終活のコラム一覧

お葬式の知識やマナー、宗派や喪主のこと、そして用語集など、知っておくべき情報をお届けします。ぜひご活用ください。

終活

2020年 01月 16日(木)

エンディングノートはどうやって書けばいいの?

2023年12月19日更新。「終活」には色々ありますが、わかりやすいものでは「エンディングノートを書く」があります。エンディングノートを書くことで、人生の終わりに向かって何を優先し、何をしなければいけないのかが見えてきます。終活への一歩として、エンディングノートの書き方や注意点などをご紹介します。   【もくじ】 ・エンディングノートとは ・エンディングノートの内容 ・エンディングノートのメリット ・いつ書き始めるの? ・エンディングノートを手に入れるには? ・注意点・ポイント   エンディングノートとは 「エンディングノート」という言葉は聞いたことがあっても、実際に目にしたことがある人は少ないと思います。そもそもエンディングノートとは、人生の終末期に関して、自身の希望を書き留めておくためのノートです。あくまでも希望を書き留めておくだけのものであり、遺言書などと違って法的な拘束力はありません。 エンディングノートの内容 エンディングノートには色々なことを書きますが、決まった形式はありません。何を目的にするのかによって、どの内容をどこまで書くかを決めていく必要があるでしょう。 以下は記入内容の例です。   自分のこと 氏名・生年月日・血液型・住所・本籍地などのプロフィール、性格や好み、家族関係(家系図など)、記憶・思い出、資格・特技・趣味、これからの目標や夢、など 記録しておくこと 健康(かかりつけの病院、常備薬、病歴、保険証・お薬手帳の保管場所、健康上の留意点)、介護(自身の希望、費用、延命治療、病名の告知)、身の回りのこと(預貯金、不動産、保険、有価証券、借入金やローン、形見分け、遺品整理)、友人関係(連絡先、住所録)、など   伝えておくべきこと 葬儀の希望、残された方へのメッセージ、遺言書、お墓の所在、菩提寺との付き合い、など   エンディングノートのメリット エンディングノートには自分自身のメリットと、それを読む人(家族)へのメリットがあります。自分に対しては、これまでの人生を振り返ることでこれからの人生を有意義に生きること、そして普段なかなか言えない家族や周囲の人への感謝や想いを伝えられる、ということがあります。また、自身の備忘録として活用する人もいます。読む側のメリットとしては、家族が知らなかった過去や想いを知ることができ、亡くなった後の整理や手続きがスムーズに進む、ということです。さらに、葬儀を執り行う際にも一つの指針として活用することができます。   いつ書き始める? エンディングノートは終末期を迎えてから書くものと思っている人も多いようですが、終末期を有意義に迎え過ごすためのものなので、早めに書き始めることをおすすめします。離れて暮らす家族や兄弟と会った際に、これまで伝えられなかった想いを伝えたいと思い、書き始める人も多いです。また、介護認定を受けた時などにも始める人が多いようです。こういった機会に限らず、自身が「書いてみたい」と思った時に気軽に始めてみるのが良いでしょう。   エンディングノートを手に入れるには? エンディングノートは書店などで購入するのが一般的ですが、販売しているものは内容が濃く、記入に時間がかかるものもあります。せっかく購入しても、記入する項目の多さに嫌気がさし、書くことをやめてしまうのは勿体ないことです。今は葬儀社が無料で配布しているものや、インターネットで無料ダウンロードできるものもありますので、購入をする前にそういったものから始めてみるのも良いでしょう。また、既存のテンプレートを使用せず、一般的なノートに自分で書いていくこともできます。その際は、何を書くべきか自身でしっかりと考えてから書き始めることが大切です。   注意点・ポイント エンディングノートの全ての項目を書くには根気と時間が必要です。まずは書きやすい項目や自身が重要視する箇所から書き始めてください。過去の振り返りや自身の想いを伝える部分と、病院関係・金融関係などの事務的な内容とがあります。事務的な部分は他の家族と一緒に書いても良いでしょう。 一度記入した部分も、状況や想いが変わったりすることもありますので、一年に一回、内容を見直し、必要なら書き直しすることも大切です。

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2020年 01月 31日(金)

遺言をするにはどうしたらいい?

2023年12月19日更新。遺言を書くには?遺言書を見つけたら?など、間違った方法で遺言書を扱うと、せっかく作成した遺言が無効になってしまうことがあります。遺言書の書き方、開封時の注意点などをご紹介しますので参考にしてください。       【もくじ】 1.遺言とは 2.遺言の種類 3.注意点       1.遺言とは 遺言とは、日常生活では「ゆいごん」と呼ばれ、自身の財産の分与などに関して残した文章や言葉のことを言いますが、法的には「いごん」と読み、自身の財産の相続に関して法的拘束力を持つことを目的として書く文章のことを言います。 遺言は亡くなった時点から効力を発するため、故人の意思の確認ができません。よって遺言は民法で方式が定められており、この方式に則った遺言でなければ法的な拘束力は持ちません。     2.遺言の種類 遺言には「普通方式」と「特別方式」の2種類があり、「特別方式」は死亡危急者や船舶遭難者など、緊急性の高い場合の遺言になりますので、自身の財産分与をあらかじめ決めておきたい場合などは「普通方式」の遺言を作成します。「普通方式」の遺言は3種類あります。   自筆証書遺言 遺言者自らが全文、および日付・氏名を自筆し、押印したもの。開封時に裁判所の検認を受ける必要があります。自筆のみ有効で、代筆・PC入力のものは無効となります。   公正証書遺言 公証人2名以上の立ち合いのもと、遺言者が口述した内容を公証人が筆記し、これを遺言者が確認し、署名・捺印したものです。公証人が筆記するため、自筆する必要はなく、開封時に裁判所の検認を受ける必要もありません。 公証人の指導で作成し、原本を公証人が保管しているため、間違いや紛失などの危険性が低く、遺言者本人は正本(原本に対し、権限を持ったものが原本に基づいて作った文章であり原本と同じ法的効力をもった文書)を保管します。   秘密証書遺言 遺言者が証書に署名・押印したもので、証書が入った封書にも同一の印章で封印が必要です。公証人に封書を提出し、公証人にその筆者の遺言書であることを証明してもらったもので、原本は本人が保管します。開封時には裁判所の検認が必要となります。     3.注意点 自分で遺言書を書く時には、民法に定められた方式で作成しなければなりません。 また、開封時に裁判所で検認を受ける必要がある場合には、遺言書の封筒に裁判所での検認が必要の旨を書いておくことや、封筒を2重にしておき、外側の封筒を開封したときに検認の手続きについて簡単な紙を入れておく、などといった工夫が必要です。 費用はかかりますが、最も確実なのは公証人に立ち会ってもらって作成する公正証書遺言です。そもそも公証人の指導のもとで作成するため間違いは少なく、開封時の検認手続きも必要ありません。   遺言書自体を書いたことを周囲に知らせておかなかったため、相続の手続き中に遺言書が見つかったという話も聞きます。 遺言書を書いた場合には、書いた事実と遺言書がどこにあるか、開封時の注意なども含めて周りの人に知らせておく必要があるでしょう。 家族が遺言書を発見した場合には不用意に開封せず、家庭裁判所で検認を受ける必要があるかを調べます。万が一、知らずに遺言書を開封してしまった場合にも、あわてず家庭裁判所で検認の手続きを受けるようにしましょう。       目次に戻る

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2019年 12月 09日(月)

自分の死に向きあう

2023年12月19日更新。「自分の死」についてどこまで考えたことがありますか?「終活」や「エンディングノート」などと言った、自身の死やこれまでの人生(自分史)、これからの人生について考えるものがあります。自分の死と向きあい、最期の時に自身の想いが反映できるようにするため、考えておかなければならないことの一部をご紹介します。【もくじ】 ・終活とエンディングノート ・生前契約 ・生前葬 ・尊厳死と安楽死・まとめ   終活とエンディングノート 超高齢社会の中、自身の終焉を考える方が増え、「終活」という言葉が生まれました。それに伴い、葬儀に対する希望や、家族との思い出などを書き残すための「エンディングノート」なども出てきました。終末期を迎える段階になると、判断力や意思疎通能力が低下する心配があり、元気なうちに終活やエンディングノートの作成に取り組まれる方が年々増えています。エンディングノートは、有料のものから無料のものまで様々ですが、主な構成内容は「生い立ち」、「家族との思い出」、「病気になった際の延命措置」、「介護が必要になった際の希望」、「葬儀について」、「財産や相続の考え方」、「家系図」、「写真貼付欄」、「アドレス記入欄」などがあります。しかし、ここに記載されたことは遺言のような法的効力はありません。 生前契約 これまでタブーとされてきた葬儀の事前相談が一般的になり、様々な葬儀の生前契約も出ています。生前契約の代表的なものに互助会がありますが、互助会は相互扶助を理念とした会員組織です。毎月一定金額を積み立て、会員は結婚式またはお葬式のどちらかに利用します。他には、入会金方式の会員制度を取っている葬儀社もあります。これは5,000円~30,000円程度の入会金を支払って会員になると、万一の際、葬儀利用時に祭壇などの割引が受けられるものです。サービスの内容やセットに含まれる項目、プランの料金は各社異なりますので、契約に際しては内容をよく確認することが必要です。   生前葬 2018年5月、大手建設会社の元社長が生前葬を行って話題になりました。生前葬は自分が元気なうちに、縁のあった方やお世話になった方々を招いて感謝の気持ちを伝えるために行われます。通常の葬儀では、故人への弔意や感謝のみとなりますが、生前葬では本人が存命であるため、参加者へ直接感謝の想いを伝えることができ、本人と参加者が互いに想いや感謝を交わせる式を行うことができます。生前葬の内容には決まりがないため、宗教色を出さないものや立食パーティーなど様々ですが、芸能人や著名な方の開催が多くみられます。また、生前葬を行った本人の死亡後に、遺族が通常の葬儀を行っているケースもありますので、生前葬を検討する際は逝く人の想いだけでなく、残される家族の気持ちも考慮することが大切です。   尊厳死と安楽死 終活の中には、亡くなった後のことだけでなく、亡くなり方も考える項目があります。亡くなり方を考える中で出てきたのが尊厳死と安楽死です。   尊厳死 尊厳死とは医療器具による過剰な延命措置をせず、自然に死を迎えさせることです。「回復の見込みのない末期状態の患者が延命措置中止の意志を持っている場合には、延命措置を中止しても違法とはならないと考えるべき」(横浜地判平成7年3月)という尊厳死を認める判例があります。自身の尊厳死を認めてもらうためには、生前の意思(リビング・ウィル)をはっきりさせておく必要があります。   安楽死 安楽死は死期が迫った患者に対して、致死量の薬剤を投与したり(積極的安楽死)、苦痛緩和剤の多量投与によって死期を早めること(間接的安楽死)をいいます。平成7年3月、東海大安楽死事件で次の4要件を満たせば積極的安楽死は認められるという判決がありました。① 患者が耐えがたい肉体的苦痛に苦しんでいること② 患者の死期が迫っていること③ 患者の肉体的苦痛を緩和・除去するために方法を尽くしほかに代替手段がないこと④ 生命の短縮を承諾する患者の明示の意思表示があること(間接的安楽死の場合は患者の推定的意思でも足りる)しかし、東海大安楽死事件では被告人の医師には有罪判決が出ており、これまで日本で安楽死が認められた判例はありません。   まとめ 終活という言葉が聞かれるようになって10年ほど経ちます。自身の死に向き合うことは決してネガティブなことではなく、むしろポジティブな人ほど終活に力を入れているように見受けられます。葬儀に対して備えるだけでなく、自分自身がどう逝くのかを考えておくことが、これからどう生きていくのかを考えることにつながってきます。また、自分で考えておくとともに、家族ときちんと話しをすることも大切です。

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2020年 01月 06日(月)

自分の身体を役に立てたい!献体や臓器提供って?

2023年12月19日更新。亡くなった後でも自分の身体が役に立つなら…そんな思いから、亡くなった後の身体を献体に提供する意思を持つ人が増えています。具体的にはどのようにすれば良いのでしょうか。       【もくじ】 1.献体について 2.臓器提供について       1.献体について 献体とは、医学の教育・研究に役立たせるために、自身の遺体を大学などに提供することをいいます。 献体を行うためには、歯科・医科大学か、献体の会への登録が必要になります。さらに登録時と亡くなった後に献体として提供する際には、肉親の同意も必要になります。 通夜・葬儀は通常通り行って問題無いですが、出棺後は火葬場へは向かわず登録先の団体に向かうことになります。また、葬儀前に献体として提供し、葬儀は遺体が無い状態で行われることもあります。 献体した遺体は遺骨となって遺族の元へ帰ってきますが、その期間は通常で1~2年、長い場合は3年以上かかることもあります。     2.臓器提供について 臓器提供とは、脳死あるいは心肺停止後に、病気や事故などで臓器機能が低下した人へ臓器を提供することです。 提供するには、生前に本人の意思表示が必要ですが、本人の意思が不明な場合でも家族の承諾があれば提供は可能です。 臓器提供の意思は、①健康保険証・運転免許証・マイナンバーカードの意思表示欄②インターネットによる意思登録③意思表示カードで示すことができます。   意思表示には必ずしも家族の承認が必要なことはありませんが、臓器提供の意思があることを家族が知らないと万が一の時に家族が反対し提供の意思が生かされないことがあるため、事前に家族と話し合っておく必要があります。 また、実際の移植の際には家族の総意としての承認が必要なため、一人でも反対者がいれば臓器提供はできません。 臓器提供を行うには、臨終後すぐに医師に知らせ、登録機関に連絡してもらいます。アイバンクの場合も同様ですぐに連絡し、死亡後6時間以内に眼球の摘出手術を行います。 献体と臓器提供どちらも、最終的には家族の同意が必要になります。家族とよく話し合い、全員の理解を深めておくことが大事です。     献体・臓器提供登録団体 献 体公益財団法人 日本篤志献体協会〒160-0023東京都新宿区西新宿3丁目3番23号ファミール西新宿4階404号室TEL:03-3345-8498 アイバンク公益財団法人 日本アイバンク協会〒101-0054東京都千代田区神田錦町3-2三基ビル4FTEL:03-3293-6616 臓器提供(公社)日本臓器移植ネットワーク〒108-0022東京都港区海岸3-26-1バーク芝浦12階TEL:0120-78-1069(平日:9:00~17:30)       目次に戻る

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2020年 01月 08日(水)

散骨や樹木葬ってどんなもの?

2023年12月19日更新。「自分が死んだら遺骨は海に散骨して欲しい」と考えている人は意外と多いかもしれません。子供がいないなど、お墓の継承者がいない場合は形が残らないものを望む傾向にあります。そこで注目されている散骨や、合祀墓や合葬墓としての共同墓地とは実際どのようなものなのでしょうか?     【もくじ】 ・変化する葬法 ・散骨をするには ・樹木葬とは     変化する葬法 遺体を葬る方法のことを葬法といいます。今日の日本では火葬が一般的ですが、古くは風葬や土葬、水葬なども行われていました。風葬は遺体を棺に納めずに地上に置き風化させるものです。日本では沖縄離島などで近年まで行われていました。土葬は棺を土中に埋葬します。一般的な葬法として昭和の初期頃まで行われていましたが、衛生面の問題から火葬場の整備が進む中で無くなっていきました。水葬は遺体を川や海などに沈める葬法で、日本では法律上認められていませんが、例外として船舶の航海中に船内の人間が死亡した場合には船長の権限で水葬を行うことができます。 近年では樹木を墓標とする樹木葬や、遺骨の一部をカプセルに収めて衛星ロケットで打ち上げる宇宙葬など新しい葬法も出てきていますが、いずれも火葬をした上での葬法になります。   散骨をするには 火葬後に拾骨し、遺骨をお墓に納めることを納骨といいますが、昔は拾骨をせずに遺骨を放置や投棄したりをする方法が一部の地域にみられました。現在は、墓地埋葬法のもとに遺骨(お墓)が管理されており、遺骨を放置や投棄することはできません。しかし、少子化や都市部への人口集中などに伴うお墓の継承問題や、宗教観の多様化などによってお墓の在り方が変化してきました。そして、新たな自然葬の一つとして「散骨」という供養が生まれました。自然葬に関する法律が存在していないため、散骨は法的にグレーな部分がありますが違法行為ではありません。散骨を行うには、①遺骨を粉末の状態にする ②撒く際には周囲の環境に配慮する、などが必要です。さらに、散骨をするにあたり注意しなければならない点として、一度撒いた遺骨は戻ってきませんので、海へのロマンチシズムや自然回帰などの観点だけで決めるのではなく、後々の供養の考え方なども含め、家族の理解も必要ですので事前にしっかり話し合いをしておきましょう。実際の散骨方法としては、船をチャーターして海に散骨する「海洋葬」などがあります。 樹木葬とは 一般的なお墓は、お寺や霊園に墓石を建立し、お墓の継承者を設けて供養をします。一方、樹木葬は墓石ではなく故人が好きだった木や花々などを墓標とし、その根元に穴を掘るなどして遺骨を埋葬します。自然志向や墓の継承者がいない人たちにより注目され始め、さらに一般的なお墓に比べて費用が抑えられることから最近、話題になっています。樹木葬は、墓地として許可が出ている土地の樹木に遺骨を埋葬するため散骨とは異なります。また、墓地(霊園)の管理費が必要になります。

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2023年 08月 09日(水)

樹木葬とは?特徴、メリット・デメリット、種類や流れについて紹介

2023年12月19日更新。近年、新たな埋葬のスタイルとして、「樹木葬」が注目を浴びています。中には募集開始後、すぐに受付終了となるところもあり、人気の高さがうかがえます。本記事では、ご自身やご家族が樹木葬を検討している方を対象に、〇樹木葬の特徴〇メリット・デメリット〇注意点などをご説明いたします。いずれ永遠に眠る場所を選ぶことになりますので、後悔やトラブルのないようにしたいものです。特に、従来のお墓とは異なる点について理解を深めていただき、参考にしていただければと思います。         【もくじ】 1.樹木葬とは  1-1樹木葬の特徴   2.樹木葬の種類  2-1里山型  2-2都市型(公園型・庭園型)   3.樹木葬の納骨方法  3-1個別型  3-2共同型  3-3合祀型   4.樹木葬の費用の内訳  4-1使用料  4-2埋葬料  4-3銘板の製作料  4-4年間管理料   5.樹木葬のメリット  5-1良い風景の中でお参りできる  5-2自然に還ることができる(里山型)  5-3お墓をつくるのと比べると比較的安価  5-4お墓の継承を考えなくてよい  5-5ペットと一緒に納骨できる霊園もある   6.樹木葬のデメリット  6-1お参りの対象が漠然としていて、実感が湧きにくい  6-2樹木が枯れる、倒れる場合がある  6-3季節によっては風景が寂しくなる  6-4アクセスが悪いと、お参りに行きにくい  6-5納骨した場所が、分からなくなる場合がある  6-6粉骨した状態での納骨が必要な場合がある  6-7後から遺骨を取り出せない場合がある  6-8納骨する人数が増えると割高になる場合がある  6-9お墓が無いため、継承することが出来ない   7.樹木葬の流れ  7-1情報収集  7-2見学  7-3申し込み  7-4契約  7-5入金  7-6使用許可証の受け取り  7-7納骨(埋葬)  7-8法要   8.樹木葬の注意点  8-1現地を確認する  8-2納骨方法を確認する  8-3事前に家族・親族へ同意を得る  8-4規約を確認する   9.よくある質問   10.まとめ:樹木葬は内容を十分確認してから申し込みを         1.樹木葬とは   1-1樹木葬の特徴 <樹木葬の意味> 「樹木葬」の読み方は「じゅもくそう」です。一般的には、墓石の代わりとして、主に樹木を墓標とするお墓の総称が「樹木葬」と呼ばれています。※墓標(ぼひょう):埋葬されていることを示すもの。「樹木“葬”」という名称のため、「家族葬」「一般葬」のような葬儀のやり方(形式)と混同されがちですが、正しくは埋葬方法のことです。       <「樹木葬」の形態は多岐にわたる> 各霊園がアイデアを駆使し、さまざまな形態を「樹木葬」と称して提供しています。一般的には、「樹木葬」といえば、樹木の下の土に遺骨をそのまま還すイメージだと思いますが、それに限定されません。実際には、骨壺などの容器で埋葬するケースも多いですし、墓標が樹木以外のこともあります。また、花壇の中に埋葬する形態も「樹木葬」と呼ばれたりします(2-2都市型(公園型・庭園型)を参照)。「樹木葬」は、その名前が象徴する範囲を超え、自然や植物、循環(還る)をテーマにした多岐にわたる埋葬方法といえるかもしれません。したがって、「樹木葬」を選ぶ際には、その内容をよく確認することが重要です。     ■補足:「樹木葬」と「散骨」との違い 「散骨(さんこつ)」とは、「自然葬」とも呼ばれ、遺骨を埋葬せず、パウダー状に粉骨してから山や海などに散布することをいいます。一方、「樹木葬」は遺骨を地中に埋葬する点が散骨と異なりますが、同様に「自然葬(の一部)」と呼ばれることがあります。「自然葬」と記載されている場合には、具体的な内容をよく確認しましょう。       <樹木の墓標は「シンボルツリー」と呼ばれる> シンボルツリーとして選ばれることの多い樹木には、以下のようなものがあります。○桜○ハナミズキ○もみじ○ヤマツツジ○サルスベリ○カエデ○クスノキ〇オリーブなど。樹木の種類を指定できるかどうかは霊園によります。     ■補足:樹木以外の墓標もある ○花壇(草花)○石やガラスなどで作られたモニュメントなどです。       <宗教・宗派は不問であることが多い> ■公営霊園 基本的には不問です。     ■民営霊園 不問が多いですが、そうではない霊園もあります。特に、「寺院墓地」と呼ばれ、寺院が管理している墓地の一部が樹木葬区画になっている場合です。寺院によっては、同じ宗派であることや、戒名が必須とされていることがあります。樹木葬だからといって、宗旨・宗派を問わず納骨できるとは限りませんので、注意しましょう。       <継承を必要としない永代供養が多い> 永代供養(えいたいくよう、えいだいくよう)とは、遺族に代わり、霊園や寺院が永年で供養とお墓の管理をしてくれることをいいます。樹木葬では、従来のお墓のように代々の継承を必要とせず、永代供養墓としているところが多くなっています。       <許可を得た場所しか埋葬できない> 樹木のある場所、山林であればどこでもよいわけではありません。霊園として法的な許可を得ている場所に埋葬します。   もくじに戻る             2.樹木葬の種類 大きく分けて2種類あります。   2-1里山型 山林の自然な景観を生かし、整備が最小限にとどめられている場所に埋葬します。もっとも「自然に還る」ことを感じられるタイプです。   ■埋葬方法 地中に直接、埋葬することが多いです(土に還す)。   ■区画 一区画ずつに遺骨が埋葬され、シンボルツリーが植樹されます。   ■アクセス 自然の山林を利用しますので、交通の便があまりよくない場所もあります。         2-2都市型(公園型・庭園型) 主に都市部やその近郊で整備された霊園に埋葬するタイプです。外観から更に2つのタイプに分けられます。   <公園型> 芝生や花壇などが配置され、一般の公園と同じようにトイレなどの設備もあり、美しく整然とした霊園で行われるタイプです。都市部で自然に触れつつ、ゆっくりとお参りできることが魅力です。   ■埋葬方法 骨壺などに入れて埋葬します(土の中に還すタイプは少数)。   ■区画 1本~数本のシンボルツリー周辺に個別の区画があります。   ■アクセス 都市部とその近郊にあるため、比較的よいです。       <庭園型(ガーデンタイプ)> 公園型のなかでも、特に庭園のように整備されたタイプで、「ガーデンタイプ(ガーデニングタイプ)」とも呼ばれています。従来型の霊園の一角に設けられていることもあります。イングリッシュガーデン風、日本庭園風など趣向を凝らした霊園も見受けられます。美しい花壇の中で、永遠の眠りにつくイメージのタイプです。   ■埋葬方法 骨壺などに入れて埋葬します(土の中に還すタイプは少数)。   ■区画 花壇(草花)の中に埋葬されます。   ■アクセス 都市部とその近郊にあるため、比較的よいです。   もくじに戻る             3.樹木葬の納骨方法 主に3つの方法があります。必ずしもすべての方法が可能なわけではなく、霊園によってさまざまです。   3-1個別型 申し込んだ人数に応じた区画が割り当てられ、そこに納骨します。   ■区画 1区画に1本の樹木を植えます。主に里山型で行われます。   ■埋葬方法 地中に直接、埋葬します。都市型では骨壺などに入れることが多いです。   ■費用 もっとも割高です。   ■使用期限 期限が設けられ、その後は合祀の上、永代供養となることが多いです。※合祀(ごうし):合わせて祀る(まつる)こと。遺骨は他の方と一緒になりますので、特定の故人様の分だけを取り出すことはできません。         3-2共同型 集合型とも呼ばれ、一つの共同スペースの中に複数の遺骨を納めるタイプです。   ■区画 1本、もしくは数本のシンボルツリーを複数の区画でシェアします。庭園型では草花だけを植えることもあります。   ■埋葬方法 骨壺などに入れた状態での埋葬が多いです。   ■費用 個別型よりも割安です。   ■使用期限 期限が設けられ、その後は合祀の上、永代供養となることが多いです。         3-3合祀型 他の方の遺骨と一緒に合祀するタイプです。   ■区画 1つの区画に、不特定多数の方と一緒に埋葬されます。墓標はモニュメントのことが多いです。   ■埋葬方法 地中に直接(土に還す)、もしくは納骨袋に入れて埋葬します。   ■費用 もっとも割安です。年間管理費も不要の場合が多いです。   ■使用期限 期限がないことがほとんどです(永代供養)。   もくじに戻る             4.樹木葬の費用の内訳 ここでは費用の目安となる項目をあげます。霊園によっては不要なもの、名称が異なるもの、その他の費用が必要となるところもあります。内訳とその内容をよく確認しましょう。   4-1使用料 土地を使用するための料金です。地価に応じて高くなりますので、都心は高い傾向にあります。相場は、霊園の立地、埋葬を希望する人数や場所によりますが、一人あたり20万円~100万円程度といわれています。         4-2埋葬料 遺骨を埋葬する際に必要となる料金です。         4-3銘板の製作料 埋葬場所の目印として、銘板(プレート)を作成する場合の料金です。文字やイラストなどを彫刻します。         4-4年間管理料 霊園の維持・管理にかかる料金です。   もくじに戻る             5.樹木葬のメリット   5-1良い風景の中でお参りできる 自然や、植物の美しさに配慮された霊園の中で、落ち着いて心地よくお参りできるでしょう。         5-2自然に還ることができる(里山型) 里山型は、自然豊かな場所に霊園があります。遺骨を地中に直接埋葬することが多く、死後「自然に還る」ことを重視したい方には最適でしょう。         5-3お墓をつくるのと比べると比較的安価 従来のお墓は、土地の使用料のほか、墓石と工事代に多額の費用がかかります。樹木葬は、区画や埋葬方法、利用する人数次第ですが、従来型のお墓と比べて安価といえます。墓石にお金をかけたくない(かけられない)という方にはよいでしょう。         5-4お墓の継承を考えなくてよい 従来のお墓は、通常、代々の子孫が継承していくものですが、少子化や非婚化などの影響により、継承者のいないお墓が増えつつあります。樹木葬は永代供養を前提としているところが多いため、継承の心配がないといえます。         5-5ペットと一緒に納骨できる霊園もある ペットを家族の一員として一緒に埋葬してほしい方は、詳細を確認しておきましょう。   もくじに戻る             6.樹木葬のデメリット   6-1お参りの対象が漠然としていて、実感が湧きにくい 樹木や草花ではお参りの対象と考えにくい方もいらっしゃるかもしれません。お参りする方の気持ちに配慮することも必要でしょう。         6-2樹木が枯れる、倒れる場合がある 植物ですので、枯れたり倒れたりする可能性があります。再度植樹ができるかどうかや費用については、あらかじめ確認しておきましょう。         6-3季節によっては風景が寂しくなる 樹木の葉や花が落ちるシーズンには、物寂しいと感じるかもしれません。自然の移ろいとして受けとめるか、気になる方は従来のお墓も検討してみましょう。         6-4アクセスが悪いと、お参りに行きにくい 自然豊かな場所にあると、交通の便があまりよくないことがあります。遺族にとってお参りしやすい場所か確認しましょう。         6-5納骨した場所が、分からなくなる場合がある (里山型の場合)樹木が生育し形状が変わります。また周囲の環境が変化し、故人様のシンボルツリーがわからなくなることがあります。         6-6粉骨した状態での納骨が必要な場合がある 心情的に受け入れがたい方は、粉骨が不要な埋葬方法や霊園を検討してみましょう。         6-7後から遺骨を取り出せない場合がある 取り出しの可否は、埋葬方法によって、また霊園によっても異なります。一般的には、次のとおりです。〇個別型、共同型では可能なことが多いが、遺骨を土に還す方法では、難しいことが多い。〇合祀型の場合、他の遺骨と混ざるため不可能。  改葬の可能性がある方は、取り出しできる方法を選択するか、樹木葬以外を検討しましょう。※改葬(かいそう):遺骨を別の埋葬場所に移すこと。         6-8納骨する人数が増えると割高になる場合がある 料金体系によりますが、樹木葬は一人または夫婦での契約が多く、先祖や子孫などと一緒に埋葬する場合には、従来のお墓を新たに作るよりも割高になる可能性があります。         6-9お墓が無いため、継承することが出来ない 樹木葬には使用期限があり、その後は合祀されることが多いです。従来のお墓とは異なり、継承ができないため、先祖や子孫と同じお墓に入りたい方には向いていないといえます。   もくじに戻る             7.樹木葬の流れ   霊園の選定から、実際の納骨にいたるまでの流れや手順を説明します。   7-1情報収集 霊園のパンフレットやインターネットなどを利用します。         7-2見学 交通の便も確認できますので、実際に現地へ見学に行きましょう。見学予約が必要な場合はあらかじめ連絡をしておきます。         7-3申し込み じっくり検討の上、申し込みしましょう。         7-4契約 契約を交わします。         7-5入金 料金をお支払いします。         7-6使用許可証の受け取り 霊園から使用許可証を受け取ると、埋葬が可能となります。         7-7納骨(埋葬) 遺骨を埋葬する際には、「埋葬許可証」が必要です。○火葬後、火葬場から「埋葬許可証」を受け取ります。○納骨当日は、霊園に遺骨と埋葬許可証を持参し、納骨(埋葬)します。         7-8法要 納骨時に法要を行う場合は、あらかじめ寺院に依頼しておきます。   もくじに戻る             8.樹木葬の注意点   8-1現地を確認する パンフレットやインターネットの情報だけでは把握しきれないことがあります。○立地やアクセス○雰囲気○霊園内外の環境・設備○管理状態など、実際に足を運んで確認しましょう。         8-2納骨方法を確認する 3.樹木葬の納骨方法を参考に、確認します。         8-3事前に家族・親族へ同意を得る 遺族として、実際に埋葬やお参りをしていただくことになりますので、同意を得ておきましょう。もし従来型のお墓があれば、お墓を撤去すること(墓じまい)や改葬なども検討する必要があります。         8-4規約を確認する 管理方法や費用、参拝ルールなど、重要事項は規約に記載されていますので、確認します。   もくじに戻る             9.よくある質問   Q:樹木葬の葬儀に対応していますか? A:誤解を生みやすいのですが、樹木葬は葬儀のやり方ではなく、埋葬方法(お墓)のことです。葬儀については、別途ご検討いただく必要があります。   もくじに戻る             10.まとめ:樹木葬は内容を十分確認してから申し込みを   ここまでの説明を通じて、樹木葬について理解を深めていただけたかと思います。さまざまな特徴やメリットを考慮すると、樹木葬が適しているのは以下のような方々といえるでしょう。〇自然に還りたい。○お墓を持っていないし、菩提寺もない。○自分や夫婦だけのお墓が欲しい。〇お墓の世話を子孫にさせたくない。○独り身なので供養してくれる人がいない。〇永代供養してほしい。また、樹木葬を検討されている方は、葬儀の方法を含め、終活の一環として取り組まれているケースが多いようです。全国儀式サービスが提携している約500社の葬儀社は葬儀だけでなく、墓地・霊園、相続や遺品整理も含めた終活全般のご相談窓口として活用いただけます。最寄りの葬儀社をご紹介しますのでお問い合わせください。       24時間365日、葬儀のご依頼・ご相談を受け付けております。早朝・深夜、祝日・連休・年末年始も、気兼ねなくご連絡ください。     全国儀式サービス コールセンター■お電話0120-491-499(通話料・相談料・紹介料、無料)■メールお問い合わせページから相談する  

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