葬儀の日程について-葬儀の一般的な日程、決め方や注意点などを解説
2024年1月24日更新。
大切な方を亡くした際、葬儀や火葬の日程はどのように決めていけばよいのでしょうか?
お別れは名残惜しいものですが、ご遺体の保全には限界があり、あまり長引かせることはできません。
この記事では、葬儀を遺族として初めて執り行う方を対象に、一般的な葬儀の日程や決め方、注意点などを詳しく説明します。
※火葬のタイミングについて
「後火葬(あとかそう)」といって、葬儀・告別式後に火葬を行うことが一般的です。
ただし、地域やご遺体の状態によっては「前火葬(まえかそう)」といって、葬儀・告別式の前に火葬を行うこともあります。
ここでは「後火葬」のケースで説明を進めていきます。
参考:火葬は地域によって順番が異なる
1.葬儀の日程について
1-1基本的な日程
一般的な葬儀を執り行う場合、基本的には3日間もしくは4日間かけて行います。
【3日間の場合】
お亡くなりになった日を1日目とし、2日目が通夜、3日目が葬儀・告別式と火葬です。
深夜から未明に亡くなられた場合、当日に通夜を行う日程も考えられますが、準備が間に合わないかもしれません。
一般的な葬儀の場合、最短で3日間が現実的といえるでしょう。
【4日間の場合】
2日目が仮通夜、3日目が通夜、4日目が葬儀・告別式と火葬です。
時間に余裕があり、遺族や参列者が無理なく準備を進めやすい日程です。
しかしながら、実際には様々な事情が絡むため、このような日程で行うケースばかりではありません(詳しくは2.葬儀の日程の決め方を参照)。
また、葬儀の形式によって流れや日程が異なります。
1-2補足:一日葬の場合
葬儀・告別式の前日に行われる通夜を省略します。
日程はそのままで行うこともあれば、短縮することもあります。
1-3補足:直葬の場合
通夜、葬儀・告別式のいずれも省略します。
ただし、法定伝染病などを除き、亡くなってから24時間経過しないと火葬ができませんので、最短でも2日間は必要です。
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2.葬儀の日程の決め方
2-1日程を決めるタイミング
故人様を安置後、そのまま葬儀社と打ち合わせを行い、決定することが多いです。
深夜の場合は、時間を改めて行うこともあります。
2-2日程を決める場所
葬儀社との打ち合わせ時に決めますので、自宅や安置施設などです。
2-3日程を決める人
喪主を中心とした遺族、僧侶、葬儀社の三者が相談して決めます。
2-4決めていく順番
次の順番で決めていきます。
①葬儀・告別式と火葬を行う日時
通常、葬儀・告別式、続けて火葬を同日に行います。
また、続けて「初七日法要」や「精進落とし」を行うことがあります。
このため、葬儀・告別式の開始は午前中か、午後の早い時刻が多くなっています。
※初七日法要(しょなのかほうよう)
本来は亡くなってから7日目に行われる法要。
現在では参列者の負担軽減のため、葬儀当日に行われることが多い。
※精進落とし(しょうじんおとし)
遺族が参列者や僧侶へのねぎらいや感謝のために行う会食。
②通夜を行う日時
葬儀・告別式の日が決まると、おのずとその前日が通夜になります。
仕事や学校を終えてから参列しやすい18時~19時開始が多くなっています。
2-5決めていく際に確認すること
葬儀の日程は、以下の確認事項を考慮して決定します。
①菩提寺(僧侶)の予定
菩提寺がある場合は、遺族から葬儀のお願いと共に、ご都合を伺いましょう。
もし菩提寺がなく、葬儀社に僧侶の手配を依頼する場合は、ご都合も葬儀社から確認してもらいます。
すでに他の葬儀の予定が入っていたり、土日・お盆・年末年始などは法事や年中行事が立て込んでいたりすることもあります。
②希望する斎場の空き状況
規模や立地条件などから、斎場の候補を挙げ、葬儀社が空き状況を確認します。
③火葬場の空き状況
通常、葬儀社が火葬場に空き状況を確認します。
都市部では火葬場が混み合い、1週間以上先の予約になることもあります。
④遺族・親族の予定
遠方(特に海外)から来る人の移動に要する時間を考慮します。
⑤参列してほしい方の予定
故人様や遺族の友人・知人の参列が多く見込まれる場合は、土・日曜日など、集まりやすい日に設定することがあります。
⑥気候やご遺体の状態
気温が高い季節や、故人様の死因、ご遺体の状態次第では、できるだけ早く火葬を行う方が望ましい場合もあります。
全体の日程を短縮するか、前火葬も検討するとよいでしょう。
⑦「友引」の日
「友引」の日には、葬儀・告別式を避ける習慣があります。
詳しくは3-1友引に注意するを参照してください。
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3.葬儀の日程を決める際の注意点
3-1友引に注意する
六曜(ろくよう、りくよう)という暦に、「友引(ともびき)」という日があります。
宗教とは関係なく、迷信といわれていますが、この日は「友を引きこむ縁起の悪い日」とされ、慣習的に葬儀を避けられてきました。
そのため、「友引」の日には火葬場の多くが休業し、火葬ができず、葬儀・告別式も行われないのが実情です。
日程を決める際は、葬儀・告別式が「友引」に重ならないように考慮します。
例えば、次のようなケースです。
<(例)4日間の日程を予定したが、4日目が「友引」に該当するケース>
■繰り延べる場合
葬儀・告別式および火葬を「友引」の翌日に繰り延べ、日程を5日間とします。
通夜は「友引」の日であっても行われることが多いです。
その場合、亡くなった翌日(2日目)と翌々日(3日目)に、遺族のみで「仮通夜(かりつや)」を行うこともあります。
■前倒しする場合
葬儀・告別式および火葬を「友引」の前日とし、日程を3日間とします。
通夜は、亡くなった翌日(2日目)となります。
<補足:仏滅(ぶつめつ)>
「物事が滅びる」から転じて、「仏」でも滅びる「仏滅」と表記され、縁起のよくない日とされています。
そのため、結婚式などの慶事は避けられる傾向にありますが、弔事である通夜、葬儀・告別式には考慮せず行われています。
3-2地域の風習に注意する
全国的に多いのは後火葬ですが、一部の地域では前火葬の風習があります。
前火葬の場合、葬儀・告別式の前に火葬を行いますので、順番を考慮した日程にします。
ご遺体の状況などによっては通夜の前に火葬を行い、遺骨で通夜・葬儀・告別式を執り行う場合もあります。
3-3時期に注意する
地域によりますが、年末年始は火葬の予約が混み合います。
寒い時季ですので亡くなる方が多いことと、元日や三が日は休業する火葬場が多いためです。
加えて「友引」を休業としている火葬場もありますので、火葬と葬儀が希望どおりに進まない可能性があります。
※詳しくは年末年始に家族がお亡くなりになった場合|流れや葬儀の手配、注意点について紹介を参照してください。
3-4日延べに注意する
様々な事情から、安置日数を長くする場合、季節やご遺体の状態によっては保全が難しいかもしれません。
また、安置費用も日数分が必要となります。
故人様の尊厳を保つためにも、ご遺体に配慮して日程を決めましょう。
<補足:エンバーミング>
長期間保全する方法として「エンバーミング」があります。
ご遺体の殺菌・防腐処置、修復を行い、生前に近いお姿で安置できます。
ただし、対応可能な葬儀社が限られているため、あらかじめ探しておくとよいでしょう。
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4.事前相談しておくと安心
葬儀の日程は前もって決められませんが、いざその時が来たら短時間で決めることになります。
もしもの時の流れや日程の決め方は、事前に確認しておくだけでも落ち着いて進められるでしょう。
できれば、あらかじめ葬儀社へのご相談をお勧めします。
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5.よくある質問
Q:亡くなったらすぐに火葬をしたいので、病院から直接火葬場に搬送してもらえますか?
A:法律上、お亡くなりから24時間以内は火葬ができません(法定伝染病などを除く)。
病院からはできるだけ早くご遺体の引き取りを求められますので、自宅か安置施設への搬送が必要となります。
また、火葬にあたっては、納棺のほか、火葬場の予約、死亡届の提出、火葬許可証の発行など諸手続きが必要になります。
したがって、病院から直接火葬場へ向かうことは、現実的とはいえないでしょう。
Q:葬儀の日程は誰が決めるのですか?
A:遺族・僧侶・葬儀社の三者が話し合って決定します。
僧侶の予定や葬儀社の都合で、勝手に決まってしまうことはありません。
Q:年末やお正月に亡くなった場合、おめでたい時季の葬儀は、不謹慎でしょうか?
A:葬儀を行うこと自体は問題ありません。
ただし、火葬場は元日や三が日を休業日にしているため、実際には葬儀を行えないことが多いでしょう。
こちらもご参考ください。
年末年始に家族がお亡くなりになった場合|流れや葬儀の手配、注意点について紹介
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6.まとめ:いざという時に安心してお任せできる葬儀社を選んでおきましょう
ここまで、一般的な葬儀の日程とその決め方について説明してきました。
<ポイント>
○ご逝去後、遺族、僧侶、葬儀社が相談の上、速やかに決定する。
○僧侶の予定、火葬場や斎場の空き状況を確認する。
○火葬場は「友引」に休業日が多いため、葬儀・告別式の日を調整する。
○ご遺体の状態に配慮する。
○遠方からの移動者にも配慮する。
もしもの時、遺族は病院から短時間でご遺体を引き取り後、ただちに葬儀の準備に着手することになります。
大切な人を亡くした悲しみと混乱の中、適時必要な指示とアドバイスをくれる葬儀社であれば、心強いでしょう。
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