わってきています。
「自宅葬が適しているか」検討するための一助としてご活用ください。

 
 
 
 
【もくじ】
1.自宅葬とは
2.自宅葬を選ぶ理由
3.自宅葬のメリット
4.自宅葬のデメリット
5.自宅葬で検討しておくこと
6.自宅葬の流れ
7.自宅葬の準備のポイント
8.自宅葬を検討するなら事前見積が安心
9.まとめ:最近の自宅葬は小規模な実施が主流です。メリット・デメリットを踏まえて検討しましょう
 
 
 
 

1.自宅葬とは

 

1-1自宅葬の概要

<自宅葬とは>

自宅葬とは、自宅を式場として行う葬儀です。

自宅の広い部屋に、祭壇や柩、供物・供花などを設置し、通夜および葬儀・告別式を行います(地域によっては、通夜のみを自宅で行い、葬儀・告別式は寺院や斎場で行うところもあります)。

自宅で行うため、葬儀の日程はもちろん、内容についても、比較的自由に決められることが特徴です。

かつては葬儀の主流でしたが、集合住宅の増加などの影響から、斎場で行う「斎場葬」へと変わってきました。

 
 
 
 

1-2最近の傾向

<遺族・親族を中心として小規模に実施>

小規模葬(家族葬)が増えたことにより、自宅で葬儀を行う方が増えてきました。

コロナウイルス感染症の影響もあり、その傾向がより強くなっています。

実際に全国儀式サービスでのお客様のご利用状況を見てみると、件数としては少ないものの、過去5年間で自宅葬の件数が約1.5倍に増えています。

 
 
 
<故人様の人柄や趣味を葬儀に反映しやすい>

葬儀の式場となる自宅には、故人様に所縁のある品々が身近にあるため、結果的に祭壇や柩の周りに飾りやすいようです。

また故人様の好物を台所で作り、供えることも可能なため、実際によく行われています。

 
 
 
 

1-3神道、キリスト教の場合

<神道の場合>

神道の葬儀は、神社では行わず、斎場または自宅で行います。

神饌物(しんせんもの)を供える三宝(さんぼう)、榊(さかき)や八足(はっそく)など、専門の葬具を設営するスペースを自宅で確保できるか検討した上で行います。
葬具は葬儀社に依頼すれば準備してくれます。

 
 
 
<キリスト教の場合>

キリスト教の葬儀は、通夜を自宅で、葬儀・告別式を教会で行う場合が多いようです。

宗派や教会の方針によっても異なるので、教会に確認・相談しておきましょう。

 
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2.自宅葬を選ぶ理由

最近の傾向について紹介します。

 

2-1故人様と自宅でお別れしたいため

入院中に自宅に帰りたいと望んでいた故人様を想って、「慣れ親しんだ部屋や風景の中から送り出してあげたい」という考えで選ばれるようです。

実際、自宅にお帰りになった後は、ご家族の希望に合わせて、故人様との最期の時間をゆっくり過ごせます。

 
 
 
 

2-2葬儀に参列してほしい人が少ないため

故人様や遺族の高齢化に伴い、付き合いのある友人・知人が減っていきます。
そのために葬儀に呼びたい方が少なくなっている場合です。

 
 
 
 

2-3経済的な理由のため

高齢化は、介護や医療にかかる費用の増加を伴います。

葬儀は経済的な負担が大きいので、小規模な葬儀を自宅で行うことにより、費用を抑えようとする場合です。

 
 
 
 

2-4宗教的な儀式が不要だと考えているため

○故人様や遺族が信仰している宗教がない場合
○直葬(通夜や葬儀・告別式を行わない形式)を考えている場合
○故人様の遺志による場合
などです。

 
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3.自宅葬のメリット

 

3-1故人様との想い出により多く浸れる

自宅は、故人様との思い出がたくさん詰まった場所です。

家の中にある様々なものが記憶を呼び覚ますため、他の場所で葬儀を行うよりも、故人様との想い出を振り返ることができます。

 
 
 
 

3-2時間を気にせず、故人様と対面できる

自宅に安置しているため、故人様の側にずっと付き添うことも、会いたい時にその都度対面することも、可能です。

斎場に安置して葬儀を行う場合は、保安の都合で面会時間に制約がある場合が多く、その範囲内で対面することになります。

 
 
 
 

3-3施設費が掛からず、費用を抑えられる

通常、斎場を利用する場合は、通夜、葬儀・告別式を行う式場および安置室の使用料が掛かります。

また火葬の日程の都合などで、故人様を安置しておく日数が長くなると、その日数分だけ安置室の使用料が増えます。


自宅葬では、自宅が式場および安置室となるので、上記の料金は不要です。

※安置場所が自宅であっても、安置日数が増えてドライアイスの交換をした場合は、その分の費用が掛かります。

 
 
 
 

3-4葬儀の日程を比較的自由に設定できる

斎場は生前の予約ができません。葬儀の依頼を受けてから、空いている日程の中で決めていきます。

また館内に複数の式場がある場合は、他の遺族の利用も考慮した上で、通夜や葬儀・告別式の時間が設定されます。


自宅葬の場合は、通夜や葬儀・告別式の日程も、開始時間も、柔軟に設定できます。遠方から親族が来る場合なども、都合を合わせやすいです。

 
 
 
 

3-5遺族がリラックスしやすい

慣れ親しんだ場所なので、落ち着けます。
葬儀が終わるまでの間、寝食も自由にできます。
また自宅と斎場を何度も往復することもありません。

 
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4.自宅葬のデメリット

 

4-1スペースを用意する必要がある

最近の自宅葬は少人数で行うとはいえ、
○故人様を安置するスペース
○祭壇や柩を設置するスペース
○宗教者・参列者が着席するスペース
○宗教者の控室
などは必要です。


昔の一戸建て住宅は、冠婚葬祭を自宅で行うことも考慮された間取りになっていて、障子や襖を外すと広いスペースが確保できていました。

しかし現代の住宅は、各部屋は壁で仕切られているので、広くできません。

 
 
 
 

4-2自分たちで対応することが増える

スペースの確保に加え、
○部屋の掃除
○必要な物品の準備
○大型家具の移動
○宗教者・参列者へのおもてなし
 ・デリバリーをしてくれる料理屋や酒屋の確保
○近隣で駐車場の確保
○葬儀後の片付け
等も、自分たちで行わなければなりません。

 
 
 
 

4-3近隣への配慮が必要

○人の出入りが多くなる 補足1
○駐車場が必要になる 補足2
といった理由から、近所の方々に声を掛けておく等の配慮が必要になります。

そのため地域(近所付き合いの程度)にもよりますが、自宅葬の場合、近隣の方が多少は参列することを想定しておいた方が良いと考えられます。

 
 
 

補足1:人の出入りが多くなる

黒い服(喪服)を着た人の出入りが続くと、ご不幸があったと気付きます。

参列者だけでなく、葬儀社のスタッフも、故人様の状態を保つために必要なドライアイスの交換や、棺や祭壇の搬入のために自宅を出入りします。

 
 
 

補足2:駐車場が必要になる

必要に応じて、宗教者や参列者のための駐車場を確保しなければなりません。
コインパーキングなどが近くになければ、近所の方の場所を借りるなどで対応します。

出棺時には、自宅前に霊柩車を停車させるスペースも必要となります。

 
 
 
 

4-4家の中を見られてしまう

玄関から故人様を安置している部屋までの、参列者の出入りがある場所は、見られても問題ないように事前に片づけておく必要があります。

 
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5.自宅葬で検討しておくこと

遺族・親族を中心とした、小規模の自宅葬を前提に解説していきます。

 

5-1スペースを確保できるか

<屋内>

以下6つのスペースを確保できるか考えておきましょう。

①出入りスペース 補足1
②通夜および葬儀・告別式を行う部屋 補足2
③通夜振る舞い(お斎)を行う部屋 補足3
④僧侶の控室
⑤家族・親族の控室
⑥受付場所・返礼品置き場 補足4

 
 
<屋外>

以下2つの対応場所を考えておきましょう。
①僧侶のための駐車場
②霊柩車の停車スペース

 
 
 

補足1:出入りスペース

参列者の出入りはもちろんですが、それ以上に重要なのが故人様の搬入・搬出です。

寝台車から自宅内へ故人様を移動させる際は、担架を使用して前後2人で運びます。
玄関から安置する場所まで、傾けたり、立てたりせずに移動できるようにして運びます。

また出棺の際には、故人様を棺に納めた状態で6人程度で運び出します。
棺は標準的なサイズで幅60㎝・高さ50㎝・長さ180㎝、身長の高い方になると長さ約200cmの棺になります。
傾けて運ぶのは非常に難しいです。

そのため出入りスペースの確保は、自宅葬が行えるかどうかを見極める最大のポイントとなります。
一般の方には判断が難しいので、できれば葬儀社に自宅を見てもらった方が安心です。

 
 
 

補足2:通夜および葬儀・告別式を行う部屋

下記のような条件を満たす広い部屋があると良いです。
○故人様を安置できる
○祭壇を設置できる
○納棺ができる
○供花・供物を設置できる
○僧侶が着席できる
○家族・親族が着席できる
○出入りがしやすい(故人様の搬送、弔問、出棺に対応できる)


小規模な祭壇を設営する8畳ほどのスペースと、参列者の人数に合わせたスペースが必要となります。
参列者の人数を想定して、座布団などを並べれば広さを把握できます。

 
 
 

補足3:通夜振る舞い(お斎)を行う部屋

通夜の参列者に飲食の接待をする部屋です。
スペースを確保できない場合は、折り詰めとお酒のセットを渡す場合もあります。

※地域によっては、通夜振る舞いを行わないところもあります。

 
 
 

補足4:受付場所・返礼品置き場

会葬に訪れた方の受付と会葬に対するお礼の品物の置き場所です。

この記事では、少人数での自宅葬を前提に解説していますが、参列者の数によっては、待合場所も含めて屋外になることがあります。

その場合は、天候や気温などで参列者に負担をかけることもあるので、季節や天候なども自宅葬を検討する時の指標となります。

 
 
 
 

5-2集合住宅の場合

集合住宅ならではの確認・検討事項があります。

 
<規約書を確認する>

マンションやアパートなどの集合住宅では、自宅で葬儀を行うことが禁止されている場合があります。

規約書を確認するか、管理人または管理会社に確認しておきましょう。

 
 
 
<故人様を搬入できるか>

エレベーターにストレッチャーが入るかどうか広さを確認しておきます。
分からなければ、管理会社に確認しておきましょう。

 
 
 
<柩を搬出できるか>

出棺時には、故人様を棺に入った状態で送り出します。
柩が並行のまま寝かせた状態でエレベーターに入るか、確認しておきます。

 
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6.自宅葬の流れ

 

6-1大まかな流れ

流れ自体は、斎場で行う葬儀と変わりません。
以下の流れは一例です。

 
 
<ご臨終後>

①故人様の搬送(自宅へ)
②故人様の安置(自宅)
③葬儀社と葬儀の打ち合わせ

 
 
 
<通夜当日>

④納棺
⑤通夜
⑥通夜振る舞い ※地域によっては行わない所もあります。

 
 
 
<葬儀・告別式当日>

⑦葬儀・告別式
⑧出棺
⑨火葬
⑩帰宅
⑪遺骨の安置
⑫初七日法要(繰り上げ)
⑬精進落とし ※⑨の後に行う場合もあります。

 
 
 

直葬(通夜と葬儀・告別式を行わない形式)の場合は、④納棺→⑧出棺の流れになります。

一日葬(通夜を省略する形式)の場合は、葬儀・告別式の前日に④納棺のみを行います。

 
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7.自宅葬の準備のポイント

 

7-1故人様を安置する布団

掛け布団、敷き布団を用意しておきます。
シーツは、故人様を搬送した際に包んでいたシーツを使用します(葬儀社が用意します)。

 
 
 
 

7-2僧侶への対応

<控室>

僧侶が開式まで待機して、葬儀用の装束に着替える部屋が必要です。
事前に片づけておきましょう。姿見を用意しておけば、より丁寧です。

 
 
 
<おもてなし>

お茶の温度は、季節に合わせるようにします。
お茶菓子も一緒に出すようにします。

お越し頂いた際、葬儀が終わった際に、すぐに出せるように準備しておきます。


通夜振る舞いや精進落としも用意しておきます。

 
 
 
<お布施>

お布施は袱紗(ふくさ)に包み、お盆に載せて喪主が渡します。

渡すタイミングは、葬儀後に一括でお渡しする場合が多いようです。
金額も含めて、僧侶に確認しておきましょう。


また、お布施とは別に、交通費として「御車代」をお渡しします。

通夜振る舞いや精進落としを受けずにお帰りになる場合には、「御膳料」もお渡しします。

「御車代」「御膳料」は、その都度お渡しするようにします。


お布施の詳細は、お布施の準備-意味や相場、書き方・入れ方・渡し方をまとめて紹介
をご参考ください。

 
 
 
 

7-3参列者への対応

遺族・親族を中心とした、小規模の自宅葬を前提に解説していきます。必要に応じてご参考ください。

 
 
<茶菓>

開式までの待ち時間に出します。

お菓子は個別に包んでいる物が望ましいです。
お茶は季節に合った温度で出します。
人数が多ければ、使い捨てのコップを用意しておくのも一つの方法です。片付けの手間が省けます。

 
 
 
<座布団・椅子>

参列者の人数分、用意しておきましょう。
高齢者など足が不自由な人が参列される場合は、イスも用意しておきます。

 
 
 
<通夜振る舞い>

参列者の人数に応じた食器の用意が必要です。
ケータリングサービスする料理店によっては、食器や調味料も準備してくださるところもあります。

 
 
 
<精進落とし>

帰宅後に自宅で行う他、ご遺骨を安置した後に外出して、レストランなどで外食する方法もあります(ご遺骨やご遺影の持ち込みを許可してくれる食事処もあります)。

 
 
 
 

7-4喪服

「僧侶を呼ぶ」「弔問者が礼服で来る」予定であれば、喪服は着用しておきましょう。
その際には、準喪服を着用することが多いようです。

男性:黒無地で光沢のないスーツ、ネクタイ
女性:黒無地で装飾のないワンピース
になります。
靴下、靴なども黒で統一します。


遺族だけの参列で僧侶も呼ばない場合であれば、普段着を着用しても問題ないでしょう。

 
 
 
 

7-5役割の確認

<留守番係>

出棺後、祭壇などの撤去作業や遺骨迎えの準備をする役割があります。

遺族や親族の全員が火葬場に行った際には、防犯の面でも、自宅を留守にしない方が安心です。

 
 
 
<その他>

遺族以外が参列する場合は、
○受付係(会計係を含む)
○接待係(返礼品を手渡しする人)
も決めておきます。

詳細は喪主の決定と各係の役割をご覧ください。

 
 
 
 

7-6隣近所へ挨拶する

葬儀では、線香を焚いた匂い、焼香での匂い、僧侶の読経やリンの音が生じ、近隣の方には異臭や騒音だと捉えられるかもしれません。

また4-2自分たちで対応することが増えるで解説した通り、喪服を着た人の出入りも続きます。

せっかくの自宅葬がトラブルの元にならないように、近所の方には葬儀の前に挨拶しておくと安心です。
葬儀が済んだ後も、お礼の挨拶も忘れずに行います。

 
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8.自宅葬を検討するなら事前見積が安心

自宅の間取りや参列する人数は各家で異なるので、事前に葬儀社に自宅を見てもらい、見積もりをもらうと安心です。

複数の葬儀社から、見積もりをもらうと、比較検討ができて、より良いです。

見過ごしていた点についての補足や、要望に対する代替案があれば、それも参考に検討しましょう。

 
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9.まとめ:最近の自宅葬は小規模葬が主流です。メリット・デメリットを踏まえて検討しましょう

 

自宅葬には多くのメリットがありますが、デメリットも同様にあります。

 
 
<自宅葬のメリット>

○故人様との想い出により多く浸れる
○時間を気にせず、故人様と対面できる
○施設費が掛からず、費用を抑えられる
○葬儀の日程を比較的自由に設定できる
○遺族がリラックスしやすい

 
 
 
<自宅葬のデメリット>

○スペースを用意する必要がある
○自分たちで対応することが増える
○近隣への配慮が必要
○家の中を見られてしまう

 
 
 

まずは自宅葬を行うスペースを確保できるかを確認し、その上で葬儀の内容を検討していきましょう。

 
 
 

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