市民葬・区民葬とは?選ぶ理由や流れ・申込方法、メリット・デメリットを解説
2024年1月23日更新。
葬儀を依頼する際の選択肢の一つに「市民葬・区民葬」があります。
自治体が提供しているサービスですが、広告媒体等で大きくアピールされないため、ご存じでない方もいるかもしれません。
そこで、この記事では市民葬・区民葬にまつわる様々な疑問にお答えします。
「市民葬・区民葬が適しているか」「利用条件を満たしているか」などを検討するための一助としてご活用ください。
【もくじ】1.市民葬・区民葬とは2.市民葬・区民葬を選ぶ理由3.市民葬・区民葬のメリット4.市民葬・区民葬のデメリット5.市民葬・区民葬の流れ(申込方法)6.市民葬・区民葬の内容7.市民葬・区民葬を検討するなら事前見積が安心8.まとめ:市民葬・区民葬は、メリット・デメリットを理解して行いましょう |
1.市民葬・区民葬とは
1-1市民葬・区民葬の概要
市民葬・区民葬は、各市町村の自治体が住民の方に対して提供している、葬儀の支援制度です。
自治体によって呼び方が異なり、
○市民葬儀
○区民葬儀
○規格葬儀
○市営葬儀
などと呼ばれます。
<市民葬・区民葬の目的>
葬儀を行う際に、
○住民の経済的な負担を軽減すること
○葬儀費用を明確化すること
を目的としています。
<市民葬・区民葬の内容>
○最小限の品目で葬儀を質素に行う
あるいは
○標準的な葬儀を比較的安い費用で行う
ことになります。
そのため、葬儀の品目の一部があらかじめセットにされており、安価に提供されます。
また式場についても、使用料の安価な公営斎場や、使用料のかからない自宅で行うことを前提としています。
自治体から指定を受けた葬儀社が、葬儀を担当します。
<市民葬・区民葬の利用条件>
故人様もしくは喪主(葬儀の申込者)が、その自治体で住民登録していることが、利用条件となります。
<市民葬・区民葬を実施する自治体>
すべての自治体で実施しているわけではないので確認が必要です。
基本的には自治体のホームページに掲載されています。
全国儀式サービスで掲載を確認できたのは、10都府県68市区町村でした。
※2023年8月時点。
1-2補足:福祉葬との違い
市民葬・区民葬と混同されやすいものとして、福祉葬があります。
福祉葬は、生活保護世帯の方が亡くなり、葬儀費用を出すのが難しい場合に適用される制度です。市民葬・区民葬とは異なります。
もくじに戻る
2.市民葬・区民葬を選ぶ理由
<自治体の制度のため、安心できる>
自治体から指定を受けた葬儀社が葬儀を行います。
また、市民葬・区民葬で提供される葬儀品目のセット内容と価格も、自治体との契約に基づいています。
そのため、自治体が提供する制度であることが安心につながり、選択肢の一つとなるようです。
もくじに戻る
3.市民葬・区民葬のメリット
3-1費用を安く抑えられる
市民葬・区民葬で提供される葬儀品目のセットは、安価で提供されるよう、自治体と葬儀社の間で協定によって定められています。
※品目と価格は、各自治体によって異なります。
葬儀品目のセットとは別に、追加する品目も出てきますが、自治体が後ろ盾になり、大げさで過美な葬儀を慎むように、葬儀社へ方針を提示しているため、結果的に総額も抑えられる傾向にあります。
3-2信頼できる葬儀社を選べる
自治体から指定を受けた葬儀社しか、市民葬・区民葬を行うことは出来ません。
指定を受けるためには、一定の基準を満たす必要があるため、信頼して葬儀を任せることができます。
一定の基準については明らかではありませんが、
○その自治体の地域に古くから店を構える
○市民葬の方針に賛同する
○設定された内容・料金内で協力できる
などがあるようです。
もくじに戻る
4.市民葬・区民葬のデメリット
4-1最小限の品目で行うため、簡素な葬儀になる
市民葬・区民葬の葬儀品目のセットは、祭壇や棺を始め、価格を抑えた品目で構成されています。
<補足>
自治体によっては、
○内容が更新されていない
○自宅葬を想定している
場合もあるようです。
自治体のホームページに内容が掲載されているので、最新情報を確認しておきましょう。
4-2セット品目は変更できない
自治体との協定によって決められているため、祭壇や棺など、市民葬・区民葬の葬儀品目のセットに含まれている物品は、原則変更できません。
例えば祭壇です。最近は花祭壇が人気ですが、花祭壇は生花を多く使用して費用が高くなるため、市民葬・区民葬では、白木祭壇がセットに組み込まれていることが多いようです。
4-3セット品目だけでは葬儀ができない
条件によって変動する品目は含まれていないことが多いです。
<例1:接待の品目>
参列者に提供する通夜振る舞いや葬儀後の精進落としなどの飲食物は、参列者数や料理の内容によって費用が大きく変動します。
また会葬返礼品や香典返し(即日返し)も、参列者や品物の内容によって変動します。
<例2:日数によって変動する品目>
○ドライアイス
故人様を安置している間、状態を保つために使用します。逝去から葬儀までの日程が長くなると、その分だけ使用日数が増えます。
そのため、所定の日数を超えると日数に応じて追加費用が掛かる場合や、初めから費用に含まれていない場合があります。
○寝台車
故人様を病院から安置場所へ搬送する車です。
状況によって搬送距離が変わります。
そのため、一定の距離を超えると距離に応じて追加費用が掛かる場合や、始めから費用に含まれていない場合があります。
4-4指定の葬儀社の中から選ぶ必要がある
市民葬・区民葬を行うためには、自治体が指定した葬儀社に依頼する必要があります。
希望の葬儀社が指定されているとは限りませんので、自治体のホームページ等で確認が必要です。
また、親戚、近所の方、友人などが、オススメの葬儀社を紹介してくれても、自治体からの指定を受けていなければ、市民葬・区民葬を依頼できません。
もくじに戻る
5.市民葬・区民葬の流れ
5-1申し込みの流れ
大きく分けて2つの流れがあります。
○葬儀社に申し込む
○役所に申し込む
自治体によって異なりますが、実際には「葬儀社に申し込む」場合が多いようです。
<葬儀社に申し込む場合>
①自治体が提携している葬儀社を、自治体のホームページか窓口で確認する。
②提携している葬儀社のなかから、葬儀社を選んで自分で連絡する。
③連絡した際に、市民葬・区民葬を利用したい旨を必ず伝える。
<役所に申し込む場合>
①役所に死亡届を提出する際に併せて申請する。
②葬儀券(ガイドもしくはパンフレット等)を受け取る。
③葬儀社に市民葬・区民葬を利用する旨を伝えて葬儀券を提出する。
5-2葬儀の流れ
通常の葬儀と同じです。
①故人様の搬送
②故人様の安置
③故人様の納棺
④通夜
⑤告別式
⑥出棺
⑦火葬
①~⑦の流れの中で費用を抑えられるように、市民葬・区民葬では葬儀品目の内容と金額が設定されています。
直葬(宗教的な儀式を行わず、火葬のみで弔う形式)を希望している場合は、市民葬・区民葬の制度を利用しない方が費用を抑えられる場合もあります。
もくじに戻る
6.市民葬・区民葬の内容
6-1葬儀品目のセットに設定されていることが多い主な品目
○祭壇
○棺
○納骨容器
○霊柩車
○火葬料
上記の品目の全部またはいずれかをピックアップして組み合わせている場合が多いです。
実際は、自治体によって大きく異なります。
セットになっている品目なので、不要な品目を外しても、金額を下げることはできません。
6-2追加になることが多い品目
何らかの条件によって、費用が変動する項目が主になります。
<故人様の状況によって変動する品目>
○寝台車(故人様の搬送に使用)
○ドライアイス
○安置施設の使用料
など
<喪家の判断で変動する品目>
○遺影写真
○供物・供花
○式場使用料
○司会進行者
など
<参列者数によって変動する品目>
○通夜振る舞い
○精進落とし
○会葬返礼品
○香典返し
など
自治体によっては市民葬・区民葬の葬儀品目の中に含まれる場合もあるので、自治体のホームページで確認しましょう。
もくじに戻る
7.市民葬・区民葬を検討するなら事前見積が安心
第6章で紹介した内容は、自治体のホームページに詳しい情報が掲載されていますが、自治体によっては、そうでない場合もあります。
そのため時間に余裕があるのでしたら、事前に見積りを取っておくのがおすすめです。
7-1事前見積のメリット
葬儀にかかる費用・内容について、冷静に把握できます。
また事前であれば、市民葬を「利用した場合」と「利用しない場合」で比較することができます。
さらに相見積もりをすれば、市民葬に「対応する葬儀社」と「しない葬儀社」の比較もできます。
7-2事前見積の際に整理しておく情報
①故人様の搬送先(連れて帰る場所)
②宗教・宗派
③参列する人数
④葬儀を予定している地域
⑤希望する葬儀式場
⑥希望の形式(二日葬・一日葬・直葬)
⑦予算
見積りを円滑に進めるためにも、上記の情報を依頼前に整理しておきましょう。
もくじに戻る
8.まとめ:市民葬・区民葬は、メリット・デメリットを理解して行いましょう
市民葬・区民葬は、住民の経済的な負担を軽減するために設けられた葬儀の支援制度です。
<市民葬・区民葬のメリット>
○費用を安く抑えられる
○信頼できる葬儀社を選べる
<市民葬・区民葬のデメリット>
○最小限の品目で行うため、簡素な葬儀になる
○設定されたセット品目から変更できない
○セット品目だけでは葬儀ができない
○指定の葬儀社の中から選ぶ必要がある
自治体が後ろ盾となって葬儀を行えることは一定の安心感があります。
市民葬・区民葬のメリット・デメリットを理解して行いましょう。
24時間365日、葬儀のご依頼・ご相談を受け付けております。
早朝・深夜、祝日・連休・年末年始も、気兼ねなくご連絡ください。
全国儀式サービス コールセンター
■お電話
0120-491-499
(通話料・相談料・紹介料、無料)
■メール
お問い合わせページから相談する