2019年 12月 17日(火)
意外と大事!打ち合わせから葬儀までに準備すること
2023年12月19日更新。祭壇を決め、式の流れを確認したら葬儀の準備は終わりだと思っている方も多いと思いますが、それだけではお葬式を行うことは出来ません。たくさん決めることがある中でも、大事な準備、5つをご紹介いたします。当日、慌てず心に余裕をもって故人を送れるように確認をしておきましょう。 【もくじ】 ・遺影を準備する ・人数を把握し、料理を手配する ・供花を受け付け、まとめる ・挨拶する人を決める ・お手伝いを頼む 遺影を準備する 葬儀には遺影を飾ります。以前は白黒の写真で、服装は喪服というのが定番でしたが、最近ではカラーの写真を使用することがほとんどで、服装もカジュアルなものを使うことが多くなりました。写真もその人らしい自然な写りのものを選ぶと、故人の人となりが偲ばれる遺影になるでしょう。 写真の加工技術が向上し、洋服の着せ替えなども違和感なくできるようになったので、基本的には表情の良い写真を選ぶのが一番です。ただし、あまりに小さく写っている写真だと引き伸ばした時に画像が荒れてしまい、顔がはっきりと見えないことがあります。プリントされた写真であれば、顔の大きさが10円玉大を目安に探すと良いでしょう。もちろんデジタルの写真でも加工は可能ですが、これも解像度が低いものは仕上がりが綺麗にならないことがあります。最近ではプリントした写真で遺影を飾るのではなく、モニターに写真を投影し、故人の色々な写真をスライドにするサービスを行う葬儀社もあります。 人数を把握し、料理を注文する 首都圏の通夜では一般参列の方にも通夜ぶるまいとして料理を振る舞います。そのため、ある程度は会葬者の人数を予想しておかなければなりません。葬儀で具体的な人数を把握するのは大変難しいですが、通夜ぶるまいは一般的に大皿の料理を用意しますので、10人単位で予想を立てておけば大丈夫です。 また、葬儀終了後には精進落としを親族に用意しますが、一般的には一人前のお膳で出すことが多いため、具体的な人数を把握する必要があります。 供花を受け付け、手配する 以前は葬儀には世話役を立て、供花の受付や手配などは喪主の代わりに世話役が全て行っていました。最近では世話役を立てることはせず、喪主自らがこれを行うことが多くなっています。基本的に供花は、親族側からの意向で出すものであって、喪主側から親族にお願いして出してもらうものではありません。しかし場合によっては、供花の数を調整するために親族に依頼することもあるようです。 手配する際には、葬儀社はさまざまな種類の供花を用意しているので、故人との関係性によってどの供花にするかを決める必要があります。次に、供花を出してくれた人から供花代を集金しなければなりませんが、喪主または遺族の誰かが取りまとめて集金するケースと、葬儀社に直接支払うようにお願いするケースがあるようです。 挨拶する人を決める 葬儀では参列者に対して個別に挨拶することが難しいため、式の中で挨拶が行われます。一般的には葬儀・告別式の中で遺族を代表し、会葬者に向けて挨拶をします。挨拶は喪主が行うものと思っている方も多いようですが、遺族側から会葬者に向けての挨拶なので、遺族側を代表する人であれば喪主でなくても構いません。 他にも、精進落としの前に親族に向けて挨拶をする場面があります。この場合は、喪主または遺族が挨拶をするのが好ましいです。また、挨拶の後には献杯がされますが、この時の発声は故人とゆかりの深かった人(兄弟など)や一族の長老にあたる人にお願いすることが多いようです。精進落としの最後にも、喪主または遺族の代表者がお開きの挨拶を行います。 葬儀・告別式の挨拶 喪主または親族代表が、参列いただいたことと故人への生前の厚誼のお礼を述べます。故人の人柄を偲ばせるエピソードを折り込むのもよいでしょう。差し障りのない範囲で闘病生活や死因などを伝えても構いません。同時に、遺族に対する今後の支援のお願いもしておきます。 ≪挨拶例≫ 「本日はお忙しいところ、故○○○○の葬儀ならびに告別式にご会葬くださいまして、誠にありがとうございました。このように多くの方に見送られて、父もさぞかし喜んでいることと思います。父は『人生は一度きりしかない。生きているうちは精一杯生きるんだ』とつねづね申しておりましたが、まさに人生を精一杯生きた幸せな85年だったと思います。これも、皆様と親しくお付き合いさせていただいたからこそと、深く感謝しております。今後は残された家族一同、力を合わせて生きていく所存でございます。父亡き後も変わらぬご支援のほど、よろしくお願い申し上げます」 精進落とし始まりの挨拶 全員が席に着いたら、喪主または遺族代表が挨拶を行います。葬儀がとどこおりなく終えられたことに対するお礼などを伝え、献杯(けんぱい)を行い、会食をします。献杯は挨拶をした人が行っても、別の人に頼んでも構いません。地域・宗派によっては献杯を行わない場合もあります。 ≪挨拶例≫ 「一言ご挨拶申し上げます。皆様、本日は誠にありがとうございました。おかげをもちまして故○○○○の葬儀、告別式もとどこおりなく終えることができました。あらためてお礼申し上げます。皆様さぞかしお疲れのことと存じます。誠にささやかではございますが、皆様への感謝と慰労を兼ねまして席をご用意いたしました。ごゆっくりとお召し上がりいただき、故人の思い出などもお聞かせいただければと存じます。本日はありがとうございました。」 精進落とし終了の挨拶 始まってから1時間くらい経ったらタイミングを見て、喪主または遺族が挨拶をします。納骨や法要の予定が決まっていれば伝えるとよいでしょう。 ≪挨拶例≫ 「皆様、本日はお忙しい中ありがとうございました。皆様一人ひとりの温かい真心こもったお見送りをいただき、故人もさぞかし喜んでいることと思います。故人の思い出話などをもっとお伺いしたいところですが、皆様もお疲れのことと思いますので、この辺で終了とさせていただきたいと存じます。十分なおもてなしもできずに申し訳ございません。本日はありがとうございました。」 お手伝いを頼む 通夜・葬儀の間は喪主・遺族は儀式に参列しているため、弔問・会葬に来られた人への対応ができません。そのため、対応してもらうお手伝いをお願いしなければなりませんが、お手伝いは受付・会計・返礼品のお渡し・接待・道案内・誘導など多岐にわたります。町内会やご近所、または会社の同僚などに依頼することが一般的でしたが、家族葬などでは誰にも頼めないこともあります。そういった際には、葬儀社のスタッフが対応する、もしくは葬儀社が手伝いをする人材を派遣してくれることがあります。しかしその場合、料金が発生することもありますので事前に葬儀社に確認をしてください。 ※この記事は首都圏での葬儀における標準的な例です