マナーのコラム一覧

お葬式の知識やマナー、宗派や喪主のこと、そして用語集など、知っておくべき情報をお届けします。ぜひご活用ください。

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2019年 12月 18日(水)

病院へのお見舞い、行っても大丈夫?

2023年12月19日更新。入院した方へのお見舞いは、どのタイミングで行くのが良いのでしょうか?相手があることなので自分の予定だけで行くことはもちろん出来ません。この記事では、相手の負担にならないお見舞いの行き方、そして入院した人が退院した際に行うべきことをまとめましたので参考にしてみてください。 【もくじ】 ・お見舞いはいつ行く? ・面会が許されたら時間内で切りあげる ・病気の原因などの話題は避けた方がよい? ・快気祝いとお返し     お見舞いはいつ行く? 知人や友人が病気などで入院すると、すぐお見舞いに行ったほうがよいのではないかと思いがちですが、その必要はありません。入院直後の病人の状態は本人にとっても、また、病人を支える家族にとっても大変な時期です。家族に話を聞いてからにするか、とりあえずお見舞いの手紙を出して様子を見ます。落ち着いている様子であったらお見舞いに行っても大丈夫でしょう。最近では、病院は入院患者の病室を教えてくれませんので、事前に家族や本人にお見舞いに行きたい旨を伝え、入院先や病室を確認する必要があります。   面会が許されたら時間内で切り上げる 病院には面会時間が定められています。お見舞いはその時間内であり、できれば午後3時前後の本人も周囲もリラックスできる時間帯が良いでしょう。面会の時間は15分ぐらいを限度にします。入院生活の気分転換になるのであれば、病人の負担にならない程度で話し相手になりたいものです。   病気の原因などの話題は避けた方がよい? 病人と話をするとき、病状については「具合はいかがですか?1日も早くまた一緒に〇〇をしましょう」というように病人に希望を持ってもらえる明るい話にします。病気の原因などについては自分から尋ねるようなことはせず、病人が自ら話す場合にはしっかりと聞いてあげましょう。   快気祝いとお返し 快気祝いは、無事に退院したときにお見舞いのお礼としてお返しするものです。お見舞いの品やお見舞い金をいただいた場合は、内祝いの品を贈ります。金額としてはいただいた「お見舞い」の半額ぐらいを目安にし、退院後1週間から10日の間に行います。快気祝いの品には「快気祝」と書いた熨斗紙を付けます。水引は、祝いごとの紅白に、病気やケガを繰り返さないように結び切のものを使用します。 品物を贈る以外に親類や親しい友人たちを自宅などに招いて内祝いをすることもあります。また、お見舞いのお礼と退院の報告は自筆で礼状を書いて送ると良いでしょう。

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2023年 03月 02日(木)

知人・友人が危篤の場合の面会/お見舞い|連絡を受けた際の対応、服装やかける言葉などマナーを紹介

2023年12月19日更新。あなたの知人・友人等が、病状の悪化や事故などで危篤状態になり、身内の方から「もう危ないので、顔を見てやってほしい」「面会に来てほしい」と連絡を受けたとします。危篤者の方が、万一の時はあなたに来て欲しいと事前にご家族へ頼んでいたのかもしれません。あるいはご家族があなたの顔を思い浮かべ、ぜひにと思われたのかもしれません。この記事では、危篤連絡への対応方法、面会に伺う場合のマナー、かける言葉等についてご説明します。なお、「ご自身が危篤者の家族」の方は、こちらの記事をご覧ください。危篤とは?病院から家族の危篤連絡を受けたら?するべきことや考えておくこと         【もくじ】 1.危篤とは  1-1危篤の意味   2.危篤の電話連絡を受けたら行うこと  2-1要点を聞く  2-2その場で返事をする  2-3補足1:すぐに返事ができない場合  2-4補足2:メールで連絡が来た場合への対応   3.お見舞いに行く際の服装  3-1落ち着いた色で無地が好ましい  3-2喪服はどうしたら良いか   4.お見舞いに行く際の持ち物  4-1お見舞いの品やお見舞金は不要   5.お見舞い先での振る舞い  5-1家族の指示に従う   6.お見舞い先でかける言葉  6-1危篤の方の家族に対して  6-2危篤の方(本人)に対して   7.メールで連絡が来た場合の対応  7-1要点を確認する  7-2返信する  7-3メールの文例   8.よくある質問   9.まとめ:危篤の方のお見舞いには、できるだけ速やかに伺いましょう         1.危篤とは 1-1危篤の意味 「危篤」の読み方は、「きとく」です。病状の悪化や事故等で命に危険が迫っており、回復が極めて困難と医師が判断した状態をいいます。医師からご家族に「万が一のことを考えておいてください。親族や知人など会わせたい方をすぐにお呼びください。」のような言葉が告げられます。通常、危篤状態になってからは、数時間から数日中にお亡くなりになることが多いようですので、非常に緊急性が高いと言えます。     <「危篤」と「重篤」の違い> 「危篤」は、命の危険がある状態で、「重篤(じゅうとく)」は病気やケガの状態が深刻な状態であることを言います。「危篤」は「重篤」よりも切迫している状態を示します。   もくじに戻る             2.危篤の電話連絡を受けたら行うこと 一刻を争う状態ですので、電話で連絡を受けることが多いと思います。   2-1要点を聞く 以下の点について確認をします。①誰が危篤者なのか②危篤者の状態③入院先の病院名・住所・部屋番号④面会の可否※④について昨今では、コロナ等感染症対策のため、対面が禁止されていたり、ごく身内のみで時間限定だったり等、様々な制限やルールのある医療機関が大半です。このため、次のいずれかが考えられます。◯面会可能なタイミングを連絡するので(自宅か病院で)待機しておいてほしい、との依頼。◯(面会ができないので、対面してもらえないまま)亡くなる可能性を覚悟して欲しい、とのお知らせ面会の可否と依頼内容をきちんと確認し、その後の対応を決定します。       2-2その場で返事をする <面会に行く場合> 危篤は一刻を争う状況ですので、すぐに向かう旨を伝え、ただちに出発します。できるだけ落ち着いて焦らず、速やかに移動しましょう。     <面会を依頼されても行けない場合> 遠方にいる、仕事、自身の病気などなんらかの事情で、どうしても面会に行けないこともあるでしょう。その場合は、①伺えないお詫び②会えなくて残念な気持ち③危篤者の回復を祈る気持ち④ご家族への気遣いを伝えましょう。     <面会を禁止されている場合> この場合は、前項の②~④をお伝えしましょう。       2-3補足1:すぐに返事ができない場合 ○自宅電話宛てに連絡を受けたが、面会を求められた本人が不在○深夜で交通手段が確保できるかわからない○遠方にいる等の理由で、その場で返事ができない場合は、要点を伺っておきます。後ほど決まり次第、速やかに返事をします。       2-4補足2:メールで連絡が来た場合への対応 最近では、メールで連絡をいただくことも少なくありません。その場合は、メールで返信します(詳細は第7章を参照してください)。   もくじに戻る             3.お見舞いに行く際の服装 3-1落ち着いた色で無地が好ましい 自宅にいる、あるいは速やかに自宅に戻れるのであれば、落ち着いた服装に着替えた方が良いです。派手な服、露出の多い服は避けるといいでしょう。しかし、駆け付けることが最優先なので、時間がない場合は、そのままの服装でもやむをえないと思われます。       3-2喪服はどうしたら良いか 遠方から移動する方は、もしもの葬儀に備え、喪服をどうしたらいいのか迷うかもしれません。喪服を持参する場合はコインロッカーに預けたり、車の中で保管したり、ご家族の目に触れないようにしましょう。レンタルするのも一つの方法です。また、お亡くなりにはなっていないので、間違ってもお見舞いには着ていかないようにしましょう。   もくじに戻る             4.お見舞いに行く際の持ち物 4-1お見舞いの品やお見舞金は不要 駆け付けることが最優先であると共に、「行くまでに用意していた」と思われないためにもお見舞いの品やお見舞金は不要です。なお、都市部から地方へ行く場合は、現金を用意しておくと安心です。キャッシュレス決済に対応していない所も地方では意外に多いです。   もくじに戻る             5.お見舞い先での振る舞い 5-1家族の指示に従う 危篤という状態のため、一度に面会できる人数や時間が制限されている場合があります。家族の指示に従い、静かに待ちます。   もくじに戻る             6.お見舞い先でかける言葉 6-1危篤の方の家族に対して 危篤の方の対応で慌ただしい中、ご連絡を下さったご家族に寄り添う言葉をかけましょう。あまり時間がないため、手短にお話します。   (例)「大変な時にご連絡いただきありがとうございました。」「貴重なお時間に、私にまで面会の機会をいただき、ありがとうございます。」「奥様がそばにいてくださって何よりだと思います」       6-2危篤の方(本人)に対して 本人に意識はなくても、聴覚は比較的最後まで残るとも言われています。耳元で言葉をかけてあげるといいでしょう。もしかしたらこれが最後かもしれないと思うと、特に「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えたくなる方が多いようです。   (例)「あなたに出会えて本当によかったよ。ありがとう。」「おばさんのこと、大好きでした。いつも優しくしてくれて感謝しています。」   もくじに戻る             7.メールで連絡が来た場合の対応 メールで連絡があった場合も2.危篤の電話連絡を受けたら行うことと基本的には同じです。     7-1要点を確認する 以下の点について確認をします(再掲)。①誰が危篤者なのか②危篤者の状態③入院先の病院名・住所・部屋番号④面会の可否       7-2返信する メールで連絡をいただいた場合、電話ではなくメールで返信した方がいいと思われます。先方が通話を禁止されているエリアにいる可能性があります。いただいたメールの文面に合わせて臨機応変に対応しましょう。       7-3メールの文例 ご家族の時間を奪わないよう、簡潔な内容にします。ただしメールは文字として残るので、打ち間違いや言葉には十分注意して送るようにしましょう。     <面会に行く場合> 「面会に伺います。××時頃に到着予定です。(指定の場所の)××に行きます。」     <面会の待機を依頼されている場合> 「承知しました。自宅で待機しますので、またご連絡ください。」     <面会を依頼されても行けない場合> その場合は、以下の4点を組み合わせて送るようにしましょう。①伺えないお詫び②会えなくて残念な気持ち③危篤者の回復を祈る気持ち④ご家族への気遣い   ①の例「せっかくご連絡をいただききましたが、(例:遠方のため)面会に伺えず申し訳ございません。」②の例「(危篤者)さんにお会いしたかったのですが、残念でなりません。」③の例「(危篤者)さんのご回復を心から祈っております。」④の例「かけがえのない時間をご家族で大切にお過ごしください。 」     <面会を禁止されている場合> 前項の②~④をお伝えしましょう。   もくじに戻る             8.よくある質問 Q:兄弟から親の危篤の知らせがありました。どうしたら良いでしょうか? A:3つのことを行いましょう。①職場に連絡してすぐに病院へ駆け付ける。②家族として出来ることをしてあげる。③もしもの際に備える。ご自身が「危篤者の家族」の方は、こちらの記事をご覧ください。危篤とは?病院から家族の危篤連絡を受けたら?するべきことや考えておくこと       Q:危篤の方のお見舞いに行きますが、もし臨終に間に合わなかった時はどのように対応したらいいでしょうか? A:ご遺族にはお悔やみの言葉を述べ、何かお手伝いできることがあればさせていただく旨を伝えます。亡くなって間もない時間であればお顔を拝見できることもあります。通常、数時間以内には故人様を病院から搬出しなければなりませんので、タイミングによっては入れ違いになる可能性も考慮しましょう。葬儀の詳細など今後については決まり次第のご連絡を依頼します。       Q:職場の上司、部下、あるいは友達が、家族の危篤のしらせを受けた場面では、どんな言葉をかけてあげるといいのでしょうか? A:遠慮せずにその場を離れ、すぐに駆け付けるよう促してあげましょう。「(仕事のことは気にしなくていいから)とにかく駆け付けてあげてください。」等。特に、急な病気や事故の場合は、動揺していることが多いものです。「焦っていると思いますが、できるだけ落ち着いてくださいね。」「運転に気を付けてくださいね。」の声掛けもいいでしょう。   もくじに戻る             9.まとめ:危篤の方のお見舞いには、できるだけ速やかに伺いましょう ここまで、知人・友人の危篤連絡があった際の対応、面会に伺う場合のマナー、かける言葉等についてご説明しました。   <ポイント> ◯危篤とは、いつ亡くなってもおかしくない状態。◯連絡を受けたらその場で返事をする。できない場合は決まり次第速やかに。◯落ち着いた服装が基本。◯お見舞いの品、お金は不要。◯お見舞い先では、面会ルールとご家族の指示に従う。◯ご家族と危篤者に心を込めた言葉を伝える。◯メールで連絡があった場合は、メールで返信する。   お見舞いを依頼された場合、できるだけ速やかに駆け付けましょう。そして大切な方に、心からの思いを言葉にして伝えてあげましょう。    

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2022年 10月 13日(木)

香典の準備について-金額、香典袋の選び方、入れ方、当日の渡し方まで紹介

2023年12月19日更新。「葬儀に参列することになったけど、香典ってどうやって用意したらよいの?」といったお悩みを解決します。香典は仏式の葬儀で霊前にお供えするものですが、ここでは神式およびキリスト教の葬儀についても、併せてご紹介いたします。         【もくじ】 1香典の意味 2準備するもの 3香典の金額 4香典袋の選び方 5香典袋の書き方 6お札の香典袋への入れ方 7香典袋の袱紗への入れ方 8当日の香典の渡し方  ・参列できないが香典を渡したい場合 9まとめ:香典は参列の前日までに用意できると安心です           1香典の意味 <一般的な意味> 香典は、仏式での葬儀において、故人様の霊前にお香やお花の代わりに供える金銭のことをいいます。また家族(の大黒柱)を亡くした遺族を思いやり、経済的に支援するためのものでもあります。   <本来の意味> 儀式における「お香」のことを指します。つまり、通夜や葬儀・告別式での焼香を指します。焼香には抹香(まっこう)が使われるのが一般的ですが、昔はものすごく高価なものだったため、用意してくれた遺族に対して金品を贈ったことが名残となり、現在に至ります。今日では金銭を贈りますが、昔は喪に服した生活を送る遺族のために、香の代わりにお米や野菜を贈る地域もありました。   <香典を辞退する場合もある> 最近、関西(特に大阪)では、遺族が香典を辞退するケースが増えています。理由は、○参列者に負担を掛けたくない○香典返しの手間を省く○家族葬が増えてきたなどがあるようです。香典の準備をしておいて、当日の斎場での受付係の応対に従うようにしましょう。   <補足1> 本来の意味を踏まえると、「香典≒弔意を示すもの」には当たらないため、故人様および遺族への弔慰(ちょうい)を深く示す際には、供花や供物を贈ります。   <補足2> 香典は、仏式の葬儀に特有のものであり、神式やキリスト教式の葬儀では、本来は、香典とは言いません。○神式では、御玉串料、御榊料○キリスト教式では、御花料と呼ばれます。かつては持って行かなかったものですが、仏式の葬儀が日本の葬儀全体の約9割を占めるため、経験の多い仏式の葬儀に倣う形で登場し、金銭を贈るようになりました。   <補足3> 葬儀社からの見積書や請求書の中に記載のある「線香代」が高く感じられるのは、抹香や香炭(こうずみ:お香を焚くための炭)等の費用が含まれていることが理由です。   もくじに戻る           2準備するもの <一覧> ①お金 ・折り目のついたお札。新札は避ける。 ※葬儀のために用意していたと思われないため。②香典袋(不祝儀袋) ・葬儀の形式(宗教)に合わせた袋。③筆ペン ・薄墨の筆ペン。弔事用。④袱紗(ふくさ) ・グレーや紺など、寒色のもの。急用で準備する場合は、実店舗で購入することが多いと思います。スーパーやコンビニの他、最近では100円均一のお店でも揃えられるようです。特に②香典袋(不祝儀袋)は、100円均一のお店での品揃えが豊富になってきました。また、適した不祝儀袋が見つからない場合は、デパートや本屋の文具コーナーを探してみるのも一案です。品揃えが豊富な傾向にあります。   もくじに戻る           3香典の金額 <人と相談して決める> 親族の葬儀の場合…親族の年長者知人の葬儀の場合…参列する人と相談して決めましょう。故人様が仕事関係の場合は、同僚等と相談して、一定の金額に合わせることがあります。※個人的に親しかった場合を除く。   <関係性や立場も考慮する> 香典の金額は、○故人様の社会的地位○故人様が住んでいた地域でのしきたり○自分と故人様の関係の深さ 例:習い事で師事していた 等○自分の社会的地位等によっても異なります。ただし、身分不相応に背伸びして多く贈る必要はありません。   <NGな数字に注意する> 4:「死」を連想させるため。9:「苦」を連想させるため。※地域や場合によって異なります。   <参考:香典の金額の相場> ○故人様が以下(親族)の場合 親:10万円 兄弟姉妹:3万円 祖父母:1万円 おじ・おば:1万円 上記以外の親戚:1万円○故人様が親族ではない場合 職場関係:5千円 勤務先社員の家族:5千円 取引先関係:5千円 友人・その家族:5千円 隣人・近所:5千円 その他:5千円出典:一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会 香典に関するアンケート調査(平成28年度) 回答数7,425人「参列者と亡くなった故人との関係」別にまとめた、香典の最多回答額を掲載。詳細: https://www.zengokyo.or.jp/activity/report/search/funeral-gift/   もくじに戻る           4香典袋(不祝儀袋)の選び方 市販の不祝儀袋を用いるのが一般的です。   葬儀の形式(宗教)に合った表書きにする <仏式> ○御霊前○御香奠(御香典)○御香料など※浄土真宗は「御佛前」を用います。   <神式> ○御玉串料○御榊料など※玉串(たまぐし)、榊(さかき)は、いずれも神様へのお供え物を意味しています。   <キリスト教式> ○御花料※お花をお供えすることを意味しています。※白無地の他、十字架や百合の花の絵柄が付いた袋があります。   <一般的にどの宗教でも対応可> ○御霊前※故人様の霊前にお供えすることを意味しています。※相手の宗教がわからない場合は「御霊前」とするのが無難です。     不祝儀袋を選ぶ際の注意点 <蓮・菊の絵柄が付いた袋は、仏式用> 仏式用の不祝儀袋です。蓮は仏教と縁の深い花であるため、神式やキリスト教式には使用できないので注意しましょう。   <表書きのない袋は、水引に注意> 水引に注意して選びます。水引の色 :黒白または銀一色※地域によっては、黄色と白の水引の袋が用いられる所もあります。水引の結び:結び切り※結び切りには「二度と不幸が来ないように」という意味が込められています。 ■結び切り ■あわじ結び(結び切りの一種)   <香典の金額に合わせた袋にする> 水引や装飾の立派な不祝儀袋もあります。金額に見合ったものを選びましょう。香典袋の外装パッケージに、入れる金額の目安が記載されていることが多いので、それを参考にして選びましょう。なお、香典の金額が1万円までであれば、水引等が印刷された袋を使用することが多いようです。   <通夜、葬儀・告別式でも、袋は同じ> どちらの場合も袋は同じものを用います。香典は通常、通夜または葬儀・告別式のどちらかで渡します。   <法要の場合は「御仏前」> 四十九日以降には「御佛前」を使用するのが一般的です。霊として、さまよっている期間(四十九日/中陰)を終えて、仏門に入ったためです。 ■御佛前(四十九日以降は、薄墨ではなく濃墨で記載した袋を使用)   <地域・風習に合わせる> 前述のとおり、地域によっては水引が黄色と白の袋を用いる所もあります。その地域の人に確認しておくと安心です。   もくじに戻る           5香典袋の書き方 香典袋は外袋と内袋でセットになっています。外袋・内袋ともに「薄墨」の筆ペンで書きます。薄墨には、涙で墨が薄くなったという意味があり、故人様を失った悲しみを表します。   外袋の書き方 <表側> 水引の上に表書き水引の下に名前(フルネーム)を書きます。名前は、表書きより少し小さい文字で書きます。   <裏側> 氏名・郵便番号・住所・金額を書きます。住所は忘れずに書きましょう。住所がないと、ご遺族が挨拶状や香典返しを送る際の手間になってしまいます。   <連名(2~3名)の場合> 目上の人から順に、袋に向かって右から名前を書いていきます。   <4人以上の場合> 「○○(団体名)一同」と書き添えます。   <補足> 香典の数は、故人様の社会的な交友範囲や人徳を示すことにもつながります。なるべく連名は避けて、少額だとしても一人ひとりが贈るようにしましょう。     内袋の書き方 <表側> 「金○○円也」と書きます。金額は旧字体にします。一→壱二→弐三→参五→伍十→拾千→阡万→萬○内袋に金額を書いておく理由 ・ご遺族が香典をいただいた方へ香典返しをする際に、手間が省けるため。 ・香典は、受け取った後に、袋とお金に分けられて管理されるため。○金額を旧字体で書く理由 ・会計係の方が、受け取った香典の金額を間違わないようにするため。   <裏側> 郵便番号・住所・氏名を書きます。   <補足:筆ペンで書くのが苦手な場合> ペン先が硬い「硬筆タイプ」の筆ペンを、活用するのも一案です。ボールペンやサインペンのような感覚で書くことができます。慶弔両用のタイプもあり、数百円で買えます。1本持っておくと、いざという時に慌てません。   もくじに戻る           6お札の香典袋への入れ方 お札の準備 新札を避けます。新札しかない場合は、折り目を付けます。     内袋への入れ方 お札の向きに注意して入れます。肖像画が内袋裏側の下段に来るようにします。     外袋への入れ方 内袋の表と外袋の表が合うように、内袋を入れます。外袋は、封筒タイプと多当折りタイプ(1枚の紙を折って袋にしたもの)があります。多当折りタイプの場合、裏側は、上部が折り返し部分の上に来るようにします。これには「涙を大地に落とす」という意味が込められています。   もくじに戻る           7香典袋の袱紗(ふくさ)への入れ方 袱紗について 袱紗は、熨斗袋(のしぶくろ)や金封を包む、一枚布のことを言います。香典は袱紗に包んで持参するのがマナーです。包む理由は以下の通りです。○香典袋が汚れたり、しわが付くのを防ぐ。○受け取る相手への心遣い。     包み方 ※分かりやすくするため、留め具の付いた「爪付き袱紗」で説明しています。①爪の部分が左にくるように袱紗を置き、その中央に香典袋を表向きにして置く。②袱紗を右・下・上の順に折りたたむ。③袱紗の左を折り、端を裏側に回し、爪を止める。     注意点 弔事と慶事では、袱紗の色および入れ方が異なるので注意しましょう。   <袱紗の色> 弔事:紺・緑・グレーなど(寒色系)慶事:赤・ピンク・オレンジなど(暖色系)※紫は慶弔どちらでも使用可能。   <入れ方> 慶事:弔事の時と、真逆の順番に包む。弔事:右・下・上・左の順番に包む。     袱紗がない場合 小さな風呂敷や白いハンカチで代用しても構いません。袱紗を購入する場合は、上記にもある通り、紺やグレー等の寒色系の色にします。紫は、慶弔どちらにも使用でき便利です。また最近では、香典を「包む」のではなく、「入れる」形式の封筒型の袱紗もあります。   もくじに戻る           8当日の渡し方 受付での流れ ①お悔やみを述べる  例:「この度はご愁傷様です。心よりお悔やみ申し上げます」   ②名前を記帳する  会社として参列し名刺を求められた場合、名刺の右上の角に「弔」と書いて提出します。 昔は台帳でしたが、現在ではカードを入れられるバインダー形式が使われます。 カードに「住所氏名を記載する」または「名刺を差し込んで」受付に提出します。   ③香典を差し出す  袱紗から香典を取り出し、袱紗の上に載せて、右回りで相手に向けて差し出す。     参列できないが香典を渡したい場合 香典を現金書留で送ります。その場合も、お金を不祝儀袋に入れ(住所・氏名・金額を記入)、簡単なお悔やみの手紙を添えます。   もくじに戻る           9まとめ:香典は参列の前日までに用意できると安心です <香典の準備に必要なもの一覧> ①お金②香典袋(不祝儀袋)③筆ペン④袱紗(ふくさ)一覧の中でも②香典袋(不祝儀袋)に注意しておきましょう。金額を多く包む場合や、葬儀の形式(故人様の宗教)によっては、適した不祝儀袋を準備するのに時間がかかってしまうこともあります。また一般的に通夜は午後5~7時、葬儀は午前10~11時の開始が多いため、当日に準備する時間を取りにくいかも知れません。そのため、当日に慌てないで済むように、また故人様とのお別れに集中するためにも、参列の前日に準備を済ませておきましょう。最後に要点をまとめたチェックリストも、掲載しました。ぜひご参考ください。     <香典の準備チェックリスト> ①お金 □折り目が付いている(新札ではない)。 □金額は参列する人と相談した。②香典袋(不祝儀袋) □葬儀の形式(宗教)に合わせた。 □金額に適した装飾になっている。 □外袋・内袋に住所・氏名・金額を書いた。 □金額は旧字体で書いた。 □お札は肖像画が内袋裏側の下段に来ている。 □内袋と外袋の向きが合っている。 □外袋の裏側は、上部が折り返し部分の上になっている(多当折りタイプ)。③筆ペン □薄墨の筆ペン(弔事用)で書いた。④袱紗(ふくさ) □グレーや紺などの寒色である。 □向かって右→下→上→左の順に包んだ。  

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2023年 03月 06日(月)

お葬式における供花の送り方-手順や注意点、花の種類や相場、芳名札の記載について

2023年12月19日更新。亡くなった方の死を悼み、お悔やみの気持ちを表現するものとして「供花」があります。生前お世話になった故人様とのお別れに供花を贈りたい。しかし、いざ贈ろうとした時、どのように注文すればいいのかわからない。そのような方も多いことでしょう。本記事では、初めての方でも失礼のない供花を手配できるように、◯いつまでに、どのように贈ればいいのか?◯実際の手配方法◯ルールとマナーを具体的にお話しします。         【もくじ】 1.供花とは~「供花」の読み方・意味  1-1葬式に供花を贈る意味  1-2供花の配置  1-3よく混同される枕花・献花との違い  1-4供花と供物、香典、弔電との違い  1-5供花と香典は両方送ってよい?   2.供花はいつまでに、どのように贈るか?  2-1祭壇や式場が飾られる前に届くように贈る  2-2供花はどのように注文するのか?   3.供花を送る前の準備  3-1供花の手配に必要な情報を確認する  3-2「供花を辞退していないか」喪家に確認する   4.供花の送り方/注文方法  4-1担当する葬儀社に、供花の詳細を確認する  4-2供花を葬儀社に注文する  4-3供花を生花店・インターネットで注文する  4-4供花が葬儀に間に合わない場合   5.供花の種類  5-1供花の形式  5-2花の種類   6.供花の値段の相場  6-1「1基」か「1対」かに注意  6-2「1基」15,000円〜30,000円   7.供花の名札  7-1芳名札とは  7-2喪主・子・孫など家族・親族の名札  7-3個人名の名札  7-4複数名で贈る場合の名札  7-5「同級生一同」「友人一同」などグループの名札   8.会社名で送る場合  8-1贈る相手に合わせて決める  8-2会社や団体等の名札  8-3特に気を付けること  8-4お勧めの法人向け供花手配サービス   9.よくある質問   10.まとめ:深い弔意を表す供花。遅れないように手配しましょう   11.供花を受け取ったご遺族の声をご紹介         1.供花とは~「供花」の読み方・意味 供花は 「きょうか」もしくは「くげ」 と読み、故人様への感謝と供養の意味を込めて霊前に供える花のことを言います。広義では、故人様へ供える花はすべて「供花」ですが、本記事では、葬儀の際に贈る花について主に説明します。       1-1葬式に供花を贈る意味 贈り主から、より深いお悔やみの気持ちを表すものとして贈ります。日常的に贈る花束のようなものとは異なり、供花はかご花やスタンド花等に代表され、芳名札(ほうめいふだ:名札)をつけて飾られます。   祭壇や会場内が寂しい雰囲気にならないようにする役割もあります。       1-2供花の配置 祭壇とその周辺に飾られますが、贈られた数が多い場合は会場入り口にも置かれることがあります。供花の配置(順序)については、葬儀社と喪家で相談して決定します。通常は、祭壇を挟むようにして、喪主→近親者・親族→友人・知人→その他という順に配置することが多いのですが、いただいた方との関係性、祭壇と斎場全体のバランス等を考慮して決定します(社葬の場合はこの通りではありません)。       1-3よく混同される枕花・献花との違い 葬儀に用いられる生花には、「供花」の他に「枕花」、「献花」があります。     <枕花> 枕花(まくらばな)は、亡くなられた方が安置されている布団の枕元に供える花のことを言います。納棺が済んでいれば柩(ひつぎ)の近くに置かれます。故人様を偲び、遺族と悲しみを分かち合う意味を込めるものです。安置(通夜や葬儀よりも前)の段階で供えるため、近親者や特に親しかった方等から贈ることが多いです。     <献花> 献花(けんか)とは、故人様にお別れを告げるために花を捧げる儀式のことを言います。参加者が献花台に一人一本ずつ生花を故人様に供えます。キリスト教式の葬儀で行われますが、これは日本での一般的な習慣であり、カトリック、プロテスタントのどちらでも行なわれています。※献花のやり方はキリスト教式の葬儀をご参照ください。また、無宗教の葬儀・告別式、お別れの会等でも行われることがあります。       1-4供花と供物、香典、弔電との違い どれもお悔やみの気持ちを表すものとして混同されやすいのですが、厳密に言うとそれぞれ異なりますので、知っておくと安心です。     <供物> 故人様に対して、供えるものです。感謝と供養の意を込めて贈ります。線香・ロウソクや果物などが主なものとして挙げられ、供花も広い意味では供物の中に含まれます。     <弔電> 遺族に対して、弔意を伝えるものです。通夜や葬儀・告別式に参列できない場合に送ります。詳細は弔電の送り方をご参照ください。     <香典> 仏式での葬儀において、故人様の霊前にお香の代わりとして、金銭を供えるものです。神道では「御玉串料」「御榊料」と呼ばれます。キリスト教式の葬儀では「御花料」と表書きして渡しますが、供花とは異なるので注意しましょう。詳細は香典の準備について|金額、香典袋の選び方、入れ方、当日の渡し方まで紹介 をご参照ください。       1-5供花と香典は両方送ってよい? 供花、供物、香典、弔電は単独でも、いくつかの組み合わせでお贈りしてもかまいません。ただし、通夜または葬儀・告別式に参列するかしないかで異なりますのでご注意ください。     <参列する場合> ◯香典、供花、供物はそれぞれ単独か、組み合わせ可能。◯弔電は送らない。     <参列しない場合> ◯弔電、供花、供物はそれぞれ単独か、組み合わせ可能。◯香典は、斎場宛てに送ることは控え、後日、自宅に香典を持参するか、お悔やみの手紙を添えて送付。   もくじに戻る             2.供花はいつまでに、どのように贈るか? 2-1祭壇や式場が飾られる前に届くように贈る 基本的に、通夜の前までに届くよう手配します。葬儀を施行する葬儀社に依頼する場合は、◯遅くとも通夜が始まる約3~4時間前までには依頼する。◯通夜に間に合わない場合は、翌日の葬儀・告別式までに手配可能か確認する。万一、間に合わない場合は4-4供花が葬儀に間に合わない場合を参照してください。       2-2供花はどのように注文するのか? <遺族・親族> 葬儀を施行する葬儀社に依頼することがほとんどです。遺族内で注文を取りまとめることも多いので、確認してみましょう。     <遺族・親族以外> 各自で手配しますが、次のいずれかの方法になります。◯葬儀を施行する葬儀社に依頼◯斎場近隣の生花店やインターネット通販による手配以下、具体的に説明していきます。   もくじに戻る             3.供花を贈る前の準備 3-1供花の手配に必要な情報を確認する 遺族から受けた訃報の内容をもとに、下記の項目について整理しましょう。〇故人様のお名前(フルネーム)◯通夜、葬儀・告別式の日程◯斎場の住所と名称◯葬儀社の名称と連絡先◯喪主のお名前(フルネーム)◯喪主と故人様のご関係◯葬儀式の宗教       3-2「供花を辞退していないか」喪家に確認する <供花をお贈りしていいか確認> 以下の理由から、供花を辞退している場合があります。◯故人様の遺志◯会葬者に金銭的な負担を掛けたくない◯家族だけでゆっくり見送りたい◯お返しの負担を抑えたい遺族が供花(や供物、香典、弔電)を辞退される場合は、その旨を訃報とあわせて連絡を受けるケースがほとんどです。下記の例のように、訃報通知などにはっきりと辞退、と記載されている場合は控えましょう。(例)「御香典、御供花、御弔電などのご厚志は固く辞退いたします」     <遺族の意向がわからない場合は?> 直接訃報を受けとっておらず、遺族の意向がわからない場合もあるでしょう。辞退の申し出がない場合は、「供花(や香典、供物、弔電)をお贈りしてもいいでしょうか?」と近しい関係であれば遺族に、そうでない場合は葬儀を施行する葬儀社に確認します。     <供花は家族葬でも送っていいのか?> 葬儀の形態や規模に関わらず、直接遺族、または葬儀社に確認の上、受け取っていただけるとのことであれば問題ないでしょう。   もくじに戻る             4.供花の送り方/注文方法 4-1担当する葬儀社に、供花の詳細を確認する 祭壇周りや斎場内の雰囲気を整えて統一感を作るため、最近の傾向として、指定のあるケースが多くなっています。このため、以下について葬儀社に確認します。①他社から供花の持ち込みができるかどうか できない場合は葬儀社に依頼するしか選択肢がありません。 ※4-2供花を葬儀社に注文するを参照②持ち込みができる場合は、手配に必要な詳細を確認 ◯持込料の有無と支払方法  通常、数千円ほどかかることが多いようです。 ◯供花の形式・種類や価格、名札の有無  斎場内の統一感を出すため、指定されることがあります。  ※4-3供花を生花店・インターネットで注文するを参照       4-2供花を葬儀社に注文する 他社からの持ち込みができない場合や、直接葬儀社に注文したい場合は、電話で依頼します。     <注文の主な流れ> ①供花を贈りたいことを伝える②葬儀の日時・斎場名・喪主様のお名前を伝える③供花の形式・価格など、詳細を確認する④名札の名義など、必要な情報を伝える⑤支払方法を確認する       4-3供花を生花店・インターネットで注文する 持ち込み可能な場合、斎場近辺の生花店、インターネット通販で手配可能です。この記事では、インターネットで手配する場合について紹介します。     <注文の主な流れ> ①通販サイトにアクセスする②商品を選ぶ③名札の名義に関する情報を入力する④お届け先の情報を入力する⑤申込者の情報を入力する⑥支払方法を選択する利用にあたっては、以下の点に注意が必要です。◯斎場・葬儀社指定の仕様があれば、詳細に指示する。指定と異なる場合、受け取ってもらえない可能性もあるので正確に伝える。◯持ち込み料金への対応について確認する。代金に含まれている場合もあれば、別途請求される場合もある。◯法人のみ利用可能で、個人からの注文を受け付けないところもある。このため、供花の手配に慣れていない方は、インターネット通販での注文に不安を感じるかもしれません。そこで、下記の供花手配サービス「VERYCARD」のご利用をお勧めします。葬儀社に対して行わなければならない詳細確認をすべて代行してくれますし、価格には持ち込み料も含まれていますので、安心して注文できます。     <お勧めの供花手配サービス>   「VERYCARD」(佐川ヒューモニー) ◯斎場・葬儀社への確認から発注までお任せ。◯商品代金には名札、持込料金、手配料まで含む。◯インターネットサイト上で注文から支払いまでワンストップで完了。◯供花と合わせて弔電も送りたい場合、同サイト内で注文も可能。こちらから供花を手配することができます。       4-4供花が葬儀に間に合わない場合 供花の手配が通夜もしくは葬儀・告別式に間に合わない場合は後日にします。四十九日までの間であれば、遺骨を安置している祭壇に供える花として喪家に送ったり、持参したりします。その他、法要(四十九日法要や一周忌法要)の際に贈るのもいいでしょう。いずれの場合も贈る際は、遺族に確認しましょう。この場合は一般の生花店、インターネット通販サイトなどの利用もいいでしょう。花籠、花束、プリザーブドフラワーなどを贈ります。■花籠■花束■プリザーブドフラワーなお、キリスト教の葬儀では生花を贈ることがルールとされています。後日のお贈りではプリザーブドフラワーも選ばれることもあるようですが、生花が無難でしょう。以降は、供花を贈る際に必要な情報を紹介しています。葬儀社に電話で確認する内容でもあります。知っておくと安心です。   もくじに戻る             5.供花の種類 5-1供花の形式 供花は、花束とは違い、かごかスタンドを使ったアレンジメントが一般的です。地域の慣習によって花の形式が異なることがあります。     <籠(かご)> 籠に花を活けたもので、祭壇やその周囲に置かれることが多いタイプです。■籠花■籠花の設置イメージキリスト教式の葬儀では、小さめのかご(バスケット)を用い、名札を付けずに、自宅へ贈ることが多いようです。     <スタンド> スタンドに花を活けたもので、祭壇周りや斎場入口に置かれることが多いタイプです。■スタンド花■スタンド花の設置イメージ       5-2花の種類 宗教ごとに供花に適した花があります。     <仏教> 基本的に生花です。菊、蘭、百合、カーネーションなどが一般的です。色は、白をベースに、薄いピンクも用いられます。故人の好きな花でも構いません。     <神道> 基本的には仏教と同じです。色は、白をベースにします。     <キリスト教> 生花のみで、造花やプリザーブドフラワーは不可です。白の百合、蘭、カーネーションなど、白やピンクなど明るい色がよく用いられます。その他には洋花が多く、仏教で用いる菊は使用しません。   もくじに戻る             6.供花の値段の相場 6-1「1基」か「1対」かに注意 供花を贈る際に、一基(いっき)、一対(いっつい)と二つの場合があります。一対は祭壇の両側に一つずつ配置され、左右対称できれいに見えるようにアレンジされています(一対=1セット)。以前は「一対」が、最近は「一基」が多いようです。地域によっても異なりますので、葬儀社へ問合せする際に確認しましょう。     6-2「1基」15,000円〜30,000円 斎場に飾られる供花の価格帯は、概ね一基15,000円から30,000円ですので、一対で贈る場合はその二倍の費用がかかることになります。一基と一対は間違いやすいので、単位と値段をよく確認し、注文してください。   もくじに戻る             7.供花の名札 7-1芳名札とは 供花には、芳名札(ほうめいふだ)という、贈り主の名前を書く札を飾るのが一般的です。花に立てる「立札(立て札:たてふだ)」の場合もあれば、名札を外して「芳名板(ほうめいばん)」に掲示する場合もあり、宗教、地域、斎場によって様々です。     <実際のお花を飾らない芳名札もある> 供花代としてお金をいただきますが、かごやスタンド式の花は飾らず、名前を「芳名板」に掲示し、祭壇に飾る花の費用に充当させていただく場合もあります。次に、名札の書き方について説明します。いずれの場合も、記載事項、レイアウト、文字の大きさ等は、葬儀社や生花店によって異なりますので、一例として参考にしてください。       7-2喪主・子・孫など家族・親族の名札 ◯喪主は、「喪主」と記載するか、氏名(フルネーム)を記載。◯子、孫、その他親族は、氏名(複数名の場合は連名)もしくは「子一同」「孫一同」「甥一同」「姪一同」「親戚一同」「○○家一同」等と記載。◯連名は3名程度までとし、多い場合は「一同」を用います。       7-3個人名の名札 氏名のみ、もしくは学校名やクラスなど、故人様との関係性がわかるような記載をしてもいいでしょう。       7-4複数名で贈る場合の名札 <夫婦の連名> ※世帯主が夫の場合。名前は夫、妻の順に記載します。     <友人等の連名> 連名の場合も、故人様との関係性がわかるような記載を加えるとご遺族にわかりやすいです。友人が複数名で贈る場合、特に問題なければ五十音順で表記するとよいでしょう。連名は何名までという決まりはありませんが3名程度を目安にし、超える場合には姓のみにすると整います。       7-5「同級生一同」「友人一同」などグループの名札 連名が3~4名を超える場合、「一同」を用いてもいいでしょう。   もくじに戻る             8.会社名で贈る場合 8-1贈る相手に合わせて決める 従業員やその家族の葬儀に贈る場合、社内の慶弔規程を参照し決定します。お取引先等の葬儀に贈る場合は、関係部署に相談の上、決定します。喪家主催の葬儀か、社葬かによっても変わりますので注意が必要です。       8-2会社や団体等の名札 ◯会社名、団体名は正式名称で記載。◯部署から贈る時には、部署名まで入れて「一同」をつける。◯部署内での連名の場合は肩書きが上の人の名前を右から書く。       8-3特に気を付けること 法人としての体面を保ちつつ、お悔やみの気持ちをお伝えするためにも、下記の点には特に注意を払いましょう。◯個人葬の場合は、遺族の意向を最優先にして対応する。◯法人からのお贈りにふさわしいランクの花を選ぶ。◯同じ会社から、社長名、支店長名・・・のように複数の名前で贈る場合は、花のランクと序列が逆転しないように注意が必要。       8-4お勧めの法人向け供花手配サービス 発送業務を効率化し、ワンストップで手配できるお勧めの手配サービスをご紹介します。「VERYCARD」(佐川ヒューモニー)◯斎場との確認を代行し、最適な供花を発注してくれる。◯電報と供花の発注が同サイト内でできるため、支払い先を一本化できる。◯利用状況のデータ管理が可能。こちらから供花を手配することができます。   もくじに戻る             9.よくある質問 Q:喪主の友人(複数名)から贈る場合、芳名札は「友人一同」でいいですか? A:故人様との関係で記載しますので、「友人一同」では、故人様の友人から、という意味になります。喪主の友人、ということであれば、「〇〇会一同」や「〇〇学校同級生有志一同」など関係がわかる方がよいでしょう。     Q:故人の配偶者の兄弟から供花を出したいのですが、故人の実の兄弟も供花を出します。いずれも名札が「兄弟一同」でいいのでしょうか?「義兄弟一同」には違和感があります。 A:例えば、故人様の姓が「鈴木」で、配偶者の旧姓が「山田」であれば、「鈴木家兄弟一同」と「山田家兄弟一同」と分けてはいかがでしょうか。ご結婚されて姓が変わっている方がいらっしゃったとしても、〇〇家としての兄弟、という意味にはなりますので、親族であればご理解いただけると思います。   もくじに戻る             10.まとめ:深い弔意を表す供花。遅れないように手配しましょう。 供花の意味や手配方法などについてお話してきました。<ポイント>○供花は、より深いお悔やみの気持ちを伝える。○通夜の前までに、遅くとも葬儀・告別式に間に合うよう手配する。○供花を辞退されている場合もあるので意志を遺族に確認する。◯供花を贈る前に詳細を葬儀社に問い合わせる。◯確実なのは葬儀社への依頼。◯近隣の生花店やインターネット通販で手配してもよいが、葬儀社への確認から発注まで代行してくれる「VERYCARD」(佐川ヒューモニー)の利用がお勧め。◯宗教によって適した花がある。供花は訃報を受け取ったらすぐに手配することが重要です。間に合わない場合は、後日ご自宅等に送付もありです。お悔やみの気持ちをきれいな花に込めてお贈りしましょう。   もくじに戻る             11.供花を受け取ったご遺族の声をご紹介 供花は、ご遺族が故人様との思い出を振り返ったり、人となりを改めて知ることができたりしますので、大変喜んでいただけます。当社の「ご利用者アンケート」にいただいた感想をご紹介いたします。「私は仕事の関係で遠方に住んでおり、生前なかなか母に会うことができませんでした。ですが、母の葬儀に出ている供花を見たり、参列していただいた方から声を掛けられて、最後に私の知らない母を知ることができ、うれしく思いました。」「先日、父の葬儀で、私の勤めている会社から供花をいただき驚きました。この会社に入社した時、父がすごく喜んでくれたことを思い出したのです。最後の最後に親孝行できた気がします。ありがとうございました。」「主人は会社のことが好きで、誇りをもって働いていました。定年退職しましたが、長年勤めた会社から供花をいただき、主人も喜んでいると思います。」       <あなた、もしくは故人様が全国儀式サービスの会員かもしれません> 会員様が葬儀支援サービスをご利用になると、所属の企業・団体のお名前で供花が一基提供されます(故人様が定年まで在籍した企業・団体が契約団体の場合も含みます)。総会員数662万人以上、契約団体16万5,000社以上(2022年3月現在)を誇る当社ならではのサービスです。あなた、もしくは故人様が会員かもしれません。ぜひご確認ください。※企業・団体との契約により供花をご提供できない団体が一部ございます。契約団体一覧から確認するコールセンターで確認する      

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2023年 03月 06日(月)

弔電の送り方-送るタイミングや宛名・差出人、文例や金額についてご紹介

2023年12月19日更新。お亡くなりになった方の死を悼む気持ちとして「弔電(お悔み電報とも呼ばれる)」を利用し、メッセージをお届けすることができます。電報会社に申し込むと、最短で当日配達され、お悔やみの気持ちを速やかに伝える通信手段として慣例になっていますが、実際に利用したことがない方も多いのではないでしょうか。本記事では、初めての方でも失礼のない弔電が手配できるように、◯いつまでに、どのように送ればいいのか?◯申し込み方法◯文例◯ルールとマナーを具体的に説明します。         【もくじ】 1.弔電とは~意味と役割  1-1葬式に弔電を送る意味  1-2弔電と供花、供物、香典との違い   2.弔電はいつまでに送るか?タイミングは?  2-1弔電はいつまでに送るか?  2-2弔電が間に合わない場合は?   3.弔電の送り方  3-1電報会社から送る  3-2弔電の受付時間  3-3ウェブサイトでの申し込み手順   4.弔電を送る前の準備  4-1弔電に必要な情報を確認する  4-2家族葬でも弔電を送ってよいのか?  4-3弔電を送ってよいのか判断に迷う場合は?   5.弔電の送り先住所と宛名~誰宛てに送る?  5-1弔電のお届け先  5-2弔電の宛名  5-3喪主様のお名前がわからない場合   6.弔電の差出人名  6-1個人で送る場合  6-2複数名で送る場合   7.弔電の文例  7-1基本的な文例  7-2参列できないお詫びの言葉を入れた文例  7-3オリジナルのメッセージ   8.弔電のマナー  8-1故人様の呼び方・敬称  8-2忌み言葉・宗教に注意  8-3弔電のレイアウトは縦書き?横書き?書体は?   9.台紙の種類  9-1台紙の種類  9-2宗教に注意   10.弔電の金額・相場  10-1料金構成  10-2弔電の相場   11.お勧めの弔電サービス  11-1「VERY CARD」(佐川ヒューモニー)  11-2他の電報会社と特徴   12.会社名で送る場合   13.よくある質問   14.まとめ:葬儀に参列できない時は、弔電を遅れないように手配しましょう。   15.「1級葬祭ディレクターT.」からのアドバイス           1.弔電とは~意味と役割 1-1葬式に弔電を送る意味 弔電は「ちょうでん」と読みます。通夜や葬儀にどうしても参列できない場合、遺族に対して弔意(ちょうい:お悔やみの気持ち)を伝えるために送ります。遺族が辞退される場合を除き、葬儀に参列できない方はどなたでも送ることができ、斎場に届けられた弔電は必ず遺族に渡されます。葬儀・告別式では、届いた弔電の数・葬儀の形式などによって異なりますが、司会者が代読することもあります。弔電は、〇気持ちが形として残る〇葬儀の中で披露される〇早く確実に届くといった理由から、遺族へ弔意を伝えるのに適しています。       1-2弔電と供花、供物、香典との違い どれもお悔やみの気持ちを表すものとして混同されやすいのですが、厳密に言うとそれぞれ異なりますので、知っておくと安心です。   <供花> 故人様への感謝と供養の意味を込めて霊前に供える花のことを言います。広義では、故人様へ供える花はすべて「供花」ですが、葬儀の際に贈られる、かご花・スタンド花を指すことが多いです。詳細は供花のコラムをご参照ください。     <供物> 故人様に対して、供えるものです。感謝と供養の意を込めて贈ります。線香・ロウソクや果物などが主なものとして挙げられ、供花も広い意味では供物の中に含まれます。     <香典> 仏式での葬儀において、故人様の霊前にお香の代わりとして、金銭を供えるものです。神道では「御玉串料」「御榊料」と呼ばれます。キリスト教式の葬儀では「御花料」と表書きして渡します。詳細は香典の準備について|金額、香典袋の選び方、入れ方、当日の渡し方まで紹介をご参照ください。       1-3弔電と、供花、供物、香典はいずれも送っていい? 弔電、供花、供物、香典は単独でも、いくつかの組み合わせでお贈りしてもかまいません。ただし、通夜または葬儀・告別式に参列するかしないかで異なりますのでご注意ください。   <参列する場合> ◯弔電は送らない。◯香典、供花、供物はそれぞれ単独か、組み合わせ可能。     <参列しない場合> ◯弔電、供花、供物はそれぞれ単独か、組み合わせ可能。◯香典は、斎場宛てに送ることは控え、後日、自宅に香典を持参するか、お悔やみの手紙を添えて送付。   もくじに戻る             2.弔電はいつまでに送るか?タイミングは? 2-1弔電はいつまでに送るか? 通夜までに、または遅くとも葬儀・告別式の開始時刻までには届くように送ります。       2-2弔電が間に合わない場合は? 葬儀・告別式の開始までに間に合わない場合、弔電は送らず、後日ご自宅宛てにお悔やみのお手紙に香典や供花等を添えてお送りするか、弔問に伺うといいでしょう。   もくじに戻る             3.弔電の送り方 3-1電報会社から送る <主な電報会社> ◯NTT東日本・西日本「D-MAIL」◯郵便局「レタックス」◯佐川ヒューモニー「VERYCARD」◯KDDI「でんぽっぽ」◯KSGインターナショナル「e-denpo」など。ウェブサイト、電話からの申し込みが中心です。詳しくは11.お勧めの弔電サービスを参照してください。       3-2弔電の受付時間 電話での受付は、例えばNTTの場合、午前8時~午後7時までの受付となっています。ウェブサイトなら24時間申し込み可能ですので便利です。ただし、当日配達を希望する場合は締め切り時刻が電報会社によって異なりますので、よく確認しましょう。       3-3ウェブサイトでの申し込み手順 各社とも下記の手続きで申し込みが完了します(入力順序はサイトによって前後します)。1.台紙を選択2.配達日時、送り先、差出人情報を入力3.お悔やみのメッセージを入力(文例を活用、もしくはオリジナルで作成)4.クレジットカード、キャリア決済等で支払い申込手続き自体は難しくありませんが、事前に確認しておくべき情報、ルールとマナーがあります。この記事では、ウェブサイトでの申し込みを前提に、具体的に説明していきます。なお、会社名でお送りする場合は12.会社名で送る場合も参照してください。   もくじに戻る             4.弔電を送る前の準備 4-1弔電に必要な情報を確認する 遺族・関係者から受けた訃報の内容をもとに、以下の情報を確認しましょう。〇故人様のお名前(フルネーム)◯通夜、葬儀・告別式の日程◯斎場の住所と名称◯葬儀社の名称と連絡先◯喪主様のお名前(フルネーム)◯喪主様と故人様のご関係◯葬儀式の宗教       4-2家族葬でも弔電を送ってよいのか? 遺族が弔電(や供花、供物、香典)を辞退される場合は、その旨もあわせて連絡を受けるケースが多いようです。下記の例のように、訃報通知などにはっきりと「弔電」も辞退、と記載されている場合は控えた方がよいでしょう。(例)「御香典、御供花、御弔電などのご厚志は固く辞退いたします」もし、ご辞退の文面に「弔電」が入っていない場合には、受け取っていただけるものと理解してよいと思われます。       4-3弔電を送ってよいのか判断に迷う場合は? 直接訃報を受けとっておらず、遺族の意向がわからない場合もあるでしょう。弔電は供花・供物と異なり、葬儀社を介さずに手配することが多く、また基本的には遺族からのお返しが不要のため、お送りしても負担にはならないと思われます。お悔やみの気持ちを表現するものですから、お伝えしたいと思うのならば送っても問題ないでしょう。   もくじに戻る             5.弔電の送り先住所と宛名~誰宛てに送る? 5-1弔電のお届け先 遺族が受け取れる場所にします。斎場か自宅等となりますが、通常は「斎場宛て」に送ることが多いようです。       5-2弔電の宛名 「○○斎場○○(喪主様のお名前)様」と書きます。斎場では複数の葬儀が行われる可能性があるので、喪主様のお名前はフルネームで記載します。       5-3喪主様のお名前がわからない場合 「故○○様(故人様のお名前)ご遺族様」などとします。また差出人にとって親交のある方のお名前宛てでも構いません。(例)故人様は友人の父。喪主様は友人の兄→友人を宛名にしても可   もくじに戻る             6.弔電の差出人名 6-1個人で送る場合 自分の住所・名前(フルネーム)を記載し、故人様との関係がわかるような記載を加えます。(例)東京都大田区○○*-*-*○○高校 同窓生 儀式 花子       6-2複数名で送る場合 <夫婦の連名> 世帯主の名前で送るのが一般的とされていますが、遺族に伝わりにくい場合は、夫婦連名でも構わないでしょう。(例)東京都大田区○○*-*-*儀式 太郎   花子※世帯主が夫の場合。名前は夫、妻の順に記載します。     <友人等の連名> ■2~3名の場合同級生、所属するグループ等から送付する場合、故人様との関係がわかるように記載し、連名にします。この場合、差出人住所は代表者の住所にします。(例:連名にする場合)東京都大田区○○*-*-*○○高校*年*組 同級生 □□□□             ◯◯◯◯             ▲▲▲▲   ■4名以上の場合連名は多すぎると葬儀・告別式での読み上げ時に、長々と続くことになりますので、4名以上の場合は「一同」とした方がいいでしょう。この場合も、連名と同様に代表者の住所・故人様との関係を記載します。(例:一同にする場合)東京都大田区○○*-*-*○○高校*年*組 同級生一同   もくじに戻る             7.弔電の文例 メッセージは自由に作成できますし、各社が用意している文例から選択したり、それをアレンジしたりすることもできます。一例をご紹介します。     7-1基本的な文例 <あらゆるケースで使用できる文例> 「ご逝去の報に接し、心から哀悼の意を表します。」(VERYCARD 文例:SN06より)     <友人が亡くなった場合> 故人様=差出人の友人、喪主様=その妻であるケース。「ご主人様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。これからも御家族お力を合わせて、励ましあいながらこの度のご不幸を乗り越えられる事を心よりお祈りいたします。」(VERYCARD 文例:ST27より)       7-2参列できないお詫びの言葉を入れた文例 <祖母が亡くなったケース> 故人様=差出人の祖母であるケース「ご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。お別れにも伺えず残念でなりません。心から哀悼の意を表しますとともに、安らかにご永眠されますようお祈りいたします。」(VERYCARD 文例:SN52より))       7-3オリジナルのメッセージ 心を込めた言葉は故人様もお喜びになり、遺族にとっても慰めになることでしょう。前掲の「祖母が亡くなったケース」をアレンジした例です。「ご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。お別れにも伺えず残念でなりません。おばあちゃんの優しい笑顔にいつも励まされました。本当にありがとうございました。」   もくじに戻る             8.弔電のマナー 8-1故人様の呼び方・敬称 弔電の文面には故人様のお名前を記載せず、喪主様と故人様の関係(続柄)に応じた尊称にするのが通例です。     <尊称の例> ◯実父:ご尊父様(ごそんぷさま)◯実母:ご母堂様(ごぼどうさま)◯夫:ご主人様(ごしゅじんさま)◯妻:ご令室様(ごれいしつさま)◯祖父:ご祖父様(ごそふさま)◯祖母:ご祖母様(ごそぼさま)◯義理父:御岳父様(ごがくふさま)◯義理母:御岳母様(ごがくぼさま)また、近しい関係の場合や、オリジナルでメッセージをお送りする場合などは、下記も使用可能です。◯お父様(おとうさま)※義理父にも使用可◯お母様(おかあさま)※義理母にも使用可◯旦那様(だんなさま)◯奥様(おくさま)◯おじい様(おじいさま)◯おばあ様(おばあさま)なお、喪主様と故人様との関係がわからない場合、尊称を含まない文例を選択しても問題はありません。       8-2忌み言葉・宗教に注意 <忌み言葉> 弔電に限らず弔事では、使ってはいけない言葉があります。例えば、◯「死・苦」と、同じ音の「四・九」◯「苦しむ」「死亡」など生死を直接的に表現◯「ますます」「いよいよ」「たびたび」等の重ね言葉電報会社の文例は、忌み言葉に配慮されていますので安心して利用できます。オリジナルメッセージで送る際には十分に注意しておきましょう。     <宗教別に使用できない言葉> 例えば、「冥福」「成仏」は仏教用語ですので、神道、キリスト教式では使用できません。仏教でも浄土真宗は「冥福」「霊前」を使用できません。宗教が不明な場合は、これらの言葉を避けた表現にします。(例)「ご尊父様のご逝去の報に接し、心より哀悼の意を表します。」電報会社のサイトでは、宗教によって使えない言葉、お勧めの文例が掲載されていますので、参考にするといいでしょう。       8-3弔電のレイアウトは縦書き?横書き?書体は? <レイアウト> 縦書き、横書きいずれでも可能ですが、一般的に弔電の場合は、縦書きが望ましいとされます。     <書体> バリエーションは各社によって異なりますが、選択可能です。レイアウトが縦書きの場合、毛筆体を選択すると見た目も美しく整うでしょう。   もくじに戻る             9.台紙の種類 9-1台紙の種類 無地や、花などのイラストが印刷されたものから、押し花や刺繍をあしらったもの、線香やプリザーブドフラワー付きの台紙まであります。各電報会社とも工夫を凝らしており、幅広く用意されています。       9-2宗教に注意 宗教によって使用できない台紙がありますので注意が必要です。   <仏教以外では不可の台紙> ◯「蓮」が描かれた台紙◯線香付きの台紙     <キリスト教では不可の台紙> ◯プリザーブドフラワー付きの台紙(生花を贈るのがマナーとされるため)     <適切な台紙> 描かれている花が◯仏教:「蓮」「菊」など◯神道:「菊」「百合」など◯キリスト教:「白ユリ」「カーネーション」「カスミソウ」など◯宗教を選ばない花:「百合」「菊」「カーネーション」など   もくじに戻る             10.弔電の金額・相場 10-1料金構成 基本的にはどの電報会社も、[台紙料金+メッセージ料金+オプション(配達)料金]から構成されています。   <台紙料金> 印刷されたメッセージを貼付する台紙の料金です。装飾や材質、添付する品物等によって料金が大きく変わります。     <メッセージ料金> 文字数課金、一定数まで定額など様々です。弔電のメッセージは簡潔であるのが通常のため、ご紹介した文例に従って依頼すれば、基本料金の範囲内で収まるケースが多いです。     <オプション(配達)料金> 配達料金は含まれているところがほとんどです。電報会社によっては、オプションで通常より早く配達するサービスもあります。       10-2弔電の相場 <台紙の相場> 電報会社によって多少前後しますが、おおよその相場です。◯無地・花などのイラストが印刷されたもの:無料~1,000円◯刺繍や押し花等の装飾が施されたもの:1,000円~◯紙以外の素材を使用したものや線香やプリザーブドフラワーなどがついたもの:3,000円~     <メッセージ料を含んだ総額の相場> 個人が送る場合は2,000円~3,000円、法人が送る場合は少し高めの台紙を選択し、3,000円~5,000円ぐらいになることが多いようです。   もくじに戻る             11.お勧めの弔電サービス 11-1「VERY CARD」(佐川ヒューモニー) どなたでも簡単な手続きで、低価格、美しい台紙の弔電をスピーディーにお届けできる佐川急便グループ会社が提供するサービスです。全国儀式サービスでも提携しています。「VERY CARD」(佐川ヒューモニー)をぜひご利用ください。     <特徴> ◯文字数350文字まで、高品質のイラストが描かれた台紙とセットで1,507円(税込・送料込)~とリーズナブル。◯故人様と喪主様との関係によって文例を選べる便利な機能がある。◯供花も送りたい場合、サイト内で注文できる。◯ネット上で注文から支払いまで完了できる。     こちらから弔電を手配することができます。       11-2他の電報会社と特徴 ここではNTTと郵便局の特徴について簡単に触れますが、最新情報は各社のウェブサイトでご確認ください。   <NTT東日本・西日本> サービス名:D-MAILNTT東日本https://www.ntt-east.co.jp/dmail/NTT西日本https://dmail.denpo-west.ne.jp/■特徴◯電話での申し込みに対応。◯無料のイラスト付き台紙がある。◯ページ数での料金設定。     <郵便局> サービス名:レタックスhttps://www.post.japanpost.jp/service/webletax/funeral.html■特徴◯弔事にふさわしいイラスト画像付きのものを選べたり、お手持ちの写真を使ったりできる。◯ページ数での料金設定。     <その他> KDDI「でんぽっぽ」https://www.denpoppo.comKSGインターナショナル「e-denpo」https://www.e-denpo.net/   もくじに戻る             12.会社名で送る場合 12-1従業員やその家族の葬儀に送る場合 慶弔規程があればそれを参照し、メッセージ、台紙のランク等を選択します。       12-2取引先等の葬儀に送る場合 関係部署に相談の上、差出人名、メッセージ内容、台紙、その他のお供え等について相談し決定します。喪家主催の葬儀か、社葬かによっても、宛名、メッセージ内容が変わりますので注意が必要です。       12-3差出人名について 住所、会社名、役職者名で送る場合は役職名と氏名(フルネーム)を記載します。(例)東京都大田区○○*-*-*株式会社◯◯◯◯代表取締役社長 儀式 太郎       12-4特に気を付けること 法人としての体面を保ちつつ、お悔やみの気持ちをお伝えするためにも、下記の点には特に注意を払いましょう。◯弔電を読み上げられる場合が多いので、通夜、遅くとも葬儀・告別式までに間に合わせる。◯法人からの差し出しにふさわしいメッセージと台紙を選ぶ。       12-5お勧めの法人向け弔電サービス 弔電の利用が多い法人には、下記のサービスをお勧めします。   「VERY CARD for Business」(佐川ヒューモニー) ■特徴◯他社に比べてコストを約40%削減。◯弔電と供花の発注が同サイト内で完結し、支払先が一本化できる。◯利用状況のデータ管理が可能。     こちらから弔電を手配することができます。   もくじに戻る             13.よくある質問 Q:「弔電」と「弔辞」の違いは? A:「弔辞」は、葬儀・告別式内で、遺族からの依頼によって故人の友人や上司など関係性の深かった方ご本人が故人を偲び、お別れを惜しむ言葉を読み上げるものです。故人様の生前の意志を含めた、遺族側からの依頼によって行います。「弔電」は、葬儀・告別式に参加できない方が遺族に対してお悔やみの気持ちを伝えるものです。届けられた弔電の数・葬儀の形式などによって異なりますが、葬儀・告別式で司会者が代読することもあります。   もくじに戻る             14.まとめ:葬儀に参列できない時は、弔電を遅れないように手配しましょう。 弔電の意味や手配方法についてお伝えしてきましたが、まとめると下記のようになります。   ○弔電は、葬儀に参加できない場合にお悔やみの気持ちをお届けするもの。〇通夜、遅くとも葬儀・告別式に間に合うように速やかに手配する。◯電報会社のインターネットサイトからの申し込みが便利。○遺族が受け取れる場所である、斎場もしくは自宅住所に喪主宛で送るのが基本。○差出人名は、故人様との関係がわかるように記載する。○故人様を「喪主様との関係による尊称」で呼ぶ。◯忌み言葉、宗教に注意する。○文面は電報会社がさまざまな文例を用意しているのでそれを利用すると便利。◯電報会社は、「VERYCARD」(佐川ヒューモニー)をお勧め。   もくじに戻る             15.「1級葬祭ディレクターT.」からのアドバイス   <プロフィール> ■名前:T.■資格:厚生労働省認定「葬祭ディレクター技能審査」技能審査官。葬祭ディレクター1級。■経歴:くらしの友の儀典部で20年以上にわたり葬儀施行に携わる。   弔電は「形に残る弔意」であり、葬儀・告別式で読み上げられることが多いものです。近しい人の葬儀にどうしても参列できない場合には、心を込めたオリジナルのメッセージをお送りすることをお勧めしたいと思います。過去にあった文例をご紹介します。     15-1遠方で参列できない方から ご自身が海外赴任中で、通夜・葬儀への参列が難しい方から「突然の悲報に接し、驚いております。ご家族様のご心情いかばかりかとお察し申し上げます。すぐにでもお慰めに飛んでまいりたい気持ちですが、遠方によりそれも叶わず残念でなりません。遥かなる北の空の下よりご冥福をお祈りします」距離を超えて故人様への思いが伝わってきました。       15-2お孫さまからお祖父さまへ お孫さんからの弔電を 「故人様の5歳のお孫様でいらっしゃる〇〇ちゃんよりいただきました。原文のまま代読させていただきます」と、前置きして、読み上げました。「おじいちゃん、またあそんでね。また◯◯につれていってね。さようなら。」お孫さまに慕われた故人様のお人柄が偲ばれたメッセージでした。思いを伝える言葉をつづってみてはいかがでしょうか。    

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2023年 07月 31日(月)

通夜や葬儀・告別式に参列する際の男性の服装とみだしなみ。持ち物も併せて紹介

2023年12月19日更新。通夜や葬儀・告別式に参列する際には、故人様への弔意を示して、遺族に対して失礼でない服装と持ち物を選ばなければなりません。今回は、通夜や葬儀・告別式に参列する際の男性の服装とみだしなみ、持ち物について紹介します。女性の服装に引き続き、今回も全国儀式サービスのご契約団体であるAOKI様にご協力いただき、記事を監修していただきました。     <本記事の監修> 株式会社AOKI商品部 様         【もくじ】 1.一般会葬者(男性)の喪服  1-1基本的な考え方  1-2通夜の場合  1-3葬儀・告別式の場合   2.一般会葬者(男性)の服装全体  2-1基本的な考え方  2-2喪服と一緒に身に着けるもの  2-3小物類  2-4髪型・ひげの身だしなみ   3.これから準備する場合  3-1準備するもの一覧  3-2レンタル  3-3購入  3-4喪服の選び方   4.まとめ:マナーを守って身だしなみも整えて臨みましょう         1.一般会葬者(男性)の喪服   1-1基本的な考え方 通夜、葬儀・告別式では「喪服」を着用します。喪服には格式があり、高い順に「正喪服」「準喪服」「略式喪服」と3種類あります。一般会葬者は、通夜においても、葬儀・告別式においても、遺族より格式の低い喪服を着て参列します。そのため、通夜では「略喪服」または「準喪服」、葬儀・告別式では「準喪服」を着るのがマナーです。     <正喪服> 着用するのは喪主と遺族です。洋装は「モーニングコート」で、和装は「紋付き袴」です。通夜、葬儀・告別式の他、法要でも着用します。       <準喪服> 親族や一般会葬者が着用します。洋装が基本です。ブラックスーツ(ブラックフォーマルスーツ)と呼ばれる、ツヤの無い黒い無地の生地で出来た、冠婚葬祭用のスーツとなります。黒のビジネススーツではないので、注意しましょう。葬儀・告別式だけでなく、一周忌の法要で着用します。最近では通夜でも着用されるようになっています。       <略喪服> 一般会葬者が着用します。洋装で、ダークスーツとなります。ダークスーツは、ブラックやダークネイビー、チャコールグレーなど暗い色合いのスーツの総称で、ビジネスシーンでも着用されるものです。通夜や三回忌以降の法要で着用します。       <補足:ブラックスーツとビジネススーツの違い> 用途が異なるため、それが生地に表れています。ブラックスーツ(ブラックフォーマルスーツ)は、冠婚葬祭で着用するため、「黒色がより濃い・光沢を抑えている・上質感がある」ことが特長です。そのため素材にウール(またはシルクを混合したもの)が使われ、黒色についても深い黒色になるように何度も染めていきます。一方、ビジネススーツは機能性が重視されるため、ウールに加えて、ポリエステルとの混合素材が使われることも多くあります。         1-2通夜の場合 参列者は通夜では準備していたように思われるのを避けるため、略喪服で参列するのが一般的です。ただし、故人が亡くなってから通夜まで日数が経過している場合は準喪服を着用のうえ参列しましょう。         1-3葬儀・告別式の場合 一般的な喪服(準喪服)を着用します。家族葬のように限られた参列者で営まれる葬儀でも準喪服を着用するようにします。       <補足:喪家から指定があった場合> お別れの会や自由葬などの場合に、「平服でお越しください」と案内があった時は、喪家の意向に合わせます。準喪服ではなく、平服(略喪服)を着用します。   もくじに戻る             2.一般会葬者(男性)の服装全体   2-1基本的な考え方 <全身を黒で統一> 具体的には、喪服を着用して、ネクタイ、ベルト、靴下、靴も全て黒色です。       <持ち物が多い時はバッグを持参> ハンカチや数珠などはポケットに入れるのが基本です。そのうえで、持ち物がポケットに入りきらなければ黒のバッグに入れて持参します。         2-2喪服と一緒に身に着けるもの <シャツ> ワイシャツは無地の白を着用しましょう。織り柄入りやカラーステッチ・カラーボタンなどの装飾的なデザインのワイシャツは避けてください。襟はレギュラーカラーかワイドカラーを選びます。ボタンダウンの襟は、カジュアルな印象になるので避けたほうが無難です。ベストはもともとお洒落のために着用するものであることから、参列者は着用しません。       <ネクタイ> 葬儀の際のネクタイは黒です。シャツと同様に織り柄のデザインは避けて、弔事用の無地で黒いネクタイを締めてください。タイピンはアクセサリーに分類されるため付けないようにします。       <ベルト> ベルトもネクタイ同様、黒にします。牛革もしくは合皮のものを選びます。クロコダイルやオーストリッチなど華美・動物の殺生を連想させる革製品は、葬儀には適さないため避けましょう。金具部分は、黒の革で巻いたものか光沢を抑えたシルバーのものがふさわしいです。       <靴下> 靴下も黒色のものを選びましょう。また、椅子に腰かけた際に脛が見えない長さにしてください。スニーカーソックスやショート丈のソックスはマナー違反のため避けてください。       <靴> 黒の革製もしくは合成皮革を選びましょう。靴の形は「内羽根式」です。紐を結ぶ部分(羽根)の革が靴の内側で縫い付けられているタイプです。つま先部分のデザインは、シンプルなストレートチップまたはプレーントゥが基本です。カジュアルな印象を与えるローファーや、華美なデザインのウイングチップは、マナー違反になります。       <コート> 葬儀専用のコートはありませんが、礼装用コートがあります。格式高いシングル(ボタンが一列のタイプ)の形がおすすめです。材質はカシミアやウールが良いでしょう。通年のものを選びたい場合は、ポリエステル等にします。トレンチコートやダッフルコート、ダウンコートはカジュアル感があるためふさわしくないとされています。革製のコートは動物の殺生を連想させるためマナー違反となります。         2-3小物類 <バッグ> 基本的に男性はバッグを持ちませんが、持ち物が多くポケットが膨らんでしまう場合にはバッグ持参でもかまいません。カジュアル感の無い布製や、無地の本革や合成皮革のもので黒いものを選びましょう。       <数珠> 数珠は、所有者のお守り・身代わりになるものと考えられているため、貸し借りはしないようにします。忘れた場合は持たずに参列します。数珠は宗派によって異なります。そのため、宗派に関係なく使える略式数珠を持っておくと便利です。購入する場合は、男性用と女性用があることに注意しておきましょう。玉の大きさが女性用と異なり、男性用は10-12mm前後の大きさです。なお、キリスト教や神道、無宗教の葬儀では数珠を持参しません。       <袱紗> 袱紗は香典を持参する際に用いる一枚の布です。香典が汚れるのを防いだり、渡す相手への礼儀として使用します。弔事用は、紺や緑などの寒色系の袱紗になります。注意しておきましょう。包み方は、香典の準備について|金額、香典袋の選び方、入れ方、当日の渡し方まで紹介を参考にしてください。       <財布> 財布はポケットに入れておきます。長財布や大きい財布しか持っていない場合は葬儀用に小さい財布を用意しておくのが好ましいです。色は黒の無地が良いですが、グレーでもよい場合が多いです。       <指輪> 基本的に、結婚指輪のみとなります。それ以外は外してください。石付きの指輪も着用を避けましょう。その他のアクセサリーも外します。ピアスや数珠のブレスレットなども身に付けないようにします。       <時計> 葬儀の時だけ外すのが望ましいです。付けるのであれば、文字板は白、丸形、バンドは黒色のシンプルな時計にします。デジタル時計やスマートウォッチ、文字盤に宝石がちりばめられている時計は付けないようにします。       <ハンカチ> ハンカチは白の無地で、大きさは45~50cmの正方形が基本です。白以外に、黒、紺、グレーなども許容範囲とされており、カラフルな生地は好ましくありません。タオル地のハンカチはカジュアルに見えるため使用を控えましょう。       <マスク> マスクは白、黒がふさわしく、柄入りや飾り付きはカジュアルなためふさわしくありません。肌色は、遠目に見てマスクをしていないように見えて紛らわしいため着用を避けましょう。現在、マスクの着用は個人の判断に委ねられていますが、葬儀の参列では礼節を重んじた服装が基本となりますので、1枚持っておき、他の参列者に合わせるのが無難です。       <傘> 葬儀に持っていく傘は黒色がもっともふさわしいです。持っていない場合は、透明のビニール傘を持参してもマナー違反になりません。       <補足:喪章(もしょう)> 喪章は故人様に弔意を示すために付ける飾りです。黒や黒白のリボンを左胸に、または黒い腕章を左腕に付けるのが一般的です。ただし、遺族および遺族の関係者が身に着けるものであり、参列者は身に着けません。         2-4髪型・ひげの身だしなみ <髪型> 髪型は、撫でつけて整えるようにしましょう。また、香りのきつい整髪料は、葬儀では好ましくないため付けないほうがいいです。基本的には黒髪が好ましいですが、地毛が明るい場合、そのままでも問題ありません。もし、気になる場合は葬儀の間だけ黒染めしておくと良いでしょう。       <ひげ> 基本的に葬儀ではマナーとして、無精ひげは剃って参列してください。普段からひげを生やしている方は、通常より清潔感を意識して、きれいに整えてから葬儀に参列しましょう。   もくじに戻る             3.これから準備する場合   3-1準備するもの一覧 必要なものと、状況に応じて用意するものに分けて紹介しております。適宜ご活用ください。   <必要なもの> □喪服□シャツ□ネクタイ□ベルト□靴下□靴□袱紗□数珠□ハンカチ□財布       <状況に応じて用意するもの> □バッグ□マスク□指輪□時計□傘□コート         3-2レンタル <必要なものがセットになっている> ◯セットになっていることが多い品目 ・喪服 ・シャツ ・ネクタイ ・ベルト ・靴下 ・靴働いていると、準備に取り掛かるのが夜遅くになってしまうこともあるでしょう。そのため、時間がない場合はレンタルすると便利です。       <状況に合わせて選択できる> ○夏に参列する場合通気性の良い素材で出来た夏用の喪服がレンタルできます。汗かきの人は夏用を選ぶと良いです。   ○久しぶりに参列する場合30~40代は体型を維持するのが難しくなってくる世代です。「手持ちの喪服が着れない」といった場合にも便利です。大きめサイズの喪服もレンタルできます。       <レンタルできるところ> ◯ネット通販ネット通販では手軽にレンタル可能です。用意してあるものの種類や支払い方法も幅広くなっているため、利用しやすいです。   ◯貸衣装店貸衣装店は、試着が可能でその日のうちにレンタルできます。また、レンタルだけでなく、着付けなどにも対応しています。そのため、和装で参列する場合には、貸衣装店がおすすめです。         3-3購入 <仕事の都合に合わせて参列しやすい> 喪服を購入しておくと、通夜でも葬儀・告別式でも参列しやすくなります。仕事関係で参列する機会も増えてくるため、オールシーズン対応のものを1着持っておくと便利です。       <葬儀の行われる場所に左右されない> 遠方の葬儀に参列する場合に、準備にかかる手間を軽減できます。親戚が遠くに住んでいる場合や、就職で上京している方などは、喪服を購入しておいた方がスムーズに葬儀に参加できるでしょう。       <すでに持っている方は時々試着しておく> 喪服は着る機会が少ないため、今の自分の体型に合うか時々着て確認しましょう。必要な際に虫害になっていることもあります。特にウールやシルクなどの天然繊維は、虫害が多い傾向にあるため、時々タンスから出して確認しましょう。         3-4喪服の選び方 <デザイン> シングル(ボタンが一列のタイプ)と、ダブル(ボタンが二列のタイプ)があります。ダブルは年配の方が着る印象があるかもしれませんが、シングルとダブルで格式に違いはありません。そのため、与えたい印象によって選ぶと良いでしょう。   ◯シングル:すっきりとした印象   ◯ダブル:貫禄のある印象       <黒の色の濃さ> 黒が濃くなるほど上質とされ、フォーマル度も高くなっていきます。上質な生地になる(喪服の金額が上がる)につれて、黒が深く、きめも細かくなります。       <着心地> 葬儀に参列するため、疲れにくいものが良いでしょう。○肌触りが良い○動きやすい○軽い○体型の変化に合わせやすい       <サイズ> 「身長区分」と「体型区分」の組み合わせで表示されていることが多いです。あらかじめ確認しておくと安心です。   ○身長区分155cm~160cm:3160cm~165cm:4165cm~170cm:5170cm~175cm:6175cm~180cm:7180cm~185cm:8185cm~190cm:9   ○体型区分胸囲と胴囲の差で区分しています。16cm:Y体 細身の体型12cm:A体 標準の体型10cm:AB体 ややゆとりのある体型6cm:BB体 ゆとりのある体型0cm:E体 全体的に大きい体型     最近は、上図のように身長とウエストのみで目安が分かる一覧表を掲載するメーカー・販売店もあります。       <おすすめサイト> 本記事を監修していただいているAOKI様のウェブサイトでは、初めての方でも安心して選べるページが用意されています。ぜひ参考にしてみてください。あなたにぴったりのフォーマルスーツの選び方https://www.aoki-style.com/feature/choice-formal/   もくじに戻る             4.まとめ:マナーを守って身だしなみも整えて臨みましょう 一般会葬者として参列する場合は、以下の通りです。   <喪服> 通夜では「略喪服」または「準喪服」葬儀・告別式では「準喪服」を着ます。     <服装全体> ネクタイ、ベルト、靴下、靴も全て黒色で統一します。持ち物が多すぎてポケットに入らない場合は、黒のバッグに入れて持っていきます。     <身だしなみ> 髪型やひげ(普段から生やしている方)は、通常よりも清潔感を意識して整えます。     <おすすめサイト> 本記事監修のAOKI様のウェブサイト「あなたにぴったりのフォーマルスーツの選び方」https://www.aoki-style.com/feature/choice-formal/     故人様に弔意を示すと共に、喪主と遺族に対して失礼のない格好で参列することが大切です。 24時間365日、葬儀のご依頼・ご相談を受け付けております。早朝・深夜、祝日・連休・年末年始も、気兼ねなくご連絡ください。全国儀式サービス コールセンター■お電話0120-491-499(通話料・相談料・紹介料、無料)■メールお問い合わせページから相談する      

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2022年 12月 20日(火)

通夜や葬儀・告別式における女性の服装-参列する際に気を付けておきたいこと

2023年12月19日更新。通夜や葬儀・告別式に参列する機会は普段多くないだけに、いざその機会がやって来ると、準備に慌ててしまうものです。●喪服について具体的に知りたい。●髪やメイクで気を付ける点は?●子どもの服装はどうしたら良い?●準備すべきものの一覧がほしい。この記事では、急に通夜や葬儀・告別式へ参列することとなった女性の服装について、正式な作法・基本的な考え方を解説します。近年葬儀も身内のみの家族葬が増えています。全て正式なルールに沿う必要はなく、柔軟に考えることも認められます。本来の作法・基本的な考え方を知っておいて、その上で一緒に参列される方に相談されることをお勧めします。大事なのは「故人様とのお別れ」です。当日落ち付いて臨めるよう、服装のマナーをおさえてください。今回は全国儀式サービスのご契約団体であるAOKI様にご協力いただき、記事の監修をしていただきました。<今回、監修してくださった方>株式会社AOKI商品部  様         【もくじ】 1一般会葬者(女性)の喪服  1-1基本的な考え方  1-2通夜の場合  1-3葬儀・告別式の場合   2一般会葬者(女性)の服装全体  2-1基本的な考え方  2-2小物類  2-3髪型やメイク・ネイル   3子供を連れて参列する場合  3-1子供の服装の基本は制服  3-2制服がない場合・未就学児の場合   4これから準備する場合  4-1準備するもの一覧  4-2レンタル  4-3購入  4-4喪服の選び方   5まとめ:服装のマナーを実践し、節度ある大人の女性として、きちんと「故人様とのお別れ」に臨みましょう。         1一般会葬者(女性)の喪服   1-1基本的な考え方 <遺族より格式の低い服装> 喪服は大きく3種類に分けられます。格式が高い順に○正喪服○準喪服○略喪服となります。一般会葬者は、遺族より格式の低い服装で参列するのがマナーです。通夜では「略喪服または準喪服」葬儀・告別式では「準喪服」を着ます。     <補足1:喪服の種類>   ○正喪服着る人:喪主、故人様に近い遺族、親族着る場面:通夜、葬儀・告別式、法要女性の装い:洋装はアフタヌーンドレス、和装は五つ紋の黒無地の着物※アフタヌーンドレス:光沢のない黒で、首回りが狭く、長袖、ひざ下丈のドレス。※五つ紋:背中、両袖、両胸の五つの部分に家紋が入ったもの     ○準喪服着る人:遺族側の親族、一般参列者着る場面:葬儀・告別式、一周忌法要※最近では、通夜でも着用されることが増えてきました。女性の装い:洋装で、黒無地のシンプルなデザインのアンサンブル     ○略喪服着る人:一般参列者着る場面:通夜、三回忌以降の法要女性の装い:黒、紺、グレー等のシンプルなデザインのツーピース     <補足2:礼服と喪服の違い> 礼服は冠婚葬祭時の服装全般を指します。その中でも、葬儀や法要の時に着用するものを、喪服と呼びます。なお礼服は、最近では「ブラックフォーマル」とも呼ばれます。     <補足3:平服と喪服の違い> お別れの会や偲ぶ会といった形式では、参列の際に「平服でお越しください」と案内される場合があります。この「平服」とは略喪服のことを指します。普段着という意味ではありませんので気を付けましょう。       1-2通夜の場合 <略喪服を着る> 理由は、突然の訃報を受けて参列するため、また準備していたと思われないようにするための配慮からです。     <具体的にはツーピースの装い> 黒、紺、グレー等のシンプルなデザインのスカートスーツやパンツスーツを着ます。     <最近は「準喪服」を着る方も多い> ○通夜が儀式化した結果、通夜だけに参加する人が増えてきた○喪服の主流が洋装となり、準備に手間が掛からなくなったことが理由として挙げられます。       1-3葬儀・告別式の場合 <準喪服を着る> 略喪服より格式の高い準喪服で参列します。洋装で、黒無地のシンプルなデザインのアンサンブルを着用します。和装は、現在では、喪主や遺族が着る場合が大半で、一般会葬者はほとんど着用していません。準備や着付けに時間がかかるため、洋装が選ばれるようになりました。そのため和装で出席すると、かえって格式が高く見えてしまう恐れがあります。※お花や踊り(の先生の葬儀)など、普段から和服を着る習慣がある方々を除く。     <具体的にはアンサンブルの装い> 黒無地でシンプルなデザインの、ワンピース+ジャケットの組み合わせです。スカート+ブラウス+ジャケットの3点の組み合わせもあります。ブラウスは黒であることに注意します。ジャケットは襟のあるタイプとないタイプがあります。襟のないタイプは、首周りがスッキリして見える分だけ、柔らかい印象・女性的な印象を与えます。そのため現在のデザインの主流にもなっているようです。また、ジャケット風のデザインが施されたワンピースもあります。喪服選びのポイントは、4-4喪服の選び方をご覧ください。   もくじに戻る           2一般会葬者(女性)の服装全体   2-1基本的な考え方 参列者は個性を出さずに、礼節を重んじた服装が基本です。   <全身を黒で揃える> 喪服以外に身につけるものにも配慮します。靴やストッキング、バッグ等も黒で揃えます。     <肌の露出を少なくする> 首回り、袖、スカート丈(ひざが隠れる丈にする)に注意して 、肌の露出を控えます。     <色・柄・装飾のあるものを避ける> 地味でシンプルなデザインを選びます。女性の場合は、小物に限らず、メイク・ネイル・髪色にも配慮。華美にならないように気を付けます。     <光沢のあるものを避ける> 素材に注意して、光沢のない黒を選びます。     <殺生をイメージさせるものを避ける> 例えばファー(毛皮)付のコートや、クロコダイル柄のバックや靴などは避け、布製や光沢のない革製を選びます。       2-2小物類 <一覧> 靴ストッキングバッグ袱紗(ふくさ)数珠(じゅず)アクセサリー腕時計ハンカチ傘コート     <靴> 黒色のシンプルなパンプスにします。素材:布製または光沢を抑えた革製。※革製以外の靴を探そうとすると、時間が掛かると思われます。つま先:丸い形のラウンドトゥが無難。※少し角ばったスクエアトゥも許容範囲。ヒール:3~5㎝を目安にする。※細すぎたり高すぎたりすると、華やかな印象を与えたり、音を立てやすく、また歩きにくいので、避けましょう。その他:妊娠中の方や足が不自由な方は、歩きやすさを重視して、黒のローヒールパンプスやフラットシューズを選びましょう。雨の強い日や雪の日の場合は、レインブーツやスノーブーツ等で斎場に行き、着いたら用意しておいたパンプスに履き替えるのも、一つの方法です。脱いだブーツは、レインコート(冬用コート)と一緒に受付で預かってもらうようにしましょう。雨具類も、暗めの色で柄の無いものが基本です。     <ストッキング> 透け感のある、ツヤを抑えたブラックで、無地のものを着用します。具体的にはストッキングとタイツの境目となる20~30デニールのものを選ぶと良いでしょう。メーカーや商品の違いに関わらず、適度な透け感と濃さが見込めると思います。もし迷うようであれば、メーカーから「礼装(用)ストッキング」という名称で、弔事向けのストッキングも販売されていますので、そちらを選びましょう。秋冬は、保温効果のある厚手のストッキングやタイツを着用される方が多いと思います。一般的には60デニールまでであれば良いとされているようですが、透け感を重視して選び、喪服と合わせてみて違和感が無いか事前に確かめておくと安心です。妊娠中の方は、マタニティ用のストッキング・タイツを選びましょう。妊娠初期から使用できる他、タイツは厚手の種類(デニールの範囲)も豊富に販売されています。     <バッグ> ハンドバッグをメインバッグとして使用します。持ち物の量に応じて、サブバッグも活用します。○ハンドバッグ黒色のシンプルなデザインにします。素材:布製または光沢を抑えた革製。※金具類もゴールドや光沢のある素材を避けます。○サブバッグハンドバッグ同様に、黒色のシンプルなデザインにします。素材:ポリエステルを始めとした合成繊維。※サブバッグの特性上、軽くて強度のある素材で作られる傾向にあります。サイズ:A4サイズ程度。タイプ:手提げバッグ。※折り畳んで携帯できるものも重宝します。※ショルダーバッグやトートバッグはカジュアルな印象になります。     <袱紗(ふくさ)> 袱紗は、熨斗袋(のしぶくろ)や金封を包む、一枚の布のことを指して言います。香典は袱紗に包んで持参するのがマナーです。包む理由は以下の通りです。○金封が汚れないようにする○相手への礼儀を示す袱紗には弔事用と慶事用の2種類があるので注意します。○弔事:紺・緑・グレーなど(寒色系)○慶事:赤・ピンク・オレンジなど(暖色系)※紫は慶弔どちらでも使用可能。形はおもに二種類です。○風呂敷タイプ正方形の小さな風呂敷のような形で絹やちりめんで作られています。留め具がついたものや、切手盆(きってぼん)の代わりとして台が付いているものもあります。○金封タイプ封筒のような形状になっており、包む手間がいらないのが特徴です。香典を袱紗に包む方法は、香典の準備について|金額、香典袋の選び方、入れ方、当日の渡し方まで紹介をご参考ください。     <数珠(じゅず)> 数珠には大きく分けて2種類あります。○本式:宗派ごとに定められた形がある。○略式:どの宗派でも使用できる。日蓮宗など本式と略式の使い方を明確にしている宗派もありますが、本式をお持ちの方は多くはなく、喪主及びご家族も、一般会葬者としても略式の数珠で許されています。なお本式数珠の中には、「八宗兼用」という、どの宗派でもお使いいただける、女性用の本式数珠もあります。ご自分の宗派が分からない方や、無宗派でも本式数珠をお探しの方に、おすすめです。また数珠には男性用と女性用があります。女性用の数珠は、男性用と比べて珠が小さいのが特徴です。6~8ミリが一般的だと言われます。珠の色や素材は、好みのものを選びます。房の色や形も、好みのものを選べますが、「紐房」という形は、男性用の数珠に使われることが多いようです。なお数珠は、念珠とも言われ、持つ人の想いや念を込めて、お守りや身代わりとするものと考えられています。そのため、貸し借りをしてはいけません。忘れてしまった場合は、数珠を持たないで参列しましょう。     <アクセサリー> 結婚指輪および真珠は、身に着けて良いとされます。○結婚指輪フラットリングやカットリングなど、シンプルなものにしましょう。宝石のついたストーンリングや、トリニティリングなど、装飾が華美なものは外します。○真珠真珠は涙の象徴とされており、葬儀の際に身に着けられることの多いアクセサリーです。ただし、華美な印象を与えないよう注意します。具体的には粒が小さいもの(7~8ミリを目安に)、色は白か黒を選びます。・イヤリング、ピアス耳にぴったりと付いて揺れない「一粒タイプ」のもの にします。・ネックレス一連のものに限ります。二連は不幸が重なることを連想させるため、葬儀ではNGとされます。またロングタイプも「不幸が長引く」とされているため避けます。     <腕時計> 人によっては良しとしない場合もあるため、参列の時だけ一時的に外しておくのが無難です。どうしても着けておく必要がある場合は、華美でないものにします。文字盤:色は白か黒、表示はシンプルなものにします。ジュエリーの付いたものや、デジタル式は避けます。ベルト:金属製ならシルバー、革製なら黒にします。ボディ:大きくないものにします。     <ハンカチ> 白色か黒色の無地のものを選びます。フォーマルハンカチとして市販されています。紺やグレーなどの寒色系でも構いません。色柄の付いたものは控えます。     <傘> シンプルな黒無地の傘にします。刺繍など装飾のあるものは避けます。黒の傘がない場合は、透明なビニール傘でも構いません。     <コート> 黒のフォーマルコートを着用します。どうしても黒がない場合、グレーや濃紺などの落ち着いた色のものにします。素材は、冬であればカシミアやウール、それ以外は一年を通じて着られるポリエステル等が良いです。コートの丈はスカートが隠れるくらいが基本です。葬儀会場に到着したらコートを脱ぐのがマナーです。小脇に抱えておき、焼香の時は手荷物台に置きます。       2-3髪型やメイク・ネイル <一覧> 髪メイクネイル     <髪> 清潔感を意識します。○髪の色髪の毛を染めている方は、黒く染めなおすか、カラースプレーで黒くするのが理想です。しかし近年では、世間的にカラーリングした髪型も許容されつつあり、葬儀においても、そのままの髪の色で参列する人も少なくありません。○髪型ショートやボブの方は、清潔感を意識して、華美な飾りの使用は避けましょう。ロング、セミロングの方は、頭の後ろで、一つに束ねます。「耳より上は慶事、下は弔事」と言われ、束ねる際は、耳より下で結ぶと葬儀にふさわしい落ち着いた印象になります。サイドは、髪がばらける時はヘアピンで留めます。耳を出すようにします。前髪は、目にかからないよう横に流します。二つ結びや三つ編みは幼稚なイメージやカジュアルな印象を与えるので避けましょう。なお、髪留めも黒一色にします。     <メイク> 「片化粧」と呼ばれる、薄化粧にして、口紅を控えるメイクが一般的です。ノーメイクは、身だしなみへの配慮がなく映るため、マナーに反しますので。注意しましょう。○ベースメイク艶感を抑え、マットな肌を作ります。チークやハイライトは使いません。○アイメイクアイシャドウは、ブラウン系かベージュ系を使います。基本的にアイラインやマスカラは使いませんが、使う場合はさりげなく少量に抑えます。○口紅ベージュ系や薄いピンクなど、ナチュラルな色を淡く伸ばします。濃い紅色は慶事を連想させるためNGです。かつては、片化粧では口紅はすべきでないと考えられていましたが、ノーメイクに見られることで逆に礼節を欠いてしまうため、最近では薄い口紅をさします。     <ネイル> ネイルはしないのが基本です。ネイルサロンまたは自宅でネイルを落としてから参列しましょう。ネイル落としが間に合わない場合は、・上からマットなベージュを塗る・ネイルシールを貼るなどで対応します。控えめな色(ベージュや薄いピンクやクリア)であれば許容範囲内です。黒い手袋を着用して参列される方も中にはいらっしゃいますが、焼香の際には手袋を外すのがマナーですので、上記のいずれかの対応を行って臨みましょう。   もくじに戻る           3子供を連れて参列する場合   3-1子供の服装の基本は制服 学校の制服は、そのまま礼服とみなされるため、制服を着用して参列します。靴や靴下も学校が規定するものを履きます。       3-2制服がない場合・未就学児の場合 地味な色合いで、無地で光沢のない私服で参列します。   <男子> ○シャツ:白○ジャケット・ズボン:黒、濃紺、グレー○靴下:同系色○靴:同系色   <女子> ○ブラウス:白○ジャケット・スカート:黒、濃紺、グレー○靴下:同系色○靴:同系色※カーディガンやワンピースを着る場合も同系色にします。   もくじに戻る           4これから準備する場合   4-1準備するもの一覧 <必要なもの> □喪服□靴□ストッキング□バッグ□袱紗(香典も忘れずに)□数珠□ハンカチ     <状況によって用意するもの> □コート□傘□アクセサリー□腕時計※記事の中では紹介していませんが、 夏場なら、扇子・タオルハンカチ 冬場なら、カイロ 等もあると重宝します。       4-2レンタル <必要なものがセットになっている> ○セットになっていることが多い品目・喪服・ハンドバッグ・靴・ストッキング・ネックレス・イヤリング上記は必要なものであると同時に、ストッキング以外は、購入する場合に時間を掛けて検討したい品目でもあります。時間がない場合は、レンタルが便利です。     <マタニティや授乳に対応したものがある> ○レンタルできる喪服の例・妊娠中の方向け…胸元やおなかを締め付けないタイプの喪服・出産後の方向け…服の着脱をせずにスムーズに授乳ができるタイプの喪服妊娠中や出産後に参列する際には、身体の状態に適した喪服を着ることができると、安心です。また一時的な状況でもあるので、レンタルで済ますと経済的です。     <季節等、状況に合わせて選択できる> ○レンタルできる喪服の例・夏用の喪服・大きめサイズの喪服・体型をカバーするデザインの喪服夏場の葬儀の参列は、通気性の良い素材で出来た夏用の喪服が快適です。また久しぶりの参列で「体型が変わってしまい、手持ちの喪服が着れない」といった場合にも便利です。     <洋装はレンタル料が安価> 業者によって若干の違いがあるものの、一回当たりのレンタル料は数千円です。年齢の若い方であれば、参列する機会も少ないと思いますので、レンタルという選択が有効かもしれません。     <レンタルできるところ> ネット通販や貸衣装店があります。○ネット通販ネット通販は、仕事等で夜遅い時間になっても手配できるので便利です。早ければ、翌日に喪服が届きます。最近は、通販サイトおよびそこで取り扱う品数も増えてきた他、電子決済の導入も進んでおり、いっそう利用しやすくなっています。試着できないのは難点ですが、サイズ選びを慎重に行えば、大きな問題にはならないと思います。○貸衣装店貸衣装店では試着ができ、その日のうちにレンタルすることができます。この記事では一般会葬者を対象としているため洋装(準喪服)を中心に紹介していますが、もし和装で参列する際には、貸衣装店が良いと思います。喪服のレンタルだけでなく、着付けや化粧・ヘアセットにも対応しているので、慣れていない場合に安心できます。○葬儀社あなたが喪主やご遺族の場合は、葬儀を担当する葬儀社に相談してみましょう。自社でレンタルしていたり、貸衣装店と提携していたりするので、迅速かつ確実に喪服を借りることができます。       4-3購入 <持っておけば慌てずに済む> 訃報は急に受けることが多いので、オールシーズン対応のものを1着持っておくに越したことはありません。特に遠方での葬儀に参列する場合には、レンタルは手間が掛かるかも知れません。○移動時間を考慮しなければならない○宿泊先や式場に届けてもらうよう指定する○間に合わなければ現地でレンタルするなどそのため、実家や親戚から離れた地域で暮らしている方などは、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。     <持っている方は時々試着しておく> 喪服は着る機会が他の衣類と比べて少ないため、いざという時に「虫食いで着ることができない 」ということがないよう、時々タンスから出して、着ておくと安心です。ウールやシルクの天然繊維は注意が必要です。反対に化学繊維は虫害になりにくいです。但し、食いこぼしや、汗や皮脂が付着している場合は虫害に合う場合があります。また30代~40代の方は、妊娠や出産などの影響も含めて、体型が少しずつ変化していく時期でもあります。20代の頃に購入した喪服が、今のサイズに合わなくなっている恐れがあります。またデザイン的に似合わなくなっている場合もないとは言えません。購入を検討してみる時期かもしれません。     <参考:AOKIのレディースフォーマル> 全国儀式サービスの契約団体のAOKI様では、機能性を重視した商品を豊富に展開されています。通年用や夏用など幅広いラインナップの中から1着を選ぶことができます。AOKIのレディースフォーマルhttps://www.aoki-style.com/feature/ladies/formal/ueto/       4-4喪服の選び方 <デザインで探す> 上下のセットで購入することが多いので、ジャケットの襟型を検討しましょう。襟型によって、与える印象は大きく変わります。○ノーカラー 襟がない分だけ、顔の周りがスッキリと見えて、柔らかい印象を与えます。○テーラードカラー 一般的なV字の形に開いた襟型。整然としたスタイルなので、きちんとした印象を与えます。○ショールカラー ショールを掛けたような襟型。テーラードカラーのような切れ込みがなく、丸みがあるため、柔らかで上品な印象を与えます。上記は主な襟型を挙げましたが、その他にも、スタンドカラーやフリルカラーなどがあります。     <機能で探す> 身に着けるものなので、使い勝手の良さも検討しましょう。○脱ぎ着しやすい○動きやすい○ホコリが付きにくい○洗いやすい     <体型の悩みをカバーできるもので探す> 身長を始め、身体の気になる部分を見えにくくするデザインが最近は多くなっています。○身長○首まわり○肩幅○バスト・ウエスト・ヒップ○脚まわりなど選ぶポイントやおすすめのデザインについて、AOKI様のウェブサイトで詳しく紹介されていますので、ぜひ参考にしてみてください。AOKIレディースフォーマルの選び方https://www.aoki-style.com/feature/ladies/formal/howtochoose/   もくじに戻る           5まとめ:服装のマナーを実践し、節度ある大人の女性として、きちんと「故人様とのお別れ」に臨みましょう。

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2019年 11月 21日(木)

弔問時のマナー

2023年12月19日更新。突然の訃報に悲しみながら弔問に伺うものですが、そんな時にもやはりマナーは存在します。悲しみに包まれ、不安な気持ちを抱えている遺族を不快にさせないためにもしっかりとした弔問時のマナーを身に付けておきましょう。 【もくじ】 ・葬儀前の弔問では ・通夜・葬儀・告別式のときの弔問では ・弔電を打つとき ・弔問のときのお悔やみ言葉   葬儀前の弔問では 弔問に出かけたときのお悔やみは、遺族の気持ちを思いやって手短に述べます。遺体が安置されている部屋に通されたら、枕元に両手をついて一礼し合掌します。弔問客が立て込んでいるときは長居は禁物です。お線香をあげたら引き上げましょう。   通夜・葬儀・告別式のときの弔問では 受付で香典を渡し、記帳を済ませたら係員の指示に従い席に着きます。霊前では、一礼してから焼香をします。タイミングが合えばお悔やみを述べ、家族を慰めるのも良いですが、長話しになったり大声で話すのは慎しむようにしましょう。また、遺族に挨拶をするために通夜の終了時まで残ると遺族に負担をかける場合もありますので、参列者が多い場合などは状況に配慮する必要があります。   弔電を打つとき 遠方に住んでいて通夜や葬儀に出席できない場合は弔電を打つと良いでしょう。弔電は各社のホームページから例文が選べますが、それだけではなく故人との関係をしのばせる言葉も入れると遺族にとってもうれしいものです。 送り先は喪主宛とし、差出人はフルネームにします。また、喪家と特に親しい間柄であった場合は後日、慰めと励ましの手紙を出しましょう。   弔問のときのお悔やみ言葉 一般的なお悔やみの言葉 「ご冥福をお祈りいたします」という言葉がありますが、これは「冥途」と「福=幸」を合わせた言葉で、あの世でも幸せになってほしいという意味があります。 以下は、代表的なお悔やみの言葉です。状況に合わせ、ご自身の気持ちも込めて遺族に伝えしましょう。 ・このたびは、誠にご愁傷さまでございます。 ・謹しんでお悔やみ申し上げます。 ・突然のことで、お悔やみの申し上げようもありません。   弔事のときの忌み言葉 弔事のときには「たびたび」「かさねがさね」などの重ね言葉や、繰り返し言葉は避けます。 また、「生きている間」という言葉は「お元気であったころ」などというように、表現も直接的ではない言い回しをしましょう。

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2019年 11月 22日(金)

焼香の作法について

2023年12月19日更新。通夜や告別式での弔問の際に必ず行う「焼香」。見よう見まねで行うことが多くいつも不安な方は多いはずです。ここでは焼香の種類や作法についてお話しします。故人の冥福を祈り安心して焼香することができます。 【もくじ】 ・焼香の様式 ・弔問は通夜の方が多い ・焼香の作法 ・宗派によって異なる焼香 ・焼香について   焼香の様式 焼香には座って行う座礼と立って行う立札の場合の2通りあります。以前は自宅や寺院で葬儀を行うことが一般的でしたので座礼も多かったですが、昨今の斎場葬の増加によりほとんどの場合は立礼になりました。さらに、会葬者が多い場合などには親族は座ったまま焼香をする回し焼香をすることもあります。   弔問は通夜の方が多い 本来、通夜とは故人の遺族や親類、友人たちが集まって、故人とともに過ごすもので、これを夜伽といいました。最近では、仕事上の関係などから葬儀や告別式に弔問できない人が多く、通夜に弔問することが増えてきました。地域によって違いがありますが、全国的には通夜の参列者の方が多い傾向にあります。   焼香の作法 焼香には抹香を使う場合と、線香を使う場合があります。一般的には抹香を使う場合を焼香と呼ぶことが多いようです。 抹香を使う場合には、香炉に火をつけた炭を置き、その上に親指・人差し指・中指の三指で摘まんだ抹香を静かに置いて焚きます。 線香を使う場合は、ロウソクで火をつけた線香は手であおいで火を消します。次に線香を香炉に立てて合掌します。 抹香の焼香回数、線香の本数は宗派により異なりますので、葬儀社スタッフに確認すると良いでしょう。   宗派によって異なる焼香 焼香のやり方や回数は、宗派によってそれぞれ異なります。一般的な方法としては次のとおりです。 天台宗1~3回(特に決まりなし) 真言宗3回 浄土宗特に決まりなし 浄土真宗本願寺派1回(額にいただかずに) 真宗大谷派2回(額にいただかずに) 臨済宗特に決まりなし 曹洞宗2回(1回目は額に押しいただき、2回目はそのまま落とす) 日蓮宗導師は3回・一般の方は1回   焼香について 香のいわれ 香はその人や場を清める働きがあるといわれています。また、仏の弔いあるいは仏の慈悲などともいわれ、亡くなった人を供養するのに欠かすことのできないものです。 日本に伝来した香 香は飛鳥時代に日本に渡来したもので、平安時代に貴族の間に流行し愛好されました。白檀(びゃくだん)や沈香(じんこう)、伽羅(きゃら)などは特に珍重されました。生活の中でこれだけ愛好されたのは、現代のように石けんがなく、入浴も不便であったことが関係していると思われます。   ※この記事は首都圏での葬儀における標準的な例です

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2019年 11月 26日(火)

通夜ぶるまいと弔問客のマナー

2023年12月19日更新。通夜の後、弔問客に振る舞われる食事のことを「通夜ぶるまい」と言います。喪家が用意をしてくれた場をどのように過ごしたら良いのでしょうか。 【もくじ】・通夜ぶるまいとは ・通夜ぶるまいを勧められたら ・通夜ぶるまいでの弔問客のマナー   通夜ぶるまいとは かつては死者の出た家での飲食はタブーとされていました。しかし、神道の直会(なおらい/神前に供えた食べ物や酒を出席者全員でいただく風習)が取り入れられて、今日の形になったといわれています。通夜ぶるまいのときは仕出しなどを取って利用するのが一般的です。通夜ぶるまいは地域色の強いしきたりで、首都圏などの地域では慣例になっていますが、その風習が全く無い地域も多くあります。   通夜ぶるまいを勧められたら 読経が終了すると通夜ぶるまいとなります。喪家側から、用意された料理や飲み物を勧められ席に着いたら、程よくいただくのが礼儀です。もし故人や遺族との関係がそれほど親しくなく遠慮すべきだと判断したら失礼しましょう。   通夜ぶるまいでの弔問客のマナー 故人を偲びながらいただくのがマナーとされており、故人との思い出などを話しながら過ごすと良いでしょう。お酒も振舞われますが酔うほど飲むのは厳禁です。長居をするのはご迷惑になることもあるため頃合いを見て引き上げるのがスマートです。故人や遺族と親しくしていた人は終了後に挨拶する場合もありますが、人数が多い場合などには遺族に負担をかけることもあるので状況を見ての配慮が必要です。   ※この記事は首都圏での葬儀における標準的な例です

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2019年 11月 21日(木)

法要の進め方と招かれる側のマナー

2023年12月19日更新。法要とは故人の冥福を祈り、供養を営む大切な儀式です。遺族にとっては葬儀と同様に重要なものになるので法要の一連の流れを知っておきましょう。 【もくじ】 ・法要の進め方 ・法要に招かれたらできるだけ出席する ・新盆の過ごし方   法要の進め方 法要は以下の流れで執り行われます。法要の後には精進落としの料理を振る舞いますが、これを「お斎(とき)」や「お清め」と呼びます。 法 要 ①僧侶の到着を待って、法要を開始します。 ②仏壇(または後飾り祭壇)にロウソクを灯します。 ③一同着席の後、読経、焼香、法話と続きます。 お清め ④席順は僧侶を主座に、親族、故人と親しかった友人という順になります。施主および家族は末席に座ります。 ⑤お清めの前後に施主がお礼の挨拶をします。 ⑥お布施は別室で僧侶に渡します。 ⑦引出物がある場合は、事前に招待者の席に配っておきます。   法要に招かれたらできるだけ出席する 法要に出席するときは、仏前に供える供物か香典を持参します。金額は葬儀のときの香典の半分程度で、目安としては1万円くらい。表書きは「御佛前」とします。法要のときの服装は、全体に地味にし、男性は派手なネクタイや色もののワイシャツは避けます。女性もアクセサリーなどは控えます。 施主側 施主側では、三回忌までは黒い喪服を着用します。それ以降は祭事(祖先祭)と考え、黒い服にこだわらなくてもよいでしょう。黒服ならばデザインの入ったもの、または地味な色あいのものなどを選びます。 招かれた側 三回忌ぐらいまでの法要には準喪服を、または地味な色合いのシンプルな洋服でもよいでしょう。   新盆の過ごし方 新盆は、故人の忌明けが済んでから初めて迎えるお盆のことです。四十九日を迎えていなくても、初めての盆を「新盆」とするところもあります。地域によって読み方が異なり、「にいぼん」「あらぼん」「しんぼん」などと読みます。「初盆(はつぼん・ういぼん)」と呼ぶ地域もあります。故人が亡くなってから間もないお盆ですから、特に心して丁寧に供養します。新盆の流れ ①仏壇の掃除と仏具を磨きます。 ②7月13日に精霊棚(しょうりょうだな)を作り、提灯や野菜・果物のほか、故人の好物を供えます。 ③親族、故人の知人や友人を招待します。僧侶の読経後は、精進料理でもてなします。 ④お盆の最後の日(15日または16日)に送り火をたきます。 ※地域により異なります   精霊棚の作り方 お盆の間に家に帰って来るという死者の霊をもてなすために臨時に作る供養棚を精霊棚(しょうりょうだな)といいます。 ①四方に竹を立てて、縄を張り、その中に棚を置く。 ②棚に真菰(まこも)を敷き、位牌を中心に香炉、燭台、花立て、水の子(野菜を細切りにして、洗い米と混ぜたもの)、おからや割りばしで足をつけたキュウリの馬、ナスの牛、果物、だんご、故人の好物などを供える。 精霊棚に飾るもの盆提灯(写真左「白紋天」) 盆灯籠(写真右) 水の子 香炉 位牌 野菜・果物 鈴 ナスの牛・キュウリの馬(写真下) 真菰   最近は、特別な精霊棚は作らず、仏壇の前に小机を置いて、白布を敷き、位牌などを安置することが多いようです。また、浄土真宗では、「先祖の霊を迎える」という考え方は無いため、盆提灯も精霊棚も不要です。   ※この記事は首都圏での一例です

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2019年 11月 21日(木)

喪服のマナー

2023年12月19日更新。遺族と会葬者では着用する喪服は同じでいいのか、立場によって異なるのか。迷うことが多い喪服のマナーについて、それぞれの立場、その時々の状況にあった服装についてご紹介します。       【もくじ】 1.喪服は原則として故人に近い順に格式がある 2.不幸を知らされてすぐの弔問の場合 3.喪服は本来、遺族や喪家側が着用するもの 4.喪服に対する考え方の変化 5.喪服の基本 6.数珠       1.喪服は原則として故人に近い順に格式がある 喪服はもともと、服喪をする近親者が着用するもので、故人に近い順に服装の格式が決められていました。 しかし大正時代を過ぎると、上は黒無地紋付、下着は白で、男女とも重ね着はしなくなりました。これは悲しみごとが重ならないように、という考えから出たものです。   明治維新後に西洋のブラックフォーマルにならい、男性が黒のモーニングか黒の五つ紋に羽織、袴。 女性は黒のアフタヌーンドレスか黒羽二重、黒の袋帯や名古屋帯が一般的になりましたが、最近ではブラックスーツや女性はワンピースなどの略礼服の着用が一般的になりました。     2.不幸を知らされてすぐの弔問の場合 急な知らせで駆けつけるわけですから、普段の服装を着用した地味な格好で構いません。 このときに正式な喪服を着て出かけたりしないことです。供え物や香典もこのときは持参せず、通夜の時かそれ以降にします。     3.喪服は本来、遺族や喪家側が着用するもの 今日では、誰もが一般的に黒い喪服を着用しますが、本来は服喪をする遺族側の服装です。 一般の会葬者は黒に特別にこだわる必要はなく、黒以外の紺やグレーの地味な服装でも差し支えないとされています。 しかし、最近はほとんどの方が喪服で参列しますので、通夜・葬儀に参列する際には喪服を着用しておくのが無難です。     4.服に対する考え方の変化 弔問は人の死を悲しみ、心からの冥福を祈るものです。華美な服装は避け、化粧を控え、結婚指輪以外の装身具は身につけないとされてきました。 しかし最近、「さみしい葬儀にしないでおしゃれをしてほしい」と遺言する人もいます。1993年に亡くなられた作家の森瑤子さんも、そのように言い残していたということです。 生前の活躍に心から敬意を払い、死に対しての悲しみと冥福を祈る気持がこもっていれば、原則をふまえて、その人なりの服喪と喪服を選ぶ時代が始まっているようです。     5.喪服の基本 喪主ならびに遺族の男性は黒の羽織・袴またはモーニング、女性は黒無地五つ紋と言われていましたが、近年では喪主・遺族・親族・会葬者の全員が以下のような略礼服を着用することが主流になっています。   男性 ブラックスーツ・黒のネクタイ・白無地のシャツを着用します。靴やベルトも黒の物を着用し、極力金属製の飾りが少ない物を選びましょう。 光沢がある素材は避けてください。ネクタイピンやカフスなどの装飾品も着けません。   女性 和装は染め抜き五つ紋の黒無地です。足袋は白で、帯留めや髪飾りは着けません。 洋装の場合はワンピース・アンサンブル・スーツなどブラックフォーマルを着用します。 バックは光沢のない黒の物で、金属製の飾りなどが付いていない物を使用します。 結婚指輪以外のアクセサリーは外しますが、着けるのであれば真珠の一連ネックレスもしくはイヤリングのどちらかにしましょう。   お子様 制服がある場合には制服が正装になります。 制服が無い場合には、地味な色合いの洋服であれば問題ありませんが、キャラクタープリントや柄の有る洋服は避けた方が無難です。 靴も黒が無ければ白やグレーなどの物で良いですが、光沢のある素材は控えた方が良いでしょう。     6.数珠 数珠は念珠ともいいます。故人を合掌し、拝むときに必要とする法具です。 珠の数は108つが基本です。この数は大みそかの除夜の鐘と同じで、数珠を繰りながら108つの煩悩を断つことを意味しています。 葬儀や法事の時、特に数珠を持たなくてもよいのですが故人の冥福を祈るに際し、数珠を持つと心が落ち着くようです。 数珠の数は宗派によって異なります。108つのほかに半分の54、4分の1の27、または108つの3分の1の36があります。       目次に戻る

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2020年 01月 24日(金)

キリスト教の葬儀の参列-特徴・流れ・マナー、参列できない場合の対応も紹介

2023年12月19日更新。日本国内において、キリスト教の葬儀の割合は約1%といわれています。このため、葬儀への参列経験がなく、もしもの時にどう対応したらよいのかわからない方が非常に多いと思われます。本記事では、初めて参列する方を対象に、○葬儀の特徴と流れ○参列者が押さえておくべきマナー○参列できない場合の対応などについて説明します。また、日本での信者数が多い宗派「カトリック」と「プロテスタント」では、葬儀内容に違いがありますので、あわせて触れていきます。※記載の内容は首都圏での一例です。地域や宗派、教会の考えによって異なることがあります。         【もくじ】 1.キリスト教の葬儀の特徴   2.キリスト教の葬儀の流れ  2-1カトリックの場合  2-2プロテスタントの場合   3.キリスト教の葬儀の参列マナー  3-1服装  3-2御花料(香典)  3-3かける言葉(挨拶)  3-4聖歌・讃美歌  3-5献花  3-6供花   4.参列できない場合  4-1弔電を送る   5.よくある質問   6.まとめ:キリスト教の葬儀への参列は、基本的な知識やマナーを理解しておくと安心です         1.キリスト教の葬儀の特徴 <「死」を不幸なことと考えていない> キリスト教では、「死」によって地上での罪を許され、魂は神のもとで永遠の安息が与えられると考えられています。このため、遺族への挨拶やおかけする言葉に注意する必要があります。※詳しくは3-3かける言葉(挨拶)を参照してください。       <「聖歌・讃美歌」を斉唱する> 「聖歌(せいか)・讃美歌(さんびか)」とは、神への感謝や讃美などを表す歌のことです。礼拝や宗教儀式内で全員が斉唱します。       <仏式の焼香に相当する「献花」がある> 日本独自の習慣として、故人様とのお別れに花を手向ける「献花(けんか)」を行います。献花の順番は、喪主、遺族、親族、一般会葬者で、故人様と関係が近い方からとなります。       <仏式の通夜に相当する式がある> キリスト教には、もともと通夜はありませんが、日本の風習を取り入れ、行われるようになりました。       <宗派によって呼び名が異なる> ■亡くなること ○カトリック:帰天(きてん)○プロテスタント:召天(しょうてん)     ■聖職者・教職者 ○カトリック:司祭・神父※「司祭(しさい)」は職位名、「神父(しんぷ)」は呼称。本記事では、以下「神父」と記します。○プロテスタント:牧師(ぼくし)     ■礼拝や宗教儀式の中で歌われる歌 ○カトリック:聖歌○プロテスタント:讃美歌     ■仏式の通夜に相当する式 ○カトリック:通夜の祈り・通夜の集い○プロテスタント:前夜式       <葬儀を行う場所> ○カトリック:教会重視のため、葬儀も教会で行う。○プロテスタント:聖書重視のため、葬儀の場所にこだわりはなく、葬儀社の直営斎場で行うことも珍しくない。なお、コロナ禍で教会に人を集めることが困難になり、カトリックでも教会以外の場所で葬儀を行うケースがありました。現在でもその流れが残っているようです。   もくじに戻る             2.キリスト教の葬儀の流れ カトリック、プロテスタントを例に、それぞれの葬儀の流れについて説明します。一般の参列者が関わる主な儀式は、○聖歌・讃美歌斉唱○献花〇祈りを捧げるですので、これらを意識しながら式の流れを確認してください。       2-1カトリックの場合 <通夜の祈り・通夜の集い> 遺族や参列者は先に席に着き、神父が入場すると儀式が始まります。聖歌斉唱→神父による聖書の朗読・説教→全員で祈りを捧げる→献花→遺族代表の挨拶の順で行われます。       <葬儀ミサ・告別式> カトリックでは、葬儀ミサと告別式は別に行われます。   ■葬儀ミサ 入堂聖歌→開式→一同着席→葬儀ミサ(言葉の典礼・感謝の典礼)の順に進行します。   ■告別式 葬儀ミサ終了後は告別式となります。進行は神父だけではなく、遺族や葬儀社も行う場合があります。聖歌斉唱→故人の略歴紹介→弔辞・弔電の奉読→献花の順に進行します。       <出棺> 神父が出棺の祈りを捧げ、遺族は故人との対面を行い、柩(ひつぎ)に花を入れます。出棺前に遺族の代表者から挨拶されることが多いです。         2-2プロテスタントの場合 <前夜式> 納棺式と兼ねたり、納棺式に続けて行われたりします。讃美歌斉唱→牧師による聖書の朗読・説教→全員による祈り→賛美歌斉唱→献花の順に進行します。       <葬儀式> プロテスタントでは、告別式を兼ねた形式で行うことがあります。参列者は先に入場し、柩と遺影を持った遺族を迎えます(教会によってはあらかじめ柩を安置しておく場合もあります)。讃美歌の斉唱→聖書朗読→祈りを捧げる→牧師の説教(故人の略歴紹介も行う)→(告別式を兼ねる場合は)弔辞や弔電の紹介→献花の順に進行します。       <出棺> 牧師が出棺の祈りを捧げ、遺族は故人との対面を行い、柩に花を入れます。出棺前に遺族の代表者から挨拶されることが多いです。   もくじに戻る             3.キリスト教の葬儀の参列マナー   3-1服装 <喪服> 基本的には仏式の服装に準じます。一般の参列者は、黒のスーツ、(女性は)ワンピースやアンサンブルの着用が主流です。       <小物類> ■靴、バッグ、ネクタイなど 仏式の葬儀と同様に黒色が基本です。アクセサリーは、イヤリング、ネックレスとも真珠は身に着けてよいとされています。     ■黒いベールつきのトークハットと手袋 カトリックの女性信者で、遺族のみ着用します。     ■白いベール カトリックの女性信者が着用します。信者ではない参列者は不要です。     ■ロザリオ カトリックでの祈りに使用する数珠のような用具で、信者ではない参列者は不要です。仏式で使用する数珠は使いません。※服装について詳しくは、以下の記事を参照してください。○女性の服装通夜や葬儀・告別式における女性の服装-参列する際に気を付けておきたいこと○男性の服装通夜や葬儀・告別式に参列する際の男性の服装とみだしなみ。持ち物も併せて紹介         3-2御花料(香典) 仏式の「香典(こうでん)」と同様に、金銭を「御花料(おはなりょう)」として遺族にお渡しするのが一般的です。実際のお花を贈る「供花(きょうか・くげ)」やその代金である「お花代(おはなだい)」と似ていますが、混同しないようにしましょう。   <表書き> 「御花料」※カトリックでは「御ミサ料」も使用します。※「御霊前」も白無地の物であれば問題ないとされています。       <使用する袋> ○白無地の封筒のほか、十字架や百合の花の絵柄がついた不祝儀袋を使用します。○蓮や菊の花がついたものは仏式用ですので避けます。       <金額の相場や袋の書き方など> 仏式と同様です。※詳しくは、香典の準備について|金額、香典袋の選び方、入れ方、当日の渡し方まで紹介を参照してください。         3-3かける言葉(挨拶) <適切な挨拶の例> 「安らかな眠りをお祈りいたします」「○○様(故人様の名前)の魂の平安をお祈りいたします」       <適切ではない挨拶の例> 「お悔やみを申し上げます」「ご愁傷様です」       <仏教用語を使用しない> 「成仏」「供養」「冥福」「往生」などは仏教用語です。「ご冥福をお祈りします」の挨拶も避けます。       <忌み言葉を避ける> キリスト教の葬儀に限りませんが、使ってはいけない言葉があります。例えば、◯「死・苦」と、同じ音の「四・九」◯「苦しむ」「死亡」など生死を直接的に表現◯「ますます」「いよいよ」「たびたび」等の重ね言葉         3-4聖歌・讃美歌 式次第に歌詞が記載されていることが多いようです。耳にしたことのある曲であれば、歌ってみましょう。もし歌詞がわからなければ、ハミングだけでも構いませんし、無理に歌わなくても構いません。   <よく歌われる聖歌・讃美歌> 「いつくしみ深き」「主よみもとに」など。         3-5献花 献花に使用する花は、遺族側が用意(葬儀社に依頼)します。   <献花に使用される花の種類> 生花のカーネーション、ユリなどで、花の色は白、手向けやすいように茎の長いものが選ばれます。       <献花の手順> ①ご遺族に一礼し、花を受け取る 順番が来たら祭壇に進み出て、ご遺族に一礼をしたのち、花の部分が右側にくるようにして、両手で係の人から花を受け取ります。このとき、右の手のひらは上向きに、左の手のひらは下向きになるようにします。     ②花を持って一礼する 両手で持ったまま献花台の前に進み、祭壇に向けて一礼します。     ③根元を祭壇に向けて、献花台の上に置く 根元が祭壇の方に向くよう右に回して花を持ち替え、左手を下から花に添えて献花台の上に置きます。     ④手を合わせて黙とうするか、深く一礼 黙とうか一礼を終えたら、そのまま2、3歩下がり、ご遺族に一礼してから席に戻ります。※黙とうの際、カトリックでは十字を切り、プロテスタントでは胸の前で手を組みますが、信者以外は、ふつうに手を合わせて黙とうしても構いません。※参列者が多く、時間がかかりそうな場合は、献花を省略し、全員で黙とうを捧げる場合もあります。         3-6供花 供花とは、故人様の霊前に供える花のことで、より深い弔意を表すものとして贈ります。 祭壇や会場内が寂しい雰囲気にならないようにする役割もあります(祭壇には飾らない場合もあります)。       <供花の形式> 小さめのかご(バスケット)が用いられます。 名札は供花に付けて飾られる場合と、教会の入口などに芳名板で並べられる場合があります。       <花の種類> 生花のみで、造花やプリザーブドフラワーは不可です。 白の百合、蘭、カーネーションなど、白やピンクなど明るい色がよく用いられます。 その他には洋花が多く、仏教で用いる菊は使用しません。       <贈り方> 遺族が供花を辞退されているケースもありますので、あらかじめ遺族か葬儀社に確認の上、葬儀が行われる教会か斎場に贈ります。 花が指定されていたり、持ち込み不可の場合があったりしますので、あわせて確認します。 手配方法は次のいずれかです。 ◯葬儀を施行する葬儀社に依頼 ◯斎場近隣の生花店やインターネット通販による手配 ※詳しくは、お葬式における供花の送り方|手順や注意点、花の種類や相場、芳名札の記載についてを参照してください。   もくじに戻る             4.参列できない場合   4-1弔電を送る 葬儀に参列できない場合、遺族に対して弔意を伝えるために「弔電(ちょうでん)」を送るとよいでしょう。 弔電は、遺族が辞退される場合を除き、葬儀に参列できない方はどなたでも送ることができます。 教会や斎場に届けられた弔電は必ず遺族に渡されます。       <補足:供花・御花料との組み合わせ> ○供花は、弔電と組み合わせて贈ることができます。○御花料は、教会や斎場宛てに送ることを控え、後日ご自宅に持参するか、哀悼の意を込めた手紙を添えて送付するとよいでしょう。       <弔電を送る際の注意点> ■使用不可の台紙がある ◯「蓮」が描かれた台紙・線香つきの台紙(仏式のみで使用するため) ◯プリザーブドフラワー付きの台紙(生花を贈るのがマナーとされるため)     ■適切な台紙を選ぶ ○描かれている花が「白ユリ」「カーネーション」「カスミソウ」     ■適切な電文にする 注文先で用意されている文例から選ぶと安心です。「神の御許に召されました○○様が、安らかな眠りにつかれますようお祈り申し上げます。」(佐川ヒューモニー「VERYCARD」 文例:ST72より)このほか、宗教を問わない文例も使用できます。「ご逝去の報に接し、心から哀悼の意を表します。」(佐川ヒューモニーVERYCARD 文例:SN06より)     ■適切ではない表現や言葉に注意 3-3かける言葉(挨拶)と同様に、適切ではない表現や忌み言葉を避けるようにします。       <弔電の送り方> 電報会社に依頼します。ウェブサイト、電話からの申し込みが中心です。※詳しくは、弔電の送り方|送るタイミングや宛名・差出人、文例や金額についてご紹介を参照してください。   もくじに戻る             5.よくある質問 Q:母が洗礼を受け、キリスト教の葬儀を希望していますが、家族は信者ではないため詳細がわかりません。どのように進めたらよいのでしょうか? A:洗礼を受けた教会にご相談してください。場合によっては葬儀社を紹介してくれることもあります。ご自身で葬儀社を手配した場合でも、葬儀社との打ち合わせ時には教会の方に立ち会っていただくようにします。菩提寺がある場合、菩提寺内のお墓には納骨できない可能性が高いので、家族間で事前に相談するようにしましょう。         Q:父がキリスト教の葬儀を希望していますが、洗礼を受けていません。本人は闘病中のため、教会に通えませんが、どうすればよいでしょうか? A:教会にご相談してください。カトリックでは、原則として生前に洗礼を受けた信者の方のみ葬儀を行うことができます。プロテスタントは教会によってお考えが異なるようです。   もくじに戻る             6.まとめ:キリスト教の葬儀への参列は、基本的な知識やマナーを理解しておくと安心です ここまでキリスト教の葬儀に参列する方が知っておくべき流れ、マナー、宗派による違いなどについて説明してきました。   <ポイント> ○カトリックとプロテスタントでは葬儀の流れや呼び名に違いがある。○聖歌・讃美歌斉唱、献花がある。○参列者の服装は仏式と同じでよい。○御花料はキリスト教に適した袋に入れる。○弔電は文面と台紙の選択に注意する。   なお、もしご家族やご自身がキリスト教の葬儀を希望する場合は、以下の点にご留意ください。       <生前から教会とのつながりを持つ> 最も重要なことは、「亡くなってから」ではなく、「亡くなる前から」教会とのつながりを持っておくことです。特にカトリックは原則として、洗礼を受けていないと葬儀を引き受けていただけません。       <早めの葬儀社選びをお勧め> そもそもキリスト教の葬儀件数が少ないため、ほとんど経験のない葬儀社もあります。このため、いざその時になって探しても、安心して任せられる葬儀社が見つからないこともありえるでしょう。全国儀式サービスが契約している約500社は、地元に密着し、長年の実績と信頼を重ねた葬儀社のみです。キリスト教の葬儀が施行可能な葬儀社をご紹介いたしますので、ご相談ください。       24時間365日、葬儀のご依頼・ご相談を受け付けております。早朝・深夜、祝日・連休・年末年始も、気兼ねなくご連絡ください。   全国儀式サービス コールセンター■お電話0120-491-499(通話料・相談料・紹介料、無料)■メールお問い合わせページから相談する  

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