葬儀後の流れ-葬儀の事務の引き継ぎ、費用の精算、お礼の挨拶回りについて
2023年12月19日更新。
葬儀後、数日中に行うことを解説します。
葬儀は、周囲の方々の協力によって、執り行われるのが通常です。
そのため、
●葬儀の事務の引き継ぎ
●お礼の挨拶回り
●費用の支払い
は滞りなく済ませることが大切です。
一方、会社で忌引き休暇を取っている場合は日数が限られており、出来れば休暇の範囲で済ませたいと思う方が多いと思います。
この記事では、喪主および遺族が行うことを順に紹介します。
今後も変わらない「遺族への親しい交際・支援」をお願いするためにも、丁重そして円滑に行いましょう。
【もくじ】1.葬儀の事務の引継ぎ2.お手伝いいただいた方へのお礼の挨拶3.僧侶へのお礼(御布施)4.葬儀費用の精算5.まとめ:協力に感謝しながら、しっかり行っていきましょう |
1.葬儀の事務の引継ぎ
1-1相手の負担を考え、できるだけ早く
遺族は葬儀が済み次第、世話役や受付や会計などの各係を手伝ってくれた人から、事務や雑事の引き継ぎを受けます。
香典を取り扱う関係上、最近では、通夜および葬儀・告別式の直後に、そのつど引き継ぐ場合が多くなっています。
<引き継ぎを行う人>
喪主または喪主に準じた人が行います。
<引き継ぐ内容>
○香典袋
○香典帳
○現金
○葬儀の際に支出した領収書(ハイヤーの費用、返礼品の配送料など)
⇒通夜、告別式の後につど引き継ぎます。
○会葬者名簿、名刺
○供物・供花記録帳
○弔電
○弔辞
⇒係から葬儀社に預けておき、式場を後にする際に受け取ることが多いです。
遺族側の知らないうちに、お金を立て替えてもらっていることもあるので、よく尋ね、すぐに精算します。
葬儀関係の支出には、必ず領収書をもらっておきます。
1-2世話役や各係にお礼を述べる
世話役や各係の方々には当日のうちに丁寧にお礼を述べましょう。
通夜を行った場合であれば、各係の方の飲食物を、通夜振る舞いとは別に分けて用意しておくと良いです。
中には忙しい方もいるので、飲食物の代わりに現金で「寸志or食事代」と書いて渡すのも良いです。
<補足:葬儀を手伝う主な係>
○受付係(親戚関係の担当することが多い)
○会計係(親戚関係が担当することが多い)
○返礼品係(会社関係が担当することが多い)
○案内係
など
詳細は喪主の決定と各係の役割をご参考ください。
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2.お世話になった方へのお礼の挨拶
葬儀の際にお手伝いしていただいた方々へ、挨拶を行います。服装は、準喪服または略喪服を着用します。
昔は、忌明けまで外出しないというしきたりがありましたが、現在では、そのようなことはないので、葬儀の翌日以降から挨拶回りを順次行っていきます。
町内なら自治会長、勤務先なら代表者に挨拶して、菓子折りなどの手土産を持参するケースが多いようです。
①近所への挨拶
②葬儀委員長や世話役への挨拶
③故人様の勤務先への挨拶
④弔電をいただいた方への挨拶
⑤その他の方への挨拶
2-1近所への挨拶
葬儀後、翌日に行うのが一般的で、喪主と遺族の二人でまわります。
訪問時には2,000~3,000円程度の菓子折りなどを手土産として持参します。
<補足:手土産について>
手土産は、弔辞用に包装されたものを持参します。
弔辞用の包装紙で包み、掛け紙は白黒の水引で結び切りにされたもの(印刷されたもの)を使用します。そして、水引より上には「志」、下には喪主の名前を記載します。
2-2葬儀委員長や世話役への挨拶
葬儀後、喪主と遺族代表が揃って、なるべく早く、お礼の挨拶に伺います。
忙しい方が多いので、事前に電話でご都合を伺って行くようにします。
目上の人にあたるため、準喪服を着用するのが望ましいです。
お礼の品としては5,000~10,000円程度の品物が良いでしょう。
2-3故人様の勤務先への挨拶
故人様が現役だった場合には、勤務先には葬儀の際に何かとお世話になっていることが多いと思います。
葬儀が終わったら、なるべく早く、ご挨拶に出向きます。
なお会社へお礼に行く場合は、喪服(準喪服)で伺うと違和感が出てしまうので、略喪服(ダークスーツ)で着用するのが望ましいと思います。
手土産も持参するのが一般的です。
3,000~5,000円程度の菓子折り(中身は社内で分けられる個包装のもの)などが適しています。
<出向く前には必ず連絡を入れる>
出向く先が何箇所になるかも連絡前に確認しておきましょう。
必ず電話をして、先方の都合を確認しておきます。
仕事が取り込んでいる時などに突然出向くと、かえって迷惑になってしまいます。
私物を持ち帰ることも伝えておきます。
<ロッカーや机などを整理する>
必要な物(私物)は、持ち帰ります。
不要な物は、きちんとまとめた上で処分していただくようお願いします。
社内で必要がありそうな物は、上司や同僚に見てもらって処理します。
2-4弔電をいただいた方への挨拶
本来は直接出向いてお礼を伝えますが、最近ではお礼状で挨拶することが一般的です。葬儀後、1週間以内を目安に行います。
<お礼状について>
○書 式
・はがき
・白無地の便せんに白い封筒
※弔事に適したデザインを選びます。
※メールやメッセージアプリは避けます。
○筆記具
・筆、筆ペン、万年筆
※薄墨を使用します。
※ボールペンは避けます。
※手書きにすることにより、お礼の気持ちがより伝わります。
※弔電を多くいただいた場合は、パソコン等も活用します。
○書き方
・縦書きにする。
・句読点は使わない。
・忌み言葉を避ける。
○文面
・略式であることのお詫びを記載する。
・差出人は喪主にする。
※喪主との連名や親族一同の付記も可。
2-5その他の方への挨拶
<香典や供花・供物をいただいた方>
忌明け後(四十九日後)にお返しを行う時に、御礼の手紙を添えます。
<会葬者>
会葬礼状をお渡ししているので、あらためて挨拶は行いません。
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3.僧侶へのお礼(御布施)
3-1御布施を渡すタイミング
僧侶に相談して決めるのが一般的ですが、大きく2つの場合があります。
①通夜の時に渡す
⇒日頃お寺との付き合いがなく、臨時で依頼した場合などに多いようです。
②葬儀終了時に渡す
⇒葬儀が終わり、僧侶がお帰りになる前にお渡しすることもあります。
③葬儀後に渡す
⇒菩提寺の僧侶へお渡しする時は後日あらためてお寺に伺い、お渡しすることもあります。
3-2御布施の金額
御布施の金額は、渡す側の気持ちや信仰の度合いによって変わってきます。
現在では、お寺に金額の規定がある場合が多いようなので、あらかじめ相談して金額を決めます。
葬儀の打ち合わせ前に、僧侶に素直に相談してみましょう。
また戒名のお礼も、この御布施に含めて渡します。
ご先祖様がある場合は、戒名の位や字数は、ご先祖様に合わせることが通常です。
3-3御布施の包み方
市販の不祝儀袋に入れる場合は、白黒で結び切りになった水引の袋を用います。
葬儀社が用意してくれる場合もありますので、尋ねてみても良いでしょう。
表書きは「御布施」とします。
「御経料」としてはいけません。
またボールペンやマジックで書くのではなく、筆書きにします。筆ペンも可です。
3-4御布施の渡し方
きちんと正座して「ありがとうございました」と挨拶を述べながら、包みを小型のお盆に載せ、表書きが僧侶から見て正面になるようにして渡します。
お盆も葬儀社が持っていますので確認しておきましょう。
直接手渡しするのは失礼にあたるので避けましょう。
3-5補足:僧侶への御布施の種類
○戒名を授けていただいたり、お経を読んでいただいたりした場合
⇒「御布施」と表書きしてお渡しします。
○お寺(の式場)を借りた場合(会場代)
⇒「式場使用料」と表書きしてお渡しします。規定料金がなければ、御布施に含めます。
○お越しいただいた場合(交通費)
⇒「御車料」と表書きして、その都度お渡しします。
○会食を辞退された場合(接待の代わり)
⇒「御膳料」と表書きして、その都度お渡しします。
御布施の詳細はお布施の準備-意味や相場、書き方・入れ方・渡し方をまとめて紹介をご参考ください。
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4.葬儀費用の精算
4-1葬儀業者への支払い
葬儀が終わって、2~7日のうちに、葬儀業者から明細書と請求書が届きます。
最初に受け取った見積書より、少し増えることがままあるようです(飲食代等の追加などのため)。
見積書・明細書・請求書をよく照合して、不明な点がある時は、遠慮なく尋ね、納得がいくようにしてから支払います。
なお支払時には領収書をもらいます。
領収書は、市区町村の役場で葬祭費の請求を申請する際に必要になりますので、無くさないように保管しておきましょう。
4-2仕出し屋への支払い
通夜振る舞いや精進落としと言った飲食物でのもてなしに、仕出し屋などを利用した場合は、後払いのことが多いのが通常です。
葬儀社の時と同様に、きちんと請求書をもらい、よく調べて疑問のないようにしてから支払い、領収書をもらいます。
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5.まとめ:協力に感謝しながら、しっかり行っていきましょう
葬儀後1週間くらいまでに行うことをひと通り紹介してきました。
葬儀を行うにあたり、多くの方の協力を得て実施できたことを、あらためて感じていただけたと思います。
○葬儀の事務の引継ぎ
○お世話になった方へのお礼の挨拶
○僧侶へのお礼(御布施)
○葬儀費用の精算
協力いただいたことに感謝しながら、一つひとつ進めていくことが大切です。
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