葬儀に関するコラム

お葬式の知識やマナー、宗派や喪主のこと、そして用語集など、知っておくべき情報をお届けします。ぜひご活用ください。

葬儀の打合せ

2024年 02月 22日(木)

喪主の役割-決め方や実際にやること、服装や持ち物について

喪主は葬儀で重要な役割を担います。しかし喪主になる機会はなかなか無いため、いざという時に不安を感じる方が多くいらっしゃいます。●喪主には誰がなる?●喪主がやることは?●喪主の服装や持ち物は?この記事では、そういった疑問を解決いたします。実際にやることは多岐に渡ります。そのため、喪主としてやることを事前に理解しておき、落ち着いて最期のお別れに臨んでいただければと思います。         【もくじ】 1喪主とは 2喪主の決め方 3喪主の役割 4喪主の挨拶 5喪主の服装 6喪主の持ち物 7まとめ         1.喪主とは <概要> 遺族の代表として、葬儀を執り行う人のことを言います。葬儀の準備から実施に至るすべてにおいて、喪主が中心となって進めていきます。また喪主は、葬儀だけでなく、後に続く年忌法要や納骨等も中心となって執り行います。       <喪主と施主の違い> 喪主と似た言葉に「施主」があります。喪主:遺族の代表として葬儀を執り行う人施主:運営の主体となって費用を支払う人となります。一般個人の葬儀では、喪主が施主でもある場合がほとんどです。   もくじに戻る             2.喪主の決め方 <基本> 故人様と最も血縁の深かった人が喪主になります。一般的には世帯主・配偶者・長男(長女)の中から選びます。故人様に配偶者も子供もいない場合は、故人様の親や兄弟が喪主になります。喪主が高齢の場合は、その子供(長男または長女)が実質的な喪主の役目を務めることが多いです。家族関係が複雑な場合には、遺族・親族間で十分に相談した上で、喪主を決めるようにします。また親族代表を喪主代行に立てる場合もあります(喪主が海外赴任中や入院中で出席できない等)。       <喪主を決めるタイミング> 葬儀の打ち合わせの時までに決めることが一般的です。なぜなら喪主が葬儀の内容を決定しなければならないからです。   もくじに戻る             3.喪主の役割 葬儀を滞りなく執り行うための対応および調整が喪主の役割です。周囲の人に協力を得ながら、進めていきます。     <お亡くなり直後> ■親族・関係者へ ○訃報連絡を行う■僧侶へ ○葬儀(読経)を依頼する ○戒名を依頼する■葬儀社へ ○葬儀(故人様の搬送)を依頼する詳細は以下をご覧ください。○病院や自宅で亡くなった後の流れ-連絡や搬送、ご安置や葬儀の手配について       <故人様の搬送・安置後> ■葬儀社と ○葬儀の打合せを行う ○葬儀内容の最終決定を行う■僧侶と ○葬儀の日程について相談する詳細は以下をご覧ください。○葬儀の打ち合わせ-場所やタイミング、話し合う内容や注意点を解説       <葬儀の打ち合わせ後> ■親族・関係者へ ○訃報連絡・葬儀のご案内をする ○葬儀の各お手伝いを依頼する(受付・会計など) ○親族の供花・供物を取りまとめる ○火葬場への同行者を確認する詳細は以下をご覧ください。○意外と大事!打ち合わせから葬儀までに準備すること       <通夜および葬儀・告別式> ■葬儀社と ○当日の進行について確認・調整を行う■僧侶へ ○来訪時にお出迎え~お見送りする ○御布施をお渡しする■参列者へ ○挨拶やおもてなしをする詳細は以下をご覧ください。○宗教者をお迎えするときに○通夜について-喪主として知っておく通夜の意味や流れ・挨拶など○葬儀・告別式について-喪主が知っておくべき流れや意味、準備など       <葬儀後> ■僧侶へ ○お礼の挨拶に伺う■葬儀社へ ○葬儀費用を支払う■親族・関係者へ ○お手伝いのお礼の挨拶に伺う ○供花や香典等のお返しを行う■参列者へ ○供花や香典等のお返しを行う詳細は以下をご覧ください。○葬儀後の流れ-葬儀の事務の引き継ぎ、費用の精算、お礼の挨拶回りについて○葬儀の香典返しについて-意味や贈る時期、相場や贈る際の注意点などを紹介   もくじに戻る             4.喪主の挨拶 ①通夜および通夜振る舞いでの挨拶②葬儀・告別式(または出棺)での挨拶③精進落としの挨拶について、ポイントと例文を紹介します。喪主が大変若い場合、お身体が不自由な場合、取り乱して挨拶が難しい場合は、親戚代表が挨拶することもあります。※通夜振る舞いは地域によっては、行わない所もあります。     4-1通夜および通夜振る舞いでの挨拶 <ポイント> ○通夜終了時以下の3点を抑えて挨拶を行います。①通夜に参列していただいたお礼②生前親しくしていただいたことへの感謝③通夜振る舞いへのお誘い     ○通夜振る舞いの閉会時ほどよく時間を見計らって、以下2点を抑えて挨拶を行います。①参列のお礼(通夜の締めくくりとして)②葬儀・告別式の日時・場所をご案内       <例文> ○通夜終了時本日はお忙しい中を、○○○○の通夜にご参列いただきました上、ご丁寧なお供物やご香典までいただきまして、本当にありがとうございました。生前は、格別のご厚情を賜りましたこと、故人も感謝しておりました。深くお礼申し上げます。皆様、お疲れの事とは存じますが、ささやかながら、別室に通夜振る舞いを用意いたしましたので、どうぞお立ち寄りください。十分なことはできませんが、おくつろぎの上、○○の思い出話などを伺わせていただければ、遺族としてもうれしい限りでございます。     ○通夜振る舞いの閉会時皆様のおかげで無事○○○○の通夜を務めることができました。本当にありがとうございました。思い出話などをもっとお伺いしたいのですが、夜も遅くなってまいりましたので、この辺りでお開きにしたいと存じます。また、明日の葬儀・告別式は午前△△時より○○斎場で行う予定です。お時間が許すようでしたら、ご参列いただきたくお願い申し上げます。誠にありがとうございました。どうぞお気を付けてお帰りください。         4-2葬儀・告別式(または出棺)の挨拶 <ポイント> 葬儀・告別式の最後または出棺時に、参列者に対して挨拶を行います。以下の3点を抑えて、挨拶を述べます。①参列していただいたお礼②生前親しくしていただいた事への感謝③生前と変わらない遺族への交際と支援のお願い       <例文> 本日はご多用中のところ、○○○○のためにご会葬を賜りまして、誠にありがとうございました。おかげをもちまして、○○○○の葬儀・告別式を滞りなく終了し、これより出棺の運びとなりました。故人が生前ひとかたならぬご厚情を賜りましたことと合わせ、厚く御礼申し上げます。故人の教えを胸に、残された者で今後もがんばってまいりたいと決意いたしております。今まで私共にお寄せいただきましたご厚情に深く感謝を申し上げますと共に、今後も末永くご厚誼(こうぎ)を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。         4-3精進落としの挨拶 <ポイント> 葬儀が無事終了したことへのお礼を述べます。一同疲れているため、労をねぎらうと共に、挨拶を手短に行います。       <例文> ○開会の挨拶本日は亡き○○○○のために、いろいろお心遣いをいただき、ありがとうございました。つつがなく葬儀を済ませることができましたのは、ひとえに皆様方のお力添えのおかげでございます。厚く御礼申し上げます。なお、皆様のご厚情に深謝し、心ばかりではございますが小膳を設けておりますので、一時おくつろぎいただきまして、精進落とし(御斎:おとき)をしていただきたいと存じます。故人の冥福を祈り、献杯をしたいと存じます。     ○閉会の挨拶本日はありがとうございました。誠に名残り惜しく、まだごゆっくりしていただきたいところでございますが、ご遠方からのご参列の方もいらっしゃいますので、この辺りでお開きにさせていただきたいと存じます。長い間お引き留めして申し訳ございませんでした。今後ともよろしくお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。   もくじに戻る             5.喪主の服装 <本来> 葬儀・告別式では、遺族の代表として、正喪服(喪服の中でも、最も格式の高い服装)で臨みます。前日に行われる通夜では、正喪服または準喪服(一般的な洋装の喪服のこと。葬儀用の礼服)で臨みます。       <最近> 通夜も葬儀・告別式も、準喪服を着用して臨むことが多くなりました。       喪服を持っていなければ、葬儀社に準備してもらいます(または貸衣装店を紹介してもらいます)。ただ、喪主をお勤めになる方は、その後の法要などでも喪服を着用する機会が多くなりますので、喪服の購入も検討しましょう。   もくじに戻る             6.喪主の持ち物 喪主として、持っておくと良いものを紹介します。     <筆記用具(メモとペン)> 葬儀社や関係者とのやり取り等をメモするためのものです。多くのことを判断しながら進めていくことになるので、あると役に立ちます。       <御布施用の封筒> お布施を入れる白無地の封筒です。葬儀社にお願いすれば用意してくれます。       <袱紗> 僧侶への御布施(御車料など)を包むための、一枚布のことです。「金封が汚れないようにする」「相手への礼儀を示す」ためのものです。弔事用と慶事用があり、弔事では寒色(紺やグレー等)または紫(慶弔両用)の袱紗を使用します。       <数珠> 仏式の葬儀でお参りする際に使用します。数珠は持つ人のお守り・身代わりとするものと考えられています。貸し借りしてはいけないものなので、準備しましょう。       <その他> タクシー等の臨時の出費に備え、現金を持っておきましょう。   もくじに戻る             7.まとめ:初めて喪主になる人が大半です。分からないことは葬儀社・周囲の人に教えてもらいましょう 喪主として葬儀を経験することは、人生の中で数回しかありません。そのため、初めて喪主を経験する際には、遠慮なく葬儀社や周囲の人に相談しましょう。実際に全国儀式サービスをご利用いただく方の多くが、初めて喪主になる人です。安心してご相談ください。葬儀はもちろん、地域の風習についても詳しい葬儀社が担当いたします。聞けば何でも、答えてくれます。実際にご利用者の方から、そういったご満足の声を多くいただいております。また提携している葬儀社の多くが、自社斎場を持っているため、喪家の要望に合わせやすいことも特長です。ご相談・ご紹介・御見積りは無料です。ぜひ一度ご連絡ください。     24時間365日、葬儀のご依頼・ご相談を受け付けております。早朝・深夜、祝日・連休・年末年始も、気兼ねなくご連絡ください。   全国儀式サービス コールセンター■お電話0120-491-499(通話料・相談料・紹介料、無料)■メールお問い合わせページから相談する  

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葬儀の打合せ

2019年 11月 21日(木)

喪主の決定と各係の役割

2024年1月24日更新。喪主は誰がなるの?何をすればいいの?葬儀を執り行うには誰に何をお願いすればいいの?などなど、わからないことは多いですね。葬儀に必要な役割は喪主をはじめ、いくつかありますので事前に把握しスムーズに進行できるようにしておきましょう。   【もくじ】 ・喪主の務め ・各係の役割   喪主の務め 喪主は一般的には世帯主・配偶者・長男(長女)の中から選びます。喪主は葬儀だけでなく、後に続く年忌法要、墓参りなどを主催する重要な役割を担います。 社葬や合同葬などの場合、喪主以外に葬儀全般を取り仕切る役割として、葬儀委員長を立てることもあります。施主という呼び方もありますが、施主は葬儀を施行する主ということで、葬儀の金銭的な負担を担う役割を指します。近年では喪主と同意で使われることが多いようです。   各係の役割 葬儀を執り行うには、喪主以外にもいくつかの役割が必要になります。以下に記載している役割の中には、葬儀社のスタッフや専門のスタッフが担当することもあるので、どの役割が必要なのかを葬儀社に確認すると良いでしょう。受付係会葬者芳名録(または記帳カード)と香典、供物の整理、記録などを行います。会社関係の参列者が多く予想される場合は、会社側からも2~3名の手伝いをお願いします。 会計係受付係が預かった香典を計算・集計し、責任をもって管理し喪主へ引き渡します。 案内係道順標示や各種の立看板を用意し、会葬者の葬儀場までの道案内をしたり葬儀場内での導線誘導を行います。 返礼品係通夜のときの通夜返しや会葬礼状などの返礼品を準備し、会葬者に渡します。香典返しのある場合も同様に行います。 供花・供物係供花、供物の発注を取りまとめる係です。喪主が兼任することが多いですが、当日は供花供物の並べ方や、料金の受領などを行います。 接待係通夜ぶるまいの席への誘導や通夜ぶるまいや精進落としの席での茶菓接待などを行います。通夜ぶるまいや精進落としは最近では仕出料理を葬儀社で手配することが多く、専門の配膳人が行うことがほとんどになっています。   ※この記事は首都圏での葬儀における標準的な例です       24時間365日、葬儀のご依頼・ご相談を受け付けております。早朝・深夜、祝日・連休・年末年始も、気兼ねなくご連絡ください。   全国儀式サービス コールセンター■お電話0120-491-499(通話料・相談料・紹介料、無料)■メールお問い合わせページから相談する  

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葬儀の準備

2019年 12月 17日(火)

意外と大事!打ち合わせから葬儀までに準備すること

2023年12月19日更新。祭壇を決め、式の流れを確認したら葬儀の準備は終わりだと思っている方も多いと思いますが、それだけではお葬式を行うことは出来ません。たくさん決めることがある中でも、大事な準備、5つをご紹介いたします。当日、慌てず心に余裕をもって故人を送れるように確認をしておきましょう。   【もくじ】 ・遺影を準備する ・人数を把握し、料理を手配する ・供花を受け付け、まとめる ・挨拶する人を決める ・お手伝いを頼む 遺影を準備する 葬儀には遺影を飾ります。以前は白黒の写真で、服装は喪服というのが定番でしたが、最近ではカラーの写真を使用することがほとんどで、服装もカジュアルなものを使うことが多くなりました。写真もその人らしい自然な写りのものを選ぶと、故人の人となりが偲ばれる遺影になるでしょう。 写真の加工技術が向上し、洋服の着せ替えなども違和感なくできるようになったので、基本的には表情の良い写真を選ぶのが一番です。ただし、あまりに小さく写っている写真だと引き伸ばした時に画像が荒れてしまい、顔がはっきりと見えないことがあります。プリントされた写真であれば、顔の大きさが10円玉大を目安に探すと良いでしょう。もちろんデジタルの写真でも加工は可能ですが、これも解像度が低いものは仕上がりが綺麗にならないことがあります。最近ではプリントした写真で遺影を飾るのではなく、モニターに写真を投影し、故人の色々な写真をスライドにするサービスを行う葬儀社もあります。   人数を把握し、料理を注文する 首都圏の通夜では一般参列の方にも通夜ぶるまいとして料理を振る舞います。そのため、ある程度は会葬者の人数を予想しておかなければなりません。葬儀で具体的な人数を把握するのは大変難しいですが、通夜ぶるまいは一般的に大皿の料理を用意しますので、10人単位で予想を立てておけば大丈夫です。 また、葬儀終了後には精進落としを親族に用意しますが、一般的には一人前のお膳で出すことが多いため、具体的な人数を把握する必要があります。   供花を受け付け、手配する 以前は葬儀には世話役を立て、供花の受付や手配などは喪主の代わりに世話役が全て行っていました。最近では世話役を立てることはせず、喪主自らがこれを行うことが多くなっています。基本的に供花は、親族側からの意向で出すものであって、喪主側から親族にお願いして出してもらうものではありません。しかし場合によっては、供花の数を調整するために親族に依頼することもあるようです。 手配する際には、葬儀社はさまざまな種類の供花を用意しているので、故人との関係性によってどの供花にするかを決める必要があります。次に、供花を出してくれた人から供花代を集金しなければなりませんが、喪主または遺族の誰かが取りまとめて集金するケースと、葬儀社に直接支払うようにお願いするケースがあるようです。   挨拶する人を決める 葬儀では参列者に対して個別に挨拶することが難しいため、式の中で挨拶が行われます。一般的には葬儀・告別式の中で遺族を代表し、会葬者に向けて挨拶をします。挨拶は喪主が行うものと思っている方も多いようですが、遺族側から会葬者に向けての挨拶なので、遺族側を代表する人であれば喪主でなくても構いません。 他にも、精進落としの前に親族に向けて挨拶をする場面があります。この場合は、喪主または遺族が挨拶をするのが好ましいです。また、挨拶の後には献杯がされますが、この時の発声は故人とゆかりの深かった人(兄弟など)や一族の長老にあたる人にお願いすることが多いようです。精進落としの最後にも、喪主または遺族の代表者がお開きの挨拶を行います。   葬儀・告別式の挨拶 喪主または親族代表が、参列いただいたことと故人への生前の厚誼のお礼を述べます。故人の人柄を偲ばせるエピソードを折り込むのもよいでしょう。差し障りのない範囲で闘病生活や死因などを伝えても構いません。同時に、遺族に対する今後の支援のお願いもしておきます。 ≪挨拶例≫ 「本日はお忙しいところ、故○○○○の葬儀ならびに告別式にご会葬くださいまして、誠にありがとうございました。このように多くの方に見送られて、父もさぞかし喜んでいることと思います。父は『人生は一度きりしかない。生きているうちは精一杯生きるんだ』とつねづね申しておりましたが、まさに人生を精一杯生きた幸せな85年だったと思います。これも、皆様と親しくお付き合いさせていただいたからこそと、深く感謝しております。今後は残された家族一同、力を合わせて生きていく所存でございます。父亡き後も変わらぬご支援のほど、よろしくお願い申し上げます」   精進落とし始まりの挨拶 全員が席に着いたら、喪主または遺族代表が挨拶を行います。葬儀がとどこおりなく終えられたことに対するお礼などを伝え、献杯(けんぱい)を行い、会食をします。献杯は挨拶をした人が行っても、別の人に頼んでも構いません。地域・宗派によっては献杯を行わない場合もあります。 ≪挨拶例≫ 「一言ご挨拶申し上げます。皆様、本日は誠にありがとうございました。おかげをもちまして故○○○○の葬儀、告別式もとどこおりなく終えることができました。あらためてお礼申し上げます。皆様さぞかしお疲れのことと存じます。誠にささやかではございますが、皆様への感謝と慰労を兼ねまして席をご用意いたしました。ごゆっくりとお召し上がりいただき、故人の思い出などもお聞かせいただければと存じます。本日はありがとうございました。」   精進落とし終了の挨拶 始まってから1時間くらい経ったらタイミングを見て、喪主または遺族が挨拶をします。納骨や法要の予定が決まっていれば伝えるとよいでしょう。 ≪挨拶例≫ 「皆様、本日はお忙しい中ありがとうございました。皆様一人ひとりの温かい真心こもったお見送りをいただき、故人もさぞかし喜んでいることと思います。故人の思い出話などをもっとお伺いしたいところですが、皆様もお疲れのことと思いますので、この辺で終了とさせていただきたいと存じます。十分なおもてなしもできずに申し訳ございません。本日はありがとうございました。」   お手伝いを頼む 通夜・葬儀の間は喪主・遺族は儀式に参列しているため、弔問・会葬に来られた人への対応ができません。そのため、対応してもらうお手伝いをお願いしなければなりませんが、お手伝いは受付・会計・返礼品のお渡し・接待・道案内・誘導など多岐にわたります。町内会やご近所、または会社の同僚などに依頼することが一般的でしたが、家族葬などでは誰にも頼めないこともあります。そういった際には、葬儀社のスタッフが対応する、もしくは葬儀社が手伝いをする人材を派遣してくれることがあります。しかしその場合、料金が発生することもありますので事前に葬儀社に確認をしてください。   ※この記事は首都圏での葬儀における標準的な例です

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葬儀の準備

2023年 06月 30日(金)

遺影の準備-意味や写真・フレームの選び方、飾り方などを紹介

2023年12月19日更新。通夜、葬儀・告別式では、祭壇の中央に故人様の遺影を飾ることが一般的です。この遺影は、故人様が亡くなられてから短時間のうちに写真を決め、作成を依頼する必要があります。本記事では、◯遺影の手配方法◯写真の具体的な選び方◯遺影の飾り方などを具体的にご紹介します。生前に写真を準備しておくことも検討し、故人様や遺族が満足できる遺影になるよう、手配方法を押さえておきましょう。         【もくじ】 1.遺影とは  1-1遺影の概要   2.遺影の準備の流れ  2-1流れの一覧   3.遺影のフレーム(額縁)を選ぶ   4.遺影の写真を選ぶ  4-1写真を選ぶタイミング  4-2写真の選び方  4-3服装・背景  4-4遺影に適した写真のサイズ   5.遺影写真のプリントを依頼する   6.遺影を飾る  6-1通夜および葬儀・告別式  6-2葬儀後~四十九日まで  6-3四十九日以降  6-4飾り終わった後   7.生前に写真を準備する  7-1前もって準備するメリット  7-2生前に準備する方法   8.よくある質問   9.まとめ:故人様と遺族が共に満足できる写真で遺影を作成しましょう   10.お客様の声         1.遺影とは   1-1遺影の概要 <遺影の意味> 「遺影」の読み方は「いえい」です。広義では故人様の生前の姿を写した写真や、肖像画全般を指します。本記事では、通夜、葬儀・告別式の祭壇に飾るフレーム(額縁)に入った故人様の写真に絞って説明を進めます。       <遺影の役割> 通夜、葬儀・告別式への参列者は、遺影のお顔を拝見しながら、故人様と最期のお別れをします。葬儀後は、多くの場合、故人様を偲ぶ写真として自宅にずっと飾ることがほとんどです。故人様が生きていた証、ともいえるでしょう。       <遺影の特徴> かつての遺影は、モノクロ写真、黒いフレームで作成されたものが一般的でした。最近では、写真はカラーが主流で、フレームの色やデザインもさまざまです。       <宗教上の決まりは?> 宗教儀礼ではないため、決まりはありません。◯仏教、神道通夜、葬儀・告別式の祭壇で飾ることがほとんどです。◯キリスト教宗派、教会により飾らないこともありますが、飾ることが多いようです。   もくじに戻る             2.遺影の準備の流れ   2-1流れの一覧 通常、写真作成とフレーム(額縁)の手配は、葬儀社に依頼することがほとんどです。葬儀社との打ち合わせ時に、遺影について説明を受け、以下の流れで準備を進めます。   ①遺影のフレーム(額縁)を選ぶ ②遺影の写真を選ぶ ③遺影写真のプリントを依頼する ④遺影を飾る   詳細は次章以降で説明をします。       <補足:遺影の費用> 葬儀プランによって含まれている場合とそうでない場合があります。詳細は葬儀社に確認をしてください。   もくじに戻る             3.遺影のフレーム(額縁)を選ぶ オーソドックスな黒色のほか、さまざまな色、デザイン、材質などから選びます。葬儀プランの内容によっては、選べないものやオプション扱いのものがあります。葬儀社に確認をしましょう。   もくじに戻る             4.遺影の写真を選ぶ   4-1写真を選ぶタイミング ◯生前に自分(家族)が選ぶ◯亡くなられてから遺族が選ぶのいずれかになります。最近は前者も増えてきましたが、多くは後者のケースです。遺影を通夜の開始に間に合わせるため、通常は通夜の前日までに選びます。         4-2写真の選び方 遺影の原板となる写真は、◯写真の現物◯画像データ・ネガいずれでも作成可能です。選択にあたっては、◯仕上がりへの影響◯故人様を偲びやすいものこの二つの観点がポイントです。具体的には下記のものを選ぶといいでしょう。     <仕上がりへの影響> ■現像(プリント)した写真の場合 ①お顔が大きく写っているもの→10円玉大以上あるとよいです。   ②保存状態がよいもの→あまりにも色褪せていたり、傷みや汚れがあったりすると、きれいに仕上がらないことがあります。     ■デジタル写真の場合 ○画素数の高いもの→デジタルカメラやスマートフォンで撮影した画像は、画素数が200万画素以上あるとよいとされています。最近の機種は、ほとんどがこの基準をクリアしています。     ■いずれの場合も ○ピントが合っているもの→写真を引き伸ばすと、ピントのズレも大きくなります。画像編集ソフトで補正できる場合もありますが、基本的にはピントの合っているものを選ぶようにしましょう。       <故人様を偲びやすいもの> ①お顔の前には何も写っていないこと→花束などが写っていると、お顔を修正することになります。それにより故人様の表情が変わってしまう可能性が高いです。   ②首から上がすべて写っていて、頭髪などが切れていないもの→髪などは修正可能ですが、髪型が違うだけで、故人様の印象が大きく変わってしまうこともあります。   ③目線がカメラに向いているもの→目線が外れていると、故人様が遺族や参列者を見ていないような印象になってしまうことがあります。   ④故人様が生前気に入っていたもの→普段から飾っていた写真があれば参考になります。   ⑤故人様の人柄が表れているもの→遺族が思う「故人様らしさ」で選んで構いません。最近では、帽子をかぶった姿、ピースサインをしたもの、手にお酒を持った遺影などもあります。故人様らしさが表れているのであれば、そういった写真で作成するのもよいでしょう。   ⑥柔らかい表情のもの→以前は真面目な表情の写真を選ぶことが多かったようです。昨今では、故人様が自然な表情をされているものを選ぶ方が増えています。   ⑦なるべく新しく撮ったもの→故人様を偲ぶ際、晩年のお姿をイメージする方が多いと思われます。直近~5年以内ぐらいの写真であれば、何歳ぐらいまでご存命だったのかが一目でわかります。ただ、闘病でお顔つきが変わったものよりは、お元気な頃のもので、故人様らしいと思える写真がよいでしょう(年数に決まりはありません)。 ※画像はイメージです。         4-3服装・背景 写真の加工技術が進化しているため、服装や背景にはあまりとらわれなくてもよいでしょう。   <服装> かつての主流は、喪服やスーツでした。最近ではカジュアルな服装のままで作成する方も多いです。服装は着せ替えができ、種類や選択の幅が広がっています。選ぶポイントとしては、「故人様が生前お召しになっていた服装に似たもの」です。選んだ写真の故人様の表情にあわせて服装を決めるのも「その方らしさ」が出てよいでしょう。       <背景> 色を変更したり、建物や他人が写っていても消去したりすることが可能です。※加工内容によっては追加料金が必要になる場合があります。詳細は依頼時にご確認ください。         4-4遺影に適した写真のサイズ 通常、遺影は◯祭壇用◯焼香台用の2種類を用意します。サイズに決まりはありませんが、一般的には以下の通りです。   <祭壇用> 祭壇に飾る遺影写真は、参列者に見ていただくため、大きめのサイズです。一般的には、◯四つ切(よつぎり)サイズ254mm×305mm◯A4サイズ210mm×297mmのいずれかが多いです。葬儀の会場が広く、大きな祭壇をお飾りする場合には、◯半切(はんせつ)サイズ356mm×432mm◯全紙(ぜんし)サイズ457mm×560mmで作成することもあります。       <焼香台用> 焼香に使う香炉や抹香を載せる台の上に、小さなサイズの写真を置きます。焼香の際に、近くで写真を見ていただくためのものです。◯L判サイズ89mm×127mm◯2Lサイズ127mm×178mmなどです。   もくじに戻る             5.遺影写真のプリントを依頼する 葬儀社に写真のプリントを依頼します。プリント(現像)された写真の現物や、画像データ(ネガ)などを提出します。   もくじに戻る             6.遺影を飾る   6-1通夜および葬儀・告別式 葬儀社が祭壇の中央と、焼香台に飾ります。   <参考:最近の遺影の飾り方> 祭壇中央に立てて飾るだけでなく、◯バックライトを当てる◯モニターに投影し、スライドショーのように飾るなど、さまざまな方法があります。         6-2葬儀後〜四十九日まで 一般的には以下のようにすることが多いです。   <大きな遺影> 祭壇に飾った大きな遺影は、法事などで使用するため保管します。◯斎場から帰ってくる時に箱があればそれに収納し、ない場合は風呂敷などに包みます。◯フレームにリボンがついていたら、外しても構いません。       <小さな遺影> 焼香台用の小さな遺影は、後飾り祭壇(あとかざりさいだん)に飾ります。         6-3四十九日以降 四十九日で後飾り祭壇を片づけるため、遺影も場所を移し、飾ります。   <大きな遺影> ■飾る場所 仏間の壁や、仏壇の横に飾ったりします。もしスペースの問題などで難しい場合は、他の部屋に飾るか、法事で使用するまで保管するとよいでしょう。     ■飾る方法 和室の鴨居(かもい)や長押(なげし)と呼ばれる部分に飾ることが多いです。専用の器具(額受と額ふとんなど)を使うと安定し、見栄えもよくなります。ホームセンターや文房具店などで販売されています。そのほか紐やフックを利用して飾ったり、リサイズして写真立てに入れたり、などさまざまです。       <小さな遺影> 基本的には仏壇には入れず、仏壇の横など別の場所に飾ります。         6-4飾り終わった後 弔い上げ(とむらいあげ)といい、個別の供養を終了した後などに、処分を検討することになると思います。もし遺影を処分する場合は、①自治体の区分にあわせてご自身で処分②寺院や神社でお焚き上げしてもらう ③葬儀社や仏壇店、遺品整理業者に依頼するなどの方法があります。どうするのがよいのかご家族でよく相談しましょう。   もくじに戻る             7.生前に写真を準備する   7-1前もって準備するメリット 4-1写真を選ぶタイミングでも触れた通り、遺族は短時間で写真を決めることになります。ところが、◯写真(アルバム)の保管場所がわからない◯パソコンやスマートフォンを開けない◯遺影にふさわしい写真がない◯気に入る写真がないなど、お困りになるケースは非常に多いです。さらに、選んだ写真が実際に遺影となった時に、◯仕上がりが今一つ◯故人様らしくないなど、物足りなく感じる遺族もいらっしゃいます。また、最近では自分が気に入った写真を遺影にしてほしいとのお考えで、積極的に準備される方が増えてきました。前もって準備することで、◯もしもの時に遺族が写真選びに慌てたり、悩んだりする負担をかけずにすむ。◯故人様、遺族とも満足する遺影が作成できる。などのメリットがあります。検討してみるのもよいでしょう。         7-2生前に準備する方法 <手元にある写真から選ぶ> 気に入った写真があれば、候補をいくつか選んでおきます。画像データ(ネガ)があれば、なおよいです。       <自分で撮影する> 手元に気に入った写真がない場合、スマートフォンで構いませんので、まずはご自身で撮影してみましょう。普段の生活や旅行に出かけた時など、自然なスナップ写真で構いません。数多くストックしておくことで、ご本人らしい写真を選べるでしょう。       <プロに撮影してもらう> フォトスタジオ(写真館)でプロの写真家に撮影してもらいます。解像度が高く、きれいに撮影されますので、遺影になった時の仕上がりもきれいです。撮影料金はさまざまですので、確認してください。最近では、写真館や葬儀社のイベントで、無料もしくは安価で遺影撮影会を行っているところもあります。気軽に参加してみるとよいでしょう。       <保管場所を家族内で共有する> 選んだ写真や画像データは、家族に保管場所を伝えておくか、渡しておきます。思い出作りを兼ねて、普段から気軽に写真を撮影してみましょう。   もくじに戻る             8.よくある質問   Q:数人で写った写真しかありません。それを1人の遺影にすることは可能ですか? A:可能です。背景や人物の消去、色の変更など加工ができます。ただし、◯故人様のお顔が隠れているもの◯団体旅行の集合写真などお顔が小さく撮影されているものなどは避けた方が無難です。できれば首から上はすべて写っている(頭髪などが切れていない)ものがよいです。         Q:写真しか持っていないのですが、「ネガ」(もしくは画像データ)がないとダメでしょうか? A:現像(プリント)された写真を元に作成しますので、ネガや画像データがなくても構いません。写真の現物よりも、ネガや画像データから作成した方がきれいに仕上がります。もしあれば提出してください。         Q:仏間に遺影を飾るのですが、決まりごとや注意点があれば教えてください。 A:宗教上の決まりはありませんが、通例では以下の通りです。①場所は、仏壇の真上や真正面を避けます。②一般的には亡くなられた順に右から左へお飾りすることが多いようです。③なるべく直射日光が当たらない場所に飾ります。遺影に強い光が当たり続けると劣化の原因になります。   もくじに戻る             9.まとめ:故人様と遺族が共に満足できる写真で遺影を作成しましょう ここまで遺影の作成方法、写真の具体的な選び方などについて説明してきました。遺影は、遺族が故人様とのつながりを感じられるものです。その大切な遺影作成に関し、全国儀式サービスが提携する葬儀社に対して感謝の声を多数いただいております。最後に、その一部をご紹介します。   もくじに戻る             10.お客様の声 ※お客様アンケートからの抜粋です(読みやすくするため、一部表現を加筆・変更しています)。   「遺影の写真にこだわらせていただいたが、精いっぱい応えていただき、ありがたかったです。」     「少し若い頃と晩年の写真とで迷っていた際、(もし故人の意向を確認できるなら)女性は若い頃の写真を好まれることが多い、というアドバイスをいただき、少し若い頃の写真を選びました。大変良かったです。」     「2枚の写真を上手に組み合わせて修正していただいて、素敵な遺影写真を作っていただき、それがテレビモニターに大きく写し出され大変感動いたしました。」     「遺影を小さくし、額に入れ、1つではなく3つ(悲しんでいる孫にまで)作ってくださり、ほんわか心が温まりました。」     「父の遺影になった元の写真は、父と孫のツーショットから作られたもの。その元の写真をカラーコピーしてくださり、メモリアルコーナーに飾ってくださった。とても嬉しく思いました。」     「亡母の遺影を選んでいた時、登山が好きだった母のために別途、山の景色のスナップ写真を用意して祭壇に置いてくださいました。」       全国儀式サービスでは、お客様にご満足いただける約500社の葬儀社をご紹介しています。24時間365日、葬儀のご依頼・ご相談を受け付けております。早朝・深夜、祝日・連休・年末年始も、気兼ねなくご連絡ください。     全国儀式サービス コールセンター■お電話0120-491-499(通話料・相談料・紹介料、無料)■メールお問い合わせページから相談する  

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葬儀の準備

2023年 07月 05日(水)

お布施の準備-意味や相場、書き方・入れ方・渡し方をまとめて紹介

2023年12月19日更新。葬儀や法要の際、お寺への謝礼を金銭でお渡しすることや、「お布施」という言葉はご存知だと思います。しかし、金額の決め方や渡し方の作法はわからないという方が多いのではないでしょうか。本記事では、初めての方でもきちんとお布施をお渡しできるように、◯お布施の意味◯金額の相場◯準備方法◯具体的な渡し方などをご説明します。お金に関することは何かと気遣いを要するものです。お寺と良好な関係を築くためにも、決まりごとやマナーを押さえて、準備しましょう。         【もくじ】 1.お布施とは  1-1お布施の意味  1-2神道・キリスト教の場合   2.お布施の種類  2-1お布施として渡すもの  2-2状況によって渡すもの   3.お布施の金額相場  3-1通夜・葬儀  3-2法要  3-3状況によって渡すもの  3-4補足:お布施でダメな金額はある?   4.お布施で準備するもの  4-1準備物の一覧  4-2封筒の選び方   5.お布施(封筒)の書き方  5-1奉書紙の場合  5-2封筒の場合  5-3補足:状況によって渡すもの   6.お布施の入れ方・包み方  6-1奉書紙と半紙の包み方  6-2封筒へのお札の入れ方  6-3袱紗を使ったお布施の包み方   7.お布施の渡し方  7-1渡すタイミング  7-2渡し方   8.よくある質問   9.まとめ:お布施はマナーを守り、感謝の気持ちをこめてお渡ししましょう   10.お客様の声         1.お布施とは   1-1お布施の意味 「お布施」の読み方は「おふせ」です。葬儀や法要などでお世話になった僧侶・お寺に対し、お礼と感謝の気持ちでお渡しする金銭のことをいいます。   <本来のお布施とは> 仏教の教えにおける「布施」とは、「人に施しを与えること」です。布施には、「金品の施し」を意味する「財施(ざいせ)」があります。一般的には、僧侶・お寺へお渡しする財施(特に金銭)を「お布施」と呼ぶようになっています。         1-2神道・キリスト教の場合 「お布施」は仏式用語ですので、神道・キリスト教では使用しません。宗教者への謝礼は、以下の名目でお渡しします。◯神道:「御祭祀料」「御祈祷料」「御礼」◯キリスト教:「献金」「御花料」「御礼」   もくじに戻る             2.お布施の種類   2-1お布施として渡すもの 大きく分けて、次の二つに対してお礼をします。   <読経> ◯通夜・葬儀◯四十九日、初盆、一周忌などの法要◯新しい位牌や仏壇、墓石の開眼供養(かいげんくよう)など、お経を読んでいただいた時です。       <戒名> 戒名を授かった場合です。戒名は生前に授かることもできますが、多くは葬儀の時です。この場合、読経のお礼と分けずに一括して「お布施」としてお渡しすることが多いようです。       <補足:呼び方に注意> 読経や戒名は、商品やサービスではありません。「読経料」「戒名料」のように、対価であるかのような呼び方は適切でない、とお考えのお寺もありますので、表現に注意しましょう。         2-2状況によって渡すもの 正しくは「お布施」ではありませんが、お渡しする金銭には以下のものがあります。   <御車代:おくるまだい> 御車料(おくるまりょう)と呼ぶこともあります。葬儀または法要の場所まで足を運んでいただいた交通費としてお渡しするものです。家族・親族が送迎したり、タクシーの手配をしたりする場合、お渡しする必要はありません。       <御膳料:おぜんりょう> 葬儀または法要後の会食に僧侶が参加されない場合、食事の代わりにお渡しするものです。会食を行わず、折詰の料理をお渡しする場合、御膳料は不要です。       <式場使用料> お寺を借りて葬儀や法要を行った場合の場所代です。   もくじに戻る             3.お布施の金額相場   3-1通夜・葬儀 <金額は相談する> ◯菩提寺がある場合、菩提寺に金額をご相談します。もしくは、同じ菩提寺にお墓を持つ親戚や、檀家総代に訊くのもよいでしょう。◯菩提寺がなく、葬儀社に手配を依頼したお寺の場合、葬儀社に相談します。       <金額の相場> 前述の通り、読経と戒名のお礼を区別せず、まとめて「お布施」としてお渡しすることが多いようです。このため、金額は戒名の位(ランク)の他、宗派や地域などによって大きく変わります。一例として、関東地方における戒名の違いによるお布施の相場は下記の通りです。◯院居士・院大姉 100万円以上◯居士・大姉 50万円前後◯信士・信女 30万円前後※戒名について詳しくは戒名とは|いつまでにどうやって付けてもらう?意味や構成、宗派ごとの違いも紹介を参照してください。       <初七日法要のお布施も含む> 昨今、葬儀・告別式当日に初七日法要も行うことが一般的になってきました。このため、初七日法要のお布施も含めた金額でお渡しすることが増えています。         3-2法要 お布施の金額は、宗派や地域、お寺との関係などにより大きく異なります。もし、あまりにも地域の相場からかけ離れた金額にした場合、菩提寺と他の檀家との関係に支障を来たすおそれがあります。そのような事態を避けるため、金額はお寺に相談しましょう。一般的には以下の金額が相場といわれています。   <忌日法要・回忌法要> ◯初七日法要   3万円程度◯四十九日法要  3万円~5万円◯一周忌法要   3万円~5万円◯三回忌法要以降 1万円~5万円       <その他> ◯納骨式        1万円~5万円◯初盆(新盆)     3万円~5万円◯翌年以降のお盆    5千円~2万円◯位牌、仏壇の開眼供養 1万円~5万円◯お墓の開眼供養    3万円~5万円       ※補足:例えば四十九日法要の際に、納骨式や開眼供養も行うなど、複数の仏事を依頼する場合は、それぞれにお布施が必要となります。ただし、仏事ごとの金額を合計するのではなく、一式として相応の金額をお渡しすることが多いようです。詳しくは、菩提寺か、菩提寺が同じ親戚、檀家総代に確認するとよいでしょう。         3-3状況によって渡すもの <御車代> 近郊であれば、5千円~1万円ぐらいが相場です。遠方から来ていただいた場合は、それに見合う金額にします。       <御膳料> 5千円~1万円ぐらいが目安です。※補足:僧侶が複数名の場合、御車代、御膳料は人数分の金額を用意し、全員分を一つの袋に入れます。       <式場使用料> お寺に相談してください。         3-4補足:お布施でダメな金額はある? 一般的に祝儀や香典では、偶数(割り切れる)、「4・9」(死・苦を連想させる)を忌み数として避ける慣習があります。お布施は感謝を伝えるものですので、これには該当しませんが、気になる方は避けるとよいでしょう。   もくじに戻る             4.お布施で準備するもの   4-1準備物の一覧 ◯お金◯奉書紙(ほうしょし)か封筒◯筆か筆ペン ◯袱紗(ふくさ)か切手盆(きってぼん)       <お金> 弔事では新札を避けますが、お布施は感謝の気持ちを伝えるものですので、新札でも構いません。汚れや傷みのひどいものは失礼にあたりますので使用を控えましょう。       <奉書紙か封筒> 「奉書紙」もしくは「封筒」にお金を入れてお渡しします。詳しくは4-2封筒の選び方を参照してください。       <筆か筆ペン> 薄墨ではなく、濃墨を使用します。ボールペンやサインペンは避けます。       <袱紗か切手盆> お布施を直接手渡しすることは失礼にあたりますので、袱紗か切手盆を使用します。◯袱紗お金が入った金封を渡す時に使う小さな風呂敷です。台付きのものや金封タイプのものもあります。◯切手盆金品を渡す時に使用する小さなお盆です。         4-2封筒の選び方 お布施を入れる袋は、次のいずれかです。   <奉書紙(ほうしょし、ほうしょがみ)> 奉書紙とは、白い厚手の和紙のことです。半紙でお札を包んで「中包み(内包み)」を作り、それを奉書紙でくるんだものは「外包み(上包み)」といいます。最近では、内包み用の封筒と、折りたたまれた外包みがセットになっているものが販売されており、便利です。       <封筒> 無地の白封筒です。◯郵便番号欄なしで、厚手のものを選びます。◯二重封筒は「不幸が重なる」を想起させますので避けます(別の封筒を使った中袋も不要)。◯葬儀の時は、葬儀社が用意してくれる場合もありますので確認してみましょう。       <不祝儀袋> 不祝儀袋は本来、お渡しする方にご不幸があった場合に使用するものですので、お布施を不祝儀袋に入れるのは失礼にあたる、とされています。しかし、文房具屋などには「御布施」と印刷された不祝儀袋も販売されています。もし不祝儀袋を使用する場合は、結び切りの白黒または銀の水引が一般的です(関西以西では黄白も使用)。   もくじに戻る             5.お布施(封筒)の書き方 奉書紙か縦長の封筒を使用しますので、すべて、縦書きで記載します。   5-1奉書紙の場合 <中包みの書き方> ■表側 ◯中央上:金額◯金額は「金××円也」と記載。金額の漢数字は旧字体。   ■裏側 ◯左下:郵便番号・住所・喪主の名前   ■参考:漢数字「一~十、千、万」の旧字体 一→壱二→弐三→参五→伍十→拾千→仟万→萬(四、六~九は新字体と同じ)       <外包みの書き方> ■表側 ◯中央上:御布施   ■裏側 (記載事項なし)         5-2封筒の場合 ■表側 ◯中央上:御布施◯中央下:喪主の氏名または苗字(○○家)   ■裏側 ◯左下:郵便番号・住所・金額         5-3補足:状況によって渡すもの 「御車代」「御膳料」「式場使用料」は、別々の封筒を用意し、名目を表書きします。その他の記載方法は、お布施と同じです。以下、封筒を使う場合の記載例です。   ○御車代   ○御膳料   ○式場使用料   もくじに戻る             6.お布施の入れ方・包み方   6-1奉書紙と半紙の包み方 まず、お札を中包みしてから、外包みをします。   <中包み> ①すべてのお札の向きを揃えます。②半紙を広げます。③お札の肖像画が上部になるように置きます。④半紙を折りたたみます。       <外包み> ①奉書紙の裏面(ざらざらした面)を拡げます(つるっとした方が表面)。②中包みの表面上部が上になるように置きます。③奉書紙を左、右、下、上の順に折りたたみます。         6-2封筒へのお札の入れ方 ①すべてのお札の向きを揃えます。②お札の肖像画が、封筒の表面の上部になるようにして入れます。         6-3袱紗を使ったお布施の包み方 お布施の準備が整ったら、袱紗で包むか、切手盆に載せます。いずれを使用しても構いませんが、切手盆ならお布施を載せるだけですので、袱紗よりも扱いやすいでしょう。葬儀の際は、葬儀社が切手盆を用意してくれることもありますので、確認してみましょう。ここでは、袱紗を使った包み方を説明します。   <風呂敷タイプ> ※留め具の付いた「爪付き」を例にします。   ①爪の部分が左にくるように袱紗を菱形に広げます。②お布施の表側上部を上にし、中心からやや右に置きます(台付き袱紗の場合は、台の上に置きます)。   ③「左開き(左が上)」となるように、右、下、上の順にたたみます。   ④袱紗の左を折り、端を裏側に回し、爪を留めます。   ※補足:台付き袱紗の場合、台の色が慶弔で異なる場合は、弔事用を表面にします。       <金封タイプ> ①袱紗の向きを、右側がポケット、左側を蓋にします。②お布施の表側上部を上にして、ポケットに挟みます。   もくじに戻る             7.お布施の渡し方   7-1渡すタイミング <通夜・葬儀の場合> 通夜や葬儀の開式前が多いようですが、式終了後にお渡しするケースや、葬儀の翌日以降、お寺へお礼に伺い、その時にお渡しすることもあります。       <法要の場合> 法要が始まる前か後のご挨拶時がよいでしょう。         7-2渡し方 <誰が渡すか?> ■通夜・葬儀の場合 「葬儀費用を負担する人」を「施主(せしゅ)」といい、本来は施主からのお渡しとなります。一般的には「遺族の代表」である「喪主」と施主は同じ方が務められることが多いですが、喪主と施主が異なる場合は、どちらからお渡ししても問題ありません。   ■法要 これといった決まりはありませんが、遺族の代表者からお渡しします。       <お布施の向きと重ね方> 御車代や御膳料と一緒に渡す場合は、お布施を一番上にして重ね、向きを揃えます。       <手順> ■袱紗を使用する場合 ①あらかじめ袱紗でお布施を包んでおき、持参します。②僧侶の前で、正座をして姿勢を正します。③挨拶をします。④僧侶の前で袱紗を開き、僧侶から見て表書きが正面になるように、右回りで袱紗の向きを変えます(お布施を回さない)。⑤袱紗を両手で差し出してお渡しします(台付き袱紗の場合は、台を外さない)。⑥僧侶がお布施を受け取られたら、袱紗を戻します。   ■切手盆を使用する場合 お布施を切手盆の上に載せて持参します。お渡しの手順は、袱紗と同じです。       <渡す際の言葉・挨拶> ■式・法要前 「この度の葬儀(法要)では、お世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。」   ■式・法要後 「本日はお勤めいただきありがとうございました。」など。   もくじに戻る             8.よくある質問 Q:お布施とお車代を別々にせず、一つに包んでもよいのでしょうか? A:別々にしなければならない決まりはありませんが、分けて包む方が丁寧でしょう。         Q:お布施は、相続税の控除対象になりますか? A:葬儀のお布施は控除対象ですが、法要のお布施(初七日法要も含む)は対象外です。この他にも控除対象になるもの、ならないものがあり、相続に関する手続は専門家にお任せした方が安心です。全国儀式サービスでは、相続に特化した専門家によるサポートをご提供しております。詳しくは家族のための相続手続をご参照ください。   もくじに戻る             9.まとめ:お布施はマナーを守り、感謝の気持ちをこめてお渡ししましょう ここまででお布施の意味、準備の仕方、渡し方などご理解いただけたと思います。とはいえ、葬儀で初めてお布施を渡す際には、やはり戸惑ったり緊張したりするかもしれません。そのような時、葬儀社からのきめ細かいフォローがあると安心です。全国儀式サービスでは、地元の慣習やお寺に詳しく、実績と信頼のある葬儀社をご紹介しております。お客様から葬儀社に対する感謝の声を多数いただいておりますので、以下に一部をご紹介いたします。   もくじに戻る             10.お客様の声 ※お客様アンケートからの抜粋です(読みやすくするため、一部表現を加筆・変更しています)。     「細かなことでも丁寧に教えてくれました。お布施を渡すタイミングを前もって教えてくれていましたが、当日良いタイミングで声を掛けてくれて、住職の所まで連れて行ってくれました」     「お寺のお布施に対する考え方や金額等、丁寧に教えていただきました」     「全日程すべてにおいて懇切丁寧に手配と説明してくださって、喪主他、一同感謝しております。お布施関連は、皆知識がなく、とても助けていただきました」     「お布施の準備にアドバイスをしてもらい、袋の手配や代筆をしてもらい助かりました」       全国儀式サービスでは、お客様にご満足いただける約500社の葬儀社をご紹介しています。24時間365日、葬儀のご依頼・ご相談を受け付けております。早朝・深夜、祝日・連休・年末年始も、気兼ねなくご連絡ください。     全国儀式サービス コールセンター■お電話0120-491-499(通話料・相談料・紹介料、無料)■メールお問い合わせページから相談する  

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葬儀後

2023年 09月 21日(木)

葬儀後の流れ-葬儀の事務の引き継ぎ、費用の精算、お礼の挨拶回りについて

2023年12月19日更新。葬儀後、数日中に行うことを解説します。葬儀は、周囲の方々の協力によって、執り行われるのが通常です。そのため、●葬儀の事務の引き継ぎ●お礼の挨拶回り●費用の支払いは滞りなく済ませることが大切です。一方、会社で忌引き休暇を取っている場合は日数が限られており、出来れば休暇の範囲で済ませたいと思う方が多いと思います。この記事では、喪主および遺族が行うことを順に紹介します。今後も変わらない「遺族への親しい交際・支援」をお願いするためにも、丁重そして円滑に行いましょう。         【もくじ】 1.葬儀の事務の引継ぎ 2.お手伝いいただいた方へのお礼の挨拶 3.僧侶へのお礼(御布施) 4.葬儀費用の精算 5.まとめ:協力に感謝しながら、しっかり行っていきましょう         1.葬儀の事務の引継ぎ   1-1相手の負担を考え、できるだけ早く 遺族は葬儀が済み次第、世話役や受付や会計などの各係を手伝ってくれた人から、事務や雑事の引き継ぎを受けます。香典を取り扱う関係上、最近では、通夜および葬儀・告別式の直後に、そのつど引き継ぐ場合が多くなっています。     <引き継ぎを行う人> 喪主または喪主に準じた人が行います。       <引き継ぐ内容> ○香典袋○香典帳○現金○葬儀の際に支出した領収書(ハイヤーの費用、返礼品の配送料など)⇒通夜、告別式の後につど引き継ぎます。   ○会葬者名簿、名刺○供物・供花記録帳○弔電○弔辞⇒係から葬儀社に預けておき、式場を後にする際に受け取ることが多いです。     遺族側の知らないうちに、お金を立て替えてもらっていることもあるので、よく尋ね、すぐに精算します。葬儀関係の支出には、必ず領収書をもらっておきます。         1-2世話役や各係にお礼を述べる 世話役や各係の方々には当日のうちに丁寧にお礼を述べましょう。通夜を行った場合であれば、各係の方の飲食物を、通夜振る舞いとは別に分けて用意しておくと良いです。中には忙しい方もいるので、飲食物の代わりに現金で「寸志or食事代」と書いて渡すのも良いです。     <補足:葬儀を手伝う主な係> ○受付係(親戚関係の担当することが多い)○会計係(親戚関係が担当することが多い)○返礼品係(会社関係が担当することが多い)○案内係 など詳細は喪主の決定と各係の役割をご参考ください。   もくじに戻る             2.お世話になった方へのお礼の挨拶   葬儀の際にお手伝いしていただいた方々へ、挨拶を行います。服装は、準喪服または略喪服を着用します。昔は、忌明けまで外出しないというしきたりがありましたが、現在では、そのようなことはないので、葬儀の翌日以降から挨拶回りを順次行っていきます。町内なら自治会長、勤務先なら代表者に挨拶して、菓子折りなどの手土産を持参するケースが多いようです。     ①近所への挨拶 ②葬儀委員長や世話役への挨拶 ③故人様の勤務先への挨拶 ④弔電をいただいた方への挨拶 ⑤その他の方への挨拶       2-1近所への挨拶 葬儀後、翌日に行うのが一般的で、喪主と遺族の二人でまわります。訪問時には2,000~3,000円程度の菓子折りなどを手土産として持参します。     <補足:手土産について> 手土産は、弔辞用に包装されたものを持参します。弔辞用の包装紙で包み、掛け紙は白黒の水引で結び切りにされたもの(印刷されたもの)を使用します。そして、水引より上には「志」、下には喪主の名前を記載します。         2-2葬儀委員長や世話役への挨拶 葬儀後、喪主と遺族代表が揃って、なるべく早く、お礼の挨拶に伺います。忙しい方が多いので、事前に電話でご都合を伺って行くようにします。目上の人にあたるため、準喪服を着用するのが望ましいです。お礼の品としては5,000~10,000円程度の品物が良いでしょう。         2-3故人様の勤務先への挨拶 故人様が現役だった場合には、勤務先には葬儀の際に何かとお世話になっていることが多いと思います。葬儀が終わったら、なるべく早く、ご挨拶に出向きます。なお会社へお礼に行く場合は、喪服(準喪服)で伺うと違和感が出てしまうので、略喪服(ダークスーツ)で着用するのが望ましいと思います。手土産も持参するのが一般的です。3,000~5,000円程度の菓子折り(中身は社内で分けられる個包装のもの)などが適しています。     <出向く前には必ず連絡を入れる> 出向く先が何箇所になるかも連絡前に確認しておきましょう。必ず電話をして、先方の都合を確認しておきます。仕事が取り込んでいる時などに突然出向くと、かえって迷惑になってしまいます。私物を持ち帰ることも伝えておきます。       <ロッカーや机などを整理する> 必要な物(私物)は、持ち帰ります。不要な物は、きちんとまとめた上で処分していただくようお願いします。社内で必要がありそうな物は、上司や同僚に見てもらって処理します。         2-4弔電をいただいた方への挨拶 本来は直接出向いてお礼を伝えますが、最近ではお礼状で挨拶することが一般的です。葬儀後、1週間以内を目安に行います。     <お礼状について> ○書 式 ・はがき ・白無地の便せんに白い封筒 ※弔事に適したデザインを選びます。 ※メールやメッセージアプリは避けます。   ○筆記具 ・筆、筆ペン、万年筆 ※薄墨を使用します。 ※ボールペンは避けます。 ※手書きにすることにより、お礼の気持ちがより伝わります。 ※弔電を多くいただいた場合は、パソコン等も活用します。   ○書き方 ・縦書きにする。 ・句読点は使わない。 ・忌み言葉を避ける。   ○文面 ・略式であることのお詫びを記載する。 ・差出人は喪主にする。 ※喪主との連名や親族一同の付記も可。         2-5その他の方への挨拶 <香典や供花・供物をいただいた方> 忌明け後(四十九日後)にお返しを行う時に、御礼の手紙を添えます。       <会葬者> 会葬礼状をお渡ししているので、あらためて挨拶は行いません。   もくじに戻る           3.僧侶へのお礼(御布施)   3-1御布施を渡すタイミング 僧侶に相談して決めるのが一般的ですが、大きく2つの場合があります。   ①通夜の時に渡す ⇒日頃お寺との付き合いがなく、臨時で依頼した場合などに多いようです。   ②葬儀終了時に渡す ⇒葬儀が終わり、僧侶がお帰りになる前にお渡しすることもあります。   ③葬儀後に渡す ⇒菩提寺の僧侶へお渡しする時は後日あらためてお寺に伺い、お渡しすることもあります。         3-2御布施の金額 御布施の金額は、渡す側の気持ちや信仰の度合いによって変わってきます。現在では、お寺に金額の規定がある場合が多いようなので、あらかじめ相談して金額を決めます。葬儀の打ち合わせ前に、僧侶に素直に相談してみましょう。また戒名のお礼も、この御布施に含めて渡します。ご先祖様がある場合は、戒名の位や字数は、ご先祖様に合わせることが通常です。         3-3御布施の包み方 市販の不祝儀袋に入れる場合は、白黒で結び切りになった水引の袋を用います。葬儀社が用意してくれる場合もありますので、尋ねてみても良いでしょう。表書きは「御布施」とします。「御経料」としてはいけません。またボールペンやマジックで書くのではなく、筆書きにします。筆ペンも可です。         3-4御布施の渡し方 きちんと正座して「ありがとうございました」と挨拶を述べながら、包みを小型のお盆に載せ、表書きが僧侶から見て正面になるようにして渡します。お盆も葬儀社が持っていますので確認しておきましょう。直接手渡しするのは失礼にあたるので避けましょう。         3-5補足:僧侶への御布施の種類 ○戒名を授けていただいたり、お経を読んでいただいたりした場合 ⇒「御布施」と表書きしてお渡しします。   ○お寺(の式場)を借りた場合(会場代) ⇒「式場使用料」と表書きしてお渡しします。規定料金がなければ、御布施に含めます。   ○お越しいただいた場合(交通費) ⇒「御車料」と表書きして、その都度お渡しします。   ○会食を辞退された場合(接待の代わり) ⇒「御膳料」と表書きして、その都度お渡しします。     御布施の詳細はお布施の準備-意味や相場、書き方・入れ方・渡し方をまとめて紹介をご参考ください。   もくじに戻る             4.葬儀費用の精算   4-1葬儀業者への支払い 葬儀が終わって、2~7日のうちに、葬儀業者から明細書と請求書が届きます。最初に受け取った見積書より、少し増えることがままあるようです(飲食代等の追加などのため)。見積書・明細書・請求書をよく照合して、不明な点がある時は、遠慮なく尋ね、納得がいくようにしてから支払います。なお支払時には領収書をもらいます。領収書は、市区町村の役場で葬祭費の請求を申請する際に必要になりますので、無くさないように保管しておきましょう。         4-2仕出し屋への支払い 通夜振る舞いや精進落としと言った飲食物でのもてなしに、仕出し屋などを利用した場合は、後払いのことが多いのが通常です。葬儀社の時と同様に、きちんと請求書をもらい、よく調べて疑問のないようにしてから支払い、領収書をもらいます。   もくじに戻る             5.まとめ:協力に感謝しながら、しっかり行っていきましょう   葬儀後1週間くらいまでに行うことをひと通り紹介してきました。葬儀を行うにあたり、多くの方の協力を得て実施できたことを、あらためて感じていただけたと思います。○葬儀の事務の引継ぎ○お世話になった方へのお礼の挨拶○僧侶へのお礼(御布施)○葬儀費用の精算協力いただいたことに感謝しながら、一つひとつ進めていくことが大切です。全国儀式サービスでは、サービスをご利用いただいた方全員に、「葬儀後の便利帳」を差し上げています。それも活用しながら、確実に行っていきましょう。       相続手続や遺品整理のご相談も・ご依頼も受け付けております。お困りの際はお気軽にご連絡ください。 全国儀式サービス コールセンター■お電話0120-204-122(通話料・相談料・紹介料、無料)■メールお問い合わせページから相談する   サービスの詳細は以下をご覧ください家族のための相続手続家族のための生前整理・遺品整理  

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葬儀後

2019年 11月 26日(火)

葬儀の香典返しについて-意味や贈る時期、相場や贈る際の注意点などを紹介

2023年12月19日更新。故人様の霊前に「香典」として金銭をいただいた場合、「香典返し」の品を贈ることが一般的です。本記事では、初めて香典返しを贈る方でも滞りなく手配できるように、◯いつ贈るのか◯相場◯贈り方◯贈る際の注意点について、◯仏式◯関東地方を例に説明します。香典返しの相場や贈るタイミングは、地域の慣習などによって異なるため、注意が必要です。         【もくじ】 1.香典返しとは  1-1香典返しの意味  1-2会葬返礼品との違い   2.香典返しを贈る時期  2-1忌明け(四十九日後)が一般的  2-2最近は即日返しも増加傾向  2-3神道・キリスト教の場合   3.香典返しの金額の相場  3-1半額(半返し)~3分の1が目安  3-2香典の額で3段階くらいに分ける  3-3高額の香典をいただいた場合   4.香典返しに何を贈ればよいか  4-1贈ると喜ばれるもの  4-2贈るとダメなもの   5.香典返しを贈る範囲と対応  5-1基本は香典をいただいた方全員  5-2香典返しリストを作成しておく  5-3会社や連名でいただいた方への対応   6.香典返しはどこで買えば良いか  6-1百貨店(デパート)  6-2専門店(ギフトショップ)  6-3郵便局  6-4ネット通販   7.香典返しを贈る際の注意点  7-1掛け紙(のし紙)  7-2挨拶状(お礼状)  7-3渡し方(送り方)   8.よくある質問   9.まとめ:香典返しは、地域の慣習を確認して手配しましょう         1.香典返しとは   1-1香典返しの意味 「香典返し」とは、香典へのお礼と、忌明けのご報告を兼ね、挨拶状を添えて返礼品を贈ることです。     <補足:忌明け(きあけ、いみあけ)> 故人様が無事に成仏したことを意味します。命日から七日間ごとに初七日、二七日…と数え、七回目を七七日、つまり四十九日が忌明けとされます。通常は、四十九日に忌明けの法要を行います。ただし、故人様が亡くなって三か月にまたがらないほうがよいとされ、三十五日を目安に行う場合もあります。忌明け法要をいつ行うかは、菩提寺に確認しましょう。         1-2会葬返礼品との違い <会葬返礼品とは> 通夜、葬儀・告別式に来ていただいた方へお礼として渡すものです。香典の有無は関係ありません。     <会葬返礼品と香典返しの混同に注意> 香典返しは、香典をいただいた方のみに贈るものです。もし葬儀当日に香典返しをする場合、会葬返礼品と混同しやすいので、注意が必要です。※当日の香典返し(即日返し)については、2-2最近は即日返しも増加傾向を参照してください。   もくじに戻る             2.香典返しを贈る時期   2-1忌明け(四十九日後)が一般的 葬儀の後でお贈りしますので、一般的には「後返し(あとがえし)」と呼ばれています。忌明けの報告を兼ねていますので、通常は忌明け後、速やかに、遅くとも1か月以内には贈るといいでしょう。         2-2最近は即日返しも増加傾向 通夜、葬儀・告別式の当日に香典返しを渡す「即日返し」が増えています。即返し(そくがえし)、当日返し(とうじつがえし)ともいいます。感謝の気持ちをその場で伝えられるとともに、後の商品の選定とお渡しにかかる負担が軽減されます。     <品物の金額> 香典の金額に関わらず、一律同じ品物を渡します。     <購入先> 短時間で大量の品物と挨拶状を用意することになりますので、葬儀社に依頼することがほとんどです。一般的には、品物を多めに用意し、余った分は葬儀社で引き取ってもらえることが多いようです。ご自身で手配すると返品対応ができないこともありますので、葬儀社に依頼する方がスムーズです。     <高額の香典をいただいた場合> 即日返しの品物がいただいた香典金額に見合わなかった場合は、忌明け後に改めて品物をお贈りするのもよいでしょう。         2-3神道・キリスト教の場合 「香典」は仏式用語ですので、他宗教には「香典返し」がありません。しかし、いただいた金銭へのお礼は、他宗教でも行われることが一般的です。お返しをする時期は下記の通りです。     <神道> 三十日祭、五十日祭の後     <キリスト教> キリスト教には忌明けという概念はありませんので、目安として考えてください。◯カトリック追悼ミサ(亡くなられてから30日目)の後◯プロテスタント記念式(亡くなられてから1か月目)の後   もくじに戻る             3.香典返しの金額の相場   3-1半額(半返し)~3分の1が目安 一般的には、半返しまたは三分返しといい、いただいた金額の半分から3分の1程度です。高額の場合は、3-3高額の香典をいただいた場合を参照してください。         3-2香典の額で3段階くらいに分ける 一般の会葬者からいただく香典は、5,000円~10,000円が多いようです。前後を含め、大きく3段階に分けると整理しやすいでしょう。     <香典の金額と、返礼品の目安> ①香典:5,000円未満→返礼品:1,000円~1,500円程度②香典:5,000円~10,000円まで→返礼品:2,000円~3,000円程度②香典:10,000円を超える→返礼品:香典の金額によって個別に決定以上はあくまでも一例です。地域の慣習や相手との関係性など、状況に応じて決めましょう。なお、連名や「一同」でいただいた香典は、一人あたりの金額に応じてお返しします。※詳しくは、5-3会社や連名でいただいた方への対応を参照してください。         3-3高額の香典をいただいた場合 親族や親しい方から、高額の香典をいただくことがあります。遺族へ援助の気持ちが込められている場合もあり、必ずしも「半分~3分の1のお返し」にこだわる必要はないと思われます。自筆の挨拶状(手紙)を添えたり、近くにお住まいの方には直接持参したりするなど、感謝の気持ちを伝えると丁寧です。   もくじに戻る             4.香典返しに何を贈ればよいか   4-1贈ると喜ばれるもの 実用的であり、「不幸が消えてなくなる」との意味で、消耗品を選ぶのが基本です。◯お茶、のり、お菓子などの食品◯タオル、石鹸、洗剤などの日用品◯カタログギフトなどがおすすめです。         4-2贈るとダメなもの <贈ってはいけないもの> ◯肉・魚類→仏教では、忌明けまでは肉や魚などを避ける風習があるため、お返しにも選ばない方がよいとされています。なお、カタログギフト内に肉・魚類の商品があっても、直接贈るものはカタログなので問題ないとされています。◯慶事に使われる食品(昆布、鰹節、お酒など)     <避けた方がいいもの> ◯日持ちの短いもの→先方の負担になる可能性があります。◯商品券・金券類→金額がわかるため、避けられることが多いようです。◯パッケージが慶事を想起させるもの→紅白、鶴亀、松竹梅などの絵柄は避けます。◯(即日返しの場合)大きいもの・重いもの→持ち帰り時の負担になります。   もくじに戻る             5.香典返しを贈る範囲と対応   5-1基本は香典をいただいた方全員 親族、一般の方を含め、香典をいただいた全員にお返しを贈るのが基本です。◯香典袋一封につき、一つお返しします。→夫婦、家族など、連名の場合もお返しは一つです。※会社名、友人などの連名の場合は、5-3会社や連名でいただいた方への対応を参照してください。         5-2香典返しリストを作成しておく 香典帳(記帳カード)をもとに、リストを手書きか、パソコンで作成します。   <リストに必要な項目> ◯住所◯氏名◯電話番号◯故人様・遺族との関係◯いただいた香典の金額◯返礼品のランク(品物) ※3-2香典の額で3段階くらいに分けるで決めたランク(品物)を記入◯返礼品の数量     <贈り先が多い場合> 品物を配送する場合、送り状の作成に使用しますので、パソコン(例:EXCELファイル)で作成するとよいでしょう。購入先がフォームを指定している場合もありますので、確認します。         5-3会社や連名でいただいた方への対応 <会社名でいただいた場合> 会社名でいただいた場合、お返しをしなくても問題はないとされています。社内規程で贈り物の受け取りが禁止されている会社もあります。     <会社名+役職者名でいただいた場合> 会社からなのか、個人からなのかによって異なります。個人からであれば、お返しをします。     <個人の連名、◯◯部一同などでいただいた場合> 職場の同僚などから、個人の連名や◯◯一同でいただく場合があります。一人あたりの金額が、相場とあまり変わらないようであれば、個別にお返しをするのが基本です。相場よりも少額であれば、お礼の気持ちとして、個包装のお菓子などを配るのもよいでしょう。   もくじに戻る             6.香典返しはどこで買えば良いか 実店舗(対面)か、インターネットで注文します。購入先を検討する際のポイントは○店舗が近くにあるか○誰に送るか○選ぶ時間があるか○品揃えはどうか○掛け紙や挨拶状のサポートがあるか○数量が多い場合の対応や送料はどうかなどです。相談しながら品物を選びたい方、ネットでの注文が不安な方は、実店舗の方が安心でしょう。     6-1百貨店(デパート) 店舗のギフトサロンで受け付けています。百貨店の包装紙は贈り先に好印象を与えるので、年配者や目上の方が多い場合に良いです。   <メリット> ○百貨店ならではのブランドや品揃え○専任のスタッフがいる     <デメリット> ○価格は、他購入先よりも高め         6-2専門店(ギフトショップ) 地域に根差した店舗が多いです。中には大手のギフト販売会社と提携している場合もあります。贈り先に地域の方が多い場合、最寄りの専門店であれば、地域の慣習に詳しく、安心でしょう。   <メリット> ○品数が豊富で、価格も割安なところが見受けられる○専任のスタッフがいる     <デメリット> ○店舗が近所に無い場合がある         6-3郵便局 窓口にカタログがあり、全国の郵便局で注文できます。最寄りに百貨店やギフト専門店がない地域の方には便利です。   <メリット> ○近所にある○誰もが知っているので安心感がある     <デメリット> ○品物を直接確認できない         6-4ネット通販 スマートフォンの普及もあって、現在では、百貨店、専門店、郵便局はもちろんさまざまな通販サイトがあります。店舗に足を運ぶことなく、また時間に関係なく注文できますので便利です。贈り先をエクセル等で管理している場合も、それを基に注文できます。   <メリット> ○都合の良い時間に選べる○店舗に行かずに選んで注文できる     <デメリット> ○品物を直接確認できない○スタッフに直接相談できない   もくじに戻る             7.香典返しを贈る際の注意点   7-1掛け紙(のし紙) 香典返しには、掛け紙を掛けます。「掛け紙」の水引と表書きは、宗教、地域によって異なります。     <水引> 「黒白」あるいは「黄白の結び切り」です。     <表書き> 宗教を問わず使えるのは「志」です。◯仏式では「満中陰志」「粗供養」を用いることもあります。◯水引の下に、喪家の姓か、喪主のフルネームを記載します。     <表書きの文字色> 薄墨です。     <「内掛け」か「外掛け」か> 箱に掛け紙をかけた後、包装紙で包むことを「内掛け」、包装紙の上から掛けることを「外掛け」といいます。香典返しでは、「内掛け(内のし)」が一般的です。控えめな気持ちを表すと言われています。※弔事においては正しい表現ではありませんが、掛け紙を内外どちらに掛けるかを「内のし」「外のし」と呼ぶことが多いです。香典返しの購入でネット通販を利用した際は「内のし」を選ぶようにしましょう。     <補足:「掛け紙」と「のし紙」の違い> 「掛け紙」のうち、「のし(あわび)」の印がついたものを「のし紙」といいます。のしは慶事と一般的な贈答に使用し、弔事と見舞いには使用しません。しかし、この違いを認識されないまま、掛け紙全般を「のし」「のし紙」と呼ぶ方が多くなっています。香典返しは弔事における贈り物のため、正しくは「掛け紙」と呼びます。         7-2挨拶状(お礼状) 香典返しの品物には、挨拶状(お礼状)を添えます。通常、購入先で作成してもらえます。   <挨拶状の作成費用> 雛形の文面であれば無料が多いようです。オーダー内容によっては有料の場合もありますので、確認してください。     <挨拶状で伝えること> ◯会葬、香典へのお礼◯無事に忌明けを迎えたこと◯香典返しの品を贈ること購入先に、一般的な文例が用意されていますので、利用するとよいでしょう。     <作成に必要な情報> ◯故人様の俗名 ※戒名も記入する場合があります。◯忌日:七七日(四十九日)もしくは五七日(三十五日)の日◯喪主様の名前     <自分で文面を作成する際の注意点> ◯時候の挨拶は不要◯句読点は使用しない◯忌み言葉を使用しない→「ますます」「いよいよ」「たびたび」などの重ね言葉、「四」「九」「苦しむ」「死亡」などを避けます。     <挨拶状の文例> 謹啓 先般 父 ○○○○永眠の際には御多忙にかかわらず 御鄭重なる御弔意と御香志を賜り御芳情の程誠に有難く厚く御礼申し上げます本日七七日忌法要を相営みお陰様を持ちまして諸式滞りなく済みました  つきましては心ばかりの粗品をお届けさせていただきましたので御受納いただければ幸甚に存じます早速参上いたし御礼申し上げるべきところ略儀ながら書中を持ちまして御挨拶申し上げます敬具令和◯◯年◯◯月◯◯日儀式 太郎     ◯奉書封筒の場合     ◯縦型カードの場合       7-3渡し方(送り方) 以前は遠方を除き、持参が基本でした。現在は、配送(郵送)でお届けすることがほとんどですが、直接お礼を伝えたい方、職場や近所の方には持参してもよいでしょう。     <配送時の差出人名> 通常、配送伝票の差出人名は喪主様の名前です。しかし、家族・親族の関係者にお送りする場合など、喪主様の名前では誰から届いたのかわからないおそれがあります。その場合は、次のいずれかにします。◯差出人名を本人にする◯喪主名の横に本人名を加筆する また、◯同封の挨拶状にメッセージを添え書き◯別途、挨拶状を送付なども丁寧でしょう。   もくじに戻る             8.よくある質問 Q:香典返しを辞退された方には、どう対応すればよいでしょうか? A:さまざまな理由、配慮から、香典返しを辞退された方には、お贈りしなくても問題ないとされています。忌明け後に、挨拶状でお礼を伝えます。         Q:多忙で香典返しを贈れませんでした(香典返しを贈り忘れた)。どう対応すればよいでしょうか? A:香典返しは、忌明け後、速やかに贈ることが望ましいとされています。忌明け後、おおむね1か月を経過した場合は、初盆や彼岸などに、遅れたお詫びの言葉を添えてお贈りするとよいでしょう。         Q:故人の遺志で香典を慈善団体に寄付しました。どう対応すればよいでしょうか? A:香典返しは贈らないことが多いようです。葬儀でお配りする会葬礼状、あるいは忌明け後の挨拶状でその旨をお伝えしましょう。         Q:香典の金額が3,000円の方にもカタログギフトを贈るか悩んでいます。 A:一般的に、カタログギフトは商品代の他にシステム利用料がかかります。このため、3,000円の香典に半返し相当のカタログでは、実際の品物がかなり廉価か少量になります。もちろんカタログギフトを贈っても構いませんが、品物を選ぶ方がよいかもしれません。   もくじに戻る             9.まとめ:香典返しは、地域の慣習を確認して手配しましょう 香典返しの贈り方、贈る際の注意点などについて、お話してきました。     <ポイント> ◯「香典返し」とは、香典へのお礼と、無事に忌明けしたご報告として品物を贈ること。◯一般的には配送で後返し。即日返しも増えている。◯香典の金額の「半返し~3分の1」が目安。◯ふさわしい品物・避ける品物がある。◯挨拶状を添える。     香典返しは地域差が大きいので、葬儀社と葬儀内容の打ち合わせ時に、地域の慣習をよく確認しておきましょう。     全国儀式サービスの加盟葬儀社は約500社、誠実で安心してお任せできる葬儀社のみ契約しています。30年以上に渡り、12万件以上のお客様にご利用いただいております(2023年3月現在)。24時間365日、葬儀のご依頼・ご相談を受け付けております。早朝・深夜、祝日・連休・年末年始も、気兼ねなくご連絡ください。     全国儀式サービス コールセンター■お電話0120-491-499(通話料・相談料・紹介料、無料)■メールお問い合わせページから相談する      

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葬儀後

2020年 01月 27日(月)

忌中(きちゅう)と喪中(もちゅう)について

2023年12月19日更新。人が亡くなり葬儀を終えた後も、遺族には「忌中」や「喪中」、「満中陰」などのしきたりがあります。よく耳にする言葉ですが、実際はどのようなものなので、何をしたら良いのでしょうか。ここでは基本的なことをご説明します。【もくじ】 ・忌日と満中陰 ・喪中の期間と範囲   忌日と満中陰 仏教では故人が亡くなった日を命日や忌日(きにち/きじつ)といい、四十九日を満中陰(まんちゅういん)といいます。故人の魂は、死後七週にわたって「生」とも「死」ともつかない「中有(ちゅうう)・中陰(ちゅういん)」の状態に置かれ、この間、故人の魂は荒魂、つまり死という新しい環境に初めて入ったばかりの不安と緊張と動揺の中で、非常に不安定な状態になっています。そのため、適切な世話と指導が不可欠になり、遺族は故人の魂の世話に専念する特別猶予を社会から与えられます。それが「忌中」です。七日参り毎に、故人の冥福を祈るとともに、遺族も故人への執着を徐々に絶ちながら悲嘆を軽減していきます。   喪中の期間と範囲 「喪に服す」との言葉がありますが、かつては家族や親戚を失った遺族が悲しみや悲嘆から立ち直るために一定期間を喪中と定め、それを公にしていました。これは明治時代の太政官布告によるもので、昭和22年には撤廃されていますが、その時の慣習が今日まで残っています。それによると「父母と夫」を亡くした場合の喪中の期間が最も長く、1年間(13か月)とされています。「妻や子」は90日、「父方の祖父母」は150日、「母方の祖父母」は90日などとされていました。今日では社会生活の変化や、世代によっても意識に差がありますが、親等で関係性を見ると「夫・妻:0親等」、「父母・配偶者の父母・子供:1親等」、「自分の兄弟姉妹・兄弟姉妹の配偶者・祖父母・孫・配偶者の兄弟姉妹・兄弟姉妹の配偶者・配偶者の祖父母:2親等」となり、一般的には2親等までを喪中とすることが多いようです。 身内に不幸があった際には喪中はがきを出しますが、2親等はあくまでも目安とし、故人との関係の深さや同居の有無を考慮して判断します。また、送り先についてもこれまでのお付き合いや相手との関係性によって判断します。   年賀欠礼状(喪中はがき) 喪中は年賀状を出さないのがしきたりです。毎年出している相手には、12月10日ごろまでに届くように「年賀欠礼」のあいさつ状を出します。 最近は、故人との関係が2親等以上(祖父母・兄弟姉妹・孫)で別所帯の場合は、例年通りに年賀状を出すこともあるようです。「年賀欠礼状」を出さずに年賀状を受け取った場合は、寒中見舞いを兼ねて喪中であることを書き添えます。 見本パターン① 見本パターン②

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葬儀後

2019年 12月 13日(金)

位牌の準備-いつまでに必要?どのように作る?意味や種類、選び方も紹介

2023年12月19日更新。「位牌」には本位牌と白木位牌がありますが、一般的には仏壇に納める黒い位牌をイメージされる方が多いかと思います。これを「本位牌(ほんいはい)」といいます。本位牌は通常、葬儀後に遺族が準備しますが、何かと慌ただしく、思いのほか時間がありませんので、早めに着手した方が安心です。本記事では、位牌を初めて手配する方でもわかるように、◯位牌の意味や種類◯本位牌の選び方◯注文方法等、詳しく説明していきます。         【もくじ】 1.位牌とは  1-1位牌の意味  1-2位牌の役割  1-3葬儀後に本位牌を準備する理由  1-4四十九日法要までに本位牌を準備   2.本位牌の準備の流れ   3.菩提寺に相談する   4.自宅の仏壇・先祖の位牌を確認する  4-1サイズ  4-2デザイン  4-3宗派・記載内容   5.本位牌の内容を検討する  5-1本位牌の種類  5-2本位牌への文字入れ方法   6.本位牌を作る  6-1依頼先  6-2依頼内容  6-3依頼時の注意点   7.位牌の魂入れをしてもらう  7-1魂入れ(開眼供養)について  7-2魂入れのお布施の金額は菩提寺に相談  7-3お布施の準備と渡し方   8.宗派別戒名の書き方   9.よくある質問   10.まとめ:本位牌は、四十九日法要に間に合うよう早めに手配しましょう         1.位牌とは   1-1位牌の意味 「位牌」の読み方は、「いはい」です。供養のために、自宅の仏壇やお寺に安置する木製の札のことを言います。位牌には、故人様の戒名、生前のお名前、命日、年齢が記載されています。なお、神道では位牌に相当する「霊璽(れいじ)」がありますが、キリスト教には同様のものはありません。         1-2位牌の役割 位牌は、故人様の供養のため安置され、魂が宿るものと考えられています。役割に応じて「白木位牌(しらきいはい)」「本位牌(ほんいはい)」があります。   <白木位牌> 葬儀を行うときや、四十九日までの間に遺骨と一緒に安置される白木でできた仮の位牌です。この白木位牌は葬儀社がお寺に届けたり、お寺にある物を使用したりしますので、遺族が直接買うことはほぼありません。僧侶が筆で戒名などを記す場合と、戒名紙という紙に戒名を記し、その紙を貼る場合があります。     <本位牌> 仏壇に安置するための位牌です。四十九日法要の際に、僧侶に魂入れ(たましいいれ)をしていただき、本位牌が仏壇に納められます。本記事ではこの本位牌の手配について説明を進めていきます。         1-3葬儀後に本位牌を準備する理由 1-2位牌の役割で紹介したとおり、白木位牌は仮の位牌です。位牌は長くお祀りするものなので、変色や変形の可能性もある白木位牌のままではなく、本位牌に切り替える必要があります。         1-4四十九日法要までに本位牌を準備 葬儀後の慌ただしい中、四十九日法要の準備と並行して進めていくことになります。本位牌は作成までに2週間程度かかることが多いので、法要の日程から逆算して早めに注文しておく必要があります。もし間に合わない場合は9.よくある質問を参考にしてください。   もくじに戻る             2.本位牌の準備の流れ 本位牌は下記の流れで準備します。   ①菩提寺に相談する ②自宅の仏壇・先祖の位牌を確認する ③本位牌の内容を検討する ④本位牌を作る ⑤位牌の魂入れをしてもらう ⑥自宅の仏壇に安置する   次章から流れに沿って順に説明します。   もくじに戻る             3.菩提寺に相談する 菩提寺と四十九日法要の打合せの際に、本位牌の手配についても併せて相談しましょう。地域や菩提寺によっては、菩提寺に依頼して作る場合もあります。遺族自身で手配する場合は、本位牌に記載する内容も確認します。※菩提寺がない場合~葬儀を依頼した寺院もしくは葬儀社に相談するといいでしょう。   もくじに戻る             4.自宅の仏壇・先祖の位牌を確認する 時間の無い中で準備をするため、参考にできるものがあると、安心・円滑に進められます。全体像や文字部分など、写真を撮影しておくと検討・購入する際に役立ちます。   4-1サイズ <総丈を参考にする> 既にある位牌の総丈(接地面からの高さ)を参考に決めます。札丈が同じでも、台座の高さによって総高が異なるためです。総丈の高さから逆算して札丈を決めるといいでしょう。また、下記の点も考慮します。◯仏壇(の位牌を安置するスペース)に収まるサイズにする。 ※通常、上から二段目の左右のスペースが該当します。◯御本尊より小さいサイズにする。◯先祖の位牌と同等以下のサイズにする。     <注文は札丈のサイズで> 注文時は、サイズを「寸」(1寸=約3cm)もしくは「号」」で指定します。この「寸」「号」で表記されるのは札丈であり、総丈ではないことに注意しましょう。なお、カタログ等でサイズを総丈で記載されるときには「cm」で表示されることも多いようです。         4-2デザイン 先祖の位牌と一緒に安置するため、調和したものを選べるよう材質や加工方法、デザインを確認しておきます。5-1本位牌の種類も参照してください。         4-3宗派・記載内容 宗派によって記載する内容が異なります。確認しておくと、位牌の記載内容を指定する際に、安心して進められます。   ①梵字・冠字 <梵字(ぼんじ)> 宗派の本尊を表します。     <冠字(かんむりじ)> 宗派を示す文字です。「妙法」「法名」「空」など。       ②戒名 寺院より授かった仏教徒としての名前です。詳しくは、戒名とは|いつまでにどうやって付けてもらう?意味や構成、宗派ごとの違いも紹介を参照してください。     <補足1:「置き字」について> 白木位牌の戒名の下には「霊位」という置き字が記載されていることがあります。本位牌では記さないか、「位」のみ記すことが一般的です。置き字を記すかどうかは菩提寺にご確認ください。もし戒名がない場合は、俗名の下に「之霊位」と入れることが一般的です。     <補足2:白木位牌のみに記載する文字> 葬儀の際に使用する白木位牌には、戒名の上に、「新帰元」「新円寂」といった文字がつくことがあります。これは新しく仏になったことを表す文字で、本位牌には記載しません。       ③俗名(ぞくみょう・ぞくめい) 生前の名前です。       ④命日 お亡くなりになった日です。       ⑤享年(きょうねん) 人が天から享けた(うけた)年齢です。この世で修行した年数で示す「行年(ぎょうねん・こうねん)」で記載する場合もあります。享年・行年のいずれを使うのか、年齢表記を数え年か満年齢にするか、などは白木位牌に書かれている内容に合わせるのが一般的です。不明な点などがあれば、戒名を授けていただいた寺院に確認するといいでしょう。     <補足:浄土真宗の場合> 基本的に位牌を作成しません。亡くなったらすぐに成仏するため、故人様の魂が位牌に宿るとは考えられていないからです。法名軸や過去帳という帳簿に記し、それを仏壇に納めます。   もくじに戻る             5.本位牌の内容を検討する   5-1本位牌の種類 ①札位牌 通常、仏壇の中で見る本位牌は「札位牌(ふだいはい)」といい、位牌一つに一人の戒名が書かれたものです。札位牌の種類には、主に次の3種類があります。   <塗位牌(ぬりいはい)> 白木に漆を何度も塗り、金箔などで飾りをつけています。漆を重ねた回数が多いほど高級で、劣化しにくくなっています。位牌と聞いて一般的にイメージするのはこの塗位牌ではないでしょうか。       <唐木位牌(からきいはい)> 黒檀や紫檀といった高級木材に、透き漆という半透明の漆を重ねて塗った物で、木目の美しさを強調した位牌です。       <モダン位牌> 先の2つの伝統的な位牌とは異なる素材・製法で作成された位牌です。木材だけでなく、石材・ガラス材・樹脂・陶器など様々な素材が使われ、形も多種多様です。また、蒔絵が入ったり、ガラス製で透き通っていたりと、デザイン性を重視した物が多いです。色合いも黒や茶だけでなく、青・白・赤など従来の位牌にはなかった色合いの物が作られています。       <補足1:位牌の台座に種類がある> 位牌の形状には、「春日型(かすががた)」「勝美型(かつみがた)」「角切葵(すみきりあおい)型」等があります。       <補足2:夫婦位牌(めおといはい)> 一つの位牌で一人の方を祀るのが基本ですが、夫婦位牌という形式で夫婦二人を祀ることもできます。一つの札位牌に夫婦二人の戒名・命日を記します。夫婦位牌を作るときには、亡くなられている人の名前を記し、存命の人の名前は記さず空白にしておきます。       ②複数の方を祀る場合の位牌 仏壇の「位牌を安置するスペース」には限りがあるため、先祖の位牌の数が多くなると、置けなくなってしまいます。一つの位牌に複数の方を祀る形として、回出位牌、過去帳があります。     <回出位牌(くりだしいはい)> 先祖の位牌をまとめて一つの位牌にする方法です。位牌の中に戒名や命日を記した板を納める形式の位牌です。中の板を命日の日付順に並べ、命日が過ぎたらその板を後ろに入れ、次に命日が近い板の名前が前面に出るようにする、という使い方をします。もしくは、前面には「〇〇家先祖代々之霊」と書かれた板を入れておき、法要の時だけその板を前面に出すという使い方をする家庭もあります。     <過去帳> 戒名・命日・年齢・俗名などを記した帳簿で、仏壇に納めます。         5-2本位牌への文字入れ方法 文字入れの方法を指定します。     <「彫り」か「書き」> ◯「彫り」:文字を彫った後に色を入れます。◯「書き」:文字を書き入れます。     <「機械」か「(人の)手作業」> 時間を要する手作業の方が料金も高くなるため、「機械彫り」「機械書き」が多くなっています。   もくじに戻る             6.本位牌を作る   6-1依頼先 基本的には仏壇・仏具店に依頼し作ってもらいます。仏壇・仏具店の実店舗のほか、インターネット通販サイトからも可能です。     <補足:初めて仏壇、位牌を購入する場合> 宗派のご本尊、仏具も必要になります。相談しながらまとめて手配できますので、実店舗での購入が無難でしょう。         6-2依頼内容 販売店では所定のフォームが用意されていることが多いので、それに従い必要事項を記入します。   <位牌のサイズ> 4-1サイズで決めた札板のサイズを寸(号)で指定します。     <素材とデザイン> 販売店では、位牌の見本、カタログを用意しています。その中から、希望する素材、加工方法、デザインを選択します。     <文字入れの字体(フォント)と加工方法> ◯字体:伝統的な書体、明朝体などから選びます。◯文字入れの方法:「彫り」か「書き」、「機械」か「(人の)手作業」を指定します。◯文字の色:金、白が多いです。なお、文字入れの料金は位牌の価格に含む場合と別途必要な場合があります。     <記載事項・レイアウト> ■1名用の場合(例) 4-3宗派・記載内容で確認したことをもとに、位牌への記載内容とその位置を指定します。①梵字・冠文字(あれば)②戒名③俗名④命日⑤年齢(享年もしくは行年)白木位牌や先祖の位牌など参考にする位牌がある場合は、画像もあるといいでしょう。         6-3依頼時の注意点 納品までの所要期間を確認した上で、依頼しましょう。   <補足:インターネットで注文時の注意点> ◯旧字・外字の入力に注意入力の仕方がわからない場合は、手書きか、文字がわかるものを画像で送付します。◯販売店からの連絡を確認する注文後、原稿の確認依頼があります。修正の有無を速やかに返信しましょう。位牌ができあがったら、依頼内容通りに仕上がっているかを確認し、四十九日法要を待ちます。   もくじに戻る             7.位牌の魂入れをしてもらう   7-1魂入れ(開眼供養)について 四十九日には「魂入れ(たましいいれ)」あるいは「開眼供養(かいげんくよう)」と呼ばれる儀式が行われ、白木位牌から本位牌に魂を移します。魂入れには、お布施をお渡しします。四十九日法要のお布施と一緒にしてお渡しすることが多いです。法事(法要)の準備は?意味や流れ、お供え物・お布施・服装・挨拶などを紹介もご参考ください。   <補足:仏壇の魂入れ> 自宅に仏壇がなく、新たに購入して位牌を納める場合は、仏壇の魂入れのお布施も準備します。         7-2魂入れのお布施の金額は菩提寺に相談 位牌の魂入れのみは、お布施の金額は1万〜5万円程度と言われていますが、菩提寺に相談しましょう。         7-3お布施の準備と渡し方 下記のように準備し、お渡しします。   <袋> ◯奉書紙か白封筒に入れます。奉書紙の場合はお金を半紙で包みます。◯薄墨ではなく濃墨の筆か筆ペンで、「御布施」と表書きします。     <お金の入れ方> ◯お札の肖像画が袋の表面の上側に来るように入れます。◯袱紗(ふくさ)か、切手盆(きってぼん)に乗せます。※袱紗:お金が入った金封を渡すときに使う小さな風呂敷※切手盆:金品を渡すときに使用する小さなお盆     <お渡しするタイミング> 法要が始まる前か後のご挨拶時がいいでしょう。   もくじに戻る             8.宗派別戒名の書き方 詳しくは、戒名とは|いつまでにどうやって付けてもらう?意味や構成、宗派ごとの違いも紹介を参照してください。   もくじに戻る             9.よくある質問 Q:四十九日法要までに間に合わない場合はどうしたらいいですか? A:菩提寺(四十九日法要をお願いする寺院)に相談しましょう。一周忌など次の法要の際に魂入れを行っていただくこともできるようです。         Q:位牌を自宅に安置できない(仏壇を置く場所がない)場合はどうしたらよいですか? A:お寺に預ける「寺位牌(てらいはい)」という方法があります。位牌の詳細、お預けする際のお布施などは菩提寺にご相談の上、位牌を手配します。         Q:かなり前の先祖の位牌があるのですが、処分してもいいのでしょうか? A:基本的には三十三回忌や五十回忌などで「弔い上げ(とむらいあげ)」といって、個人としての供養を終了します。弔い上げされた方は「〇〇家先祖代々」として先祖位牌を作成して供養する方法と、回出位牌にするという方法があります。いずれかの位牌へ魂を移すことができます。菩提寺には、魂の移し替えと古い札位牌のお焚き上げをお願いします。位牌に記載されていた戒名や俗名等の情報は、過去帳に記すといいでしょう。   もくじに戻る             10.まとめ:本位牌は、四十九日法要に間に合うよう早めに手配しましょう ここまで、位牌の意味、本位牌の手配方法などについてお話してきました。   <ポイント> ◯四十九日を境に替えるのが望ましい。◯仏壇に納める「本位牌」は遺族が用意する。◯菩提寺に四十九日法要の相談の際に位牌のことも併せて確認する。◯先祖の位牌を参考にするとよい。◯購入先は、仏壇・仏具店の店舗、インターネット通販など。○白木位牌から本位牌に入れ替える際は、魂入れを行ってもらう。◯間に合わない場合は菩提寺に相談する。本位牌の準備も四十九日法要も滞りなく済ませ、忌明け後は故人様を仏壇内で長く大切にお祀りできるようにしましょう。      

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葬儀後

2019年 11月 21日(木)

法事(法要)の準備は?意味や流れ、お供え物・お布施・服装・挨拶などを紹介

2023年12月19日更新。この記事では法要・法事の基本的な知識と、当日の流れや準備全般を項目ごとに紹介しています。「法要の準備」の項目では、スケジュールを具体的に示していますので、記載の流れに沿って準備を進めるだけで順序よく法要・法事を整えられます。チェックリストとしてもご活用ください。         【もくじ】 1.法要・法事とは 2.法要の種類 3.法要・法事の当日の流れ 4.法要・法事の準備 5.法要・法事の挨拶例 6.宗教の違いによる法要の違い 7.まとめ:法要の準備はできる限り早めに余裕を持って進めましょう         1.法要・法事とは 1-1法要の意味 法要とは故人の冥福を祈るために命日に行われる儀式をいいます。法要では僧侶を招いてお経をあげていただき、遺族や親族、友人・知人で焼香します。         1-2法要と法事の違い <違いは「会食の有無」> 法要の後に会食の席を設けると「法事」になります。会食には、故人様を偲ぶと共にお世話になった方をもてなす役割があります。       <「会食の有無」の判断について> 会食の有無の判断は施主に一任されており、特に決まりはありませんが、四十九日や一周忌、三回忌といった重要とされる法要では、会食の席を設けるケースがほとんどです。一方で、近頃では新型コロナウイルス感染防止が優先され、会食を行わないケースやお持ち帰りのお膳(お弁当)で対応することも増えています。   もくじに戻る             2.法要の種類 2-1大別して4つの法要がある <①忌日法要> 亡くなった日から数えて7日ごとに行う法要です。死者は死亡した日を1日目として、7日ごとに7回、生前の罪状などを裁く審判があり、すべての審判が終わった後に成仏するとされています。その審判を少しでも良くしていただくために行うものとされています。そのため、忌日法要は追善供養とも呼ばれます。※浄土真宗を除く。     ○初七日法要(7日目 しょなのか)○二七日法要(14日目 ふたなのか)○三七日法要(21日目 みなのか)○四七日法要(28日目 よなのか)○五七日法要(35日目 いつなのか)○六七日法要(42日目 むなのか)○七七日法要(49日目 なななのか)=四十九日法要○百箇日法要(100日目 ひゃっかにち)     初七日は葬儀と日が近いため、葬儀当日に遺骨迎えの法要と一緒に済ませることが多くなっています。また初七日と四十九日以外は、遺族で済ませることが多いようです。本来は僧侶を招いて行いますが、最近は省略して、家族だけで済ませることが多くなりました。       <②祥月命日> 亡くなった日と同じ月日に行う法要です。三回忌などの「年忌法要」以外にも、祥月命日にあたる日は、内輪で供養を行います。最初の祥月命日にあたる一周忌は大切な法要となります(後述)。       <③年忌法要(年回法要)> 祥月命日の中でも特定の年に行う法要です。亡くなった日を1回目として、「3」と「7」の回にあたる年に行うのが一般的です(宗派によって異なります)。「故人様のことを心に刻むため」、また「子孫へと繋がる結束を固めるため」に行います。     亡くなった日を1回目の命日として、○三回忌(3回目)○七回忌(7回目)○十三回忌(13回目)○十七回忌(17回目)○二十三回忌(23回目)○二十七回忌(27回目)○三十三回忌(33回目)     「十三回忌まで」もしくは「三十三回忌まで」法要を行うことが一般的です。三十三回忌が終わると「年忌明け」といい弔い上げが行われます。       <④月忌法要> 毎月、亡くなった日と同じ日に行う法要です。家によって、僧侶に読経してもらったり、仏壇に故人様の好物などを供えたりします。         2-2親族や知人を招く主な法要 特に重要とされている法要は、○四十九日法要(忌明け法要)○一周忌○三回忌です。これらの法要は親族以外に友人・知人を招いて執り行います。法要は回数を重ねるにつれ、遺族だけの集まりとなっていくのが一般的です。       <四十九日法要> 四十九日法要は、前述のように7回目の審判が終わり、故人様の魂が成仏するため、大切な法要となります。この日はご遺族にとって忌明けとなります。親族や友人知人を招いて僧侶に読経をあげていただき、忌明けの宴を催します。四十九日法要では、仮位牌から本位牌に変える「位牌の開眼供養」も一緒に執り行います。同時に初めて仏壇を用意するのであれば、「仏壇及びご本尊の開眼供養」も執り行います。       <一周忌> 亡くなった翌年の命日を一周忌といいます。この日は、最初の祥月命日にあたると共に、ご遺族にとって喪が明ける節目の日となります。親族や友人知人を招いて僧侶に読経をあげていただき、喪明けの宴を催します。       <三回忌> 亡くなった日を1回目として、3回目の命日(2年後の命日)に執り行います。初七日から始まり四十九日・百か日・一周忌・三回忌と合計10回の裁きがあり、三回忌で来世における道が決まる大切な法要です。三回忌より回忌という数え方になりますので、ご注意ください。やはり同様に親族や友人知人を招いて僧侶に読経をあげていただき、法要後に宴を催します。         2-3法要の数え方 忌日法要は、亡くなった日を1日目と数えて7日ごとに行われます。年忌法要は、亡くなった日を1回目と数えて行われます。前述したように「3」と「7」回にあたる年に行うのが一般的です(宗派によって異なります)。   もくじに戻る             3.法要・法事の当日の流れ 3-1法要の流れ ①参列者着席②僧侶入場③読経④焼香⑤法話⑥僧侶退場⑦施主挨拶⑧お墓参り(もしくは納骨式) ※⑥と⑦は前後します。※⑧は法要の会場が寺院の場合。         3-2会食の流れ ①施主開催の挨拶②献杯③会食④引出物を渡す⑤散会の挨拶         3-3法事の流れ 「法要の流れ」と「会食の流れ」を合わせたものになります。   もくじに戻る             4.法要・法事の準備 法要の準備は2カ月ほど前から始めます。準備の流れは毎回同じ手順です。ただし四十九日の法要は、準備期間が1ヶ月半ほどのため葬儀の直後から準備を始めます。   【開催日の2ヶ月前】 ①施主(主催者)の決定 ②開催候補日の選定 ③僧侶との打ち合わせ、日程の決定 ④予算の決定 ⑤参列者の選定 ⑥会場の手配 ⑦会席料理の手配     【開催日の1ヶ月半前】 ⑧案内状の準備と発送     【開催日の1ヶ月前】 ⑨参列者の決定 ⑩交通手段の確認と宿泊手配 ⑪引出物の手配 ⑫会席料理の数の確定 ⑬卒塔婆の建立者リストの作成 ⑭卒塔婆の依頼     【開催日の2~3週間前】 ⑮供花や供物の手配 ⑯会食の席順を決める ⑰喪服の準備     【開催日の1週間前】 ⑱お布施の準備     【開催日前日】 ⑲当日持参するものの準備         4-1【開催日の2ヶ月前】 ①施主(主催者)の決定 一般的には、葬儀の時に喪主になった方、あるいは故人様に最も血縁の近い方が施主になります。       ②開催候補日の選定 法要は命日の当日に執り行うのが好ましいとされています。命日に営めない場合は、多少早めても構いません。少なくとも命日より遅らせないようにします。招待者が多い場合は、命日より前の土日祭日を選ぶようにすると参加しやすくなります。法要の候補日が決まりしだい菩提寺に連絡して相談しましょう。       ③僧侶との打ち合わせ日程の決定 打ち合わせの際は、 ○日時○当日いらっしゃる僧侶の人数○送迎方法(会場が菩提寺以外の場合)○会食の参加の有無○お布施の金額○卒塔婆(そとば)の申込方法や費用 などを聞いておきます。菩提寺での法要を希望する場合は、打ち合わせの際など早いタイミングでおさえておくことをおすすめします。土日祭日は他の檀家の法要も多く、菩提寺の予約が埋まりやすい傾向にあります。ちなみに故人にお経を捧げるという考え方のない浄土真宗では卒塔婆を立てません。       ④予算の決定 <法要の主な費用> ○僧侶へのお布施○会場費○会食の料理○供物○引出物(お返し)○案内状(返信用はがき付き)・郵送費       ⑤参列者の選定 四十九日や一周忌・三回忌までは、親族の他、故人と深いお付き合いのあった友人・知人にも声をかけるのが一般的です。高齢な方で法事には来られないと予想される場合も、一旦はお誘いするのがマナーです。       ⑥会場の手配 法事を執り行う場所は○菩提寺○自宅○葬儀社の直営斎場○ホテル・仕出し料理店などがあります。それぞれに条件の長所・短所がありますので招待者の範囲や人数を踏まえて検討しましょう。       <菩提寺> 会場費 :有料広さ  :広いアクセス:立地による設備  :揃っている予約  :必要会食  :寺院内、または移動して料理屋段取り :菩提寺と相談して進める 菩提寺があって、納骨も行う場合(四十九日法要など)には、移動が少なくて済みます。また菩提寺で行うため、僧侶の御車代も不要です。納骨の為の石材店との打合せが必要です。       <自宅> 会場費 :無料広さ  :他と比べて狭いアクセス:立地による設備  :駐車場等揃っていない場合が多い予約  :不要会食  :自宅または料理屋で行う段取り :準備や備品の用意、片付けは自分で行う。 少人数で行う場合に適しています。また高齢者や小さな子供がいる場合に、周囲に気を遣うことが少なくて済みます。一方で自分で行うことが多くなるため、手間がかかります。       <葬儀社の直営斎場> 会場費 :有料広さ  :広いアクセス:良い設備  :揃っている予約  :必要会食  :ホールまたは料理屋で行う段取り :準備や片付けは葬儀社が行う 会食の他、返礼品や供花なども一緒に手配できる点も便利です。法要での使用よりも、通夜・葬儀が優先されることが通常です。       <ホテル・仕出し料理店> 会場費 :有料(高い傾向にある)広さ  :広いアクセス:非常に良い設備  :仏具関連は準備が必要予約  :必要会食  :ホテル内で行う段取り :準備や片付けはホテル側が行う アクセスが良く大勢を招待できる他、会食もホテル内で行えます。一方で、ホテルによっては「焼香ができない」「読経ができない」「ご遺骨の持ち込みができない」場合があるため、事前の確認が必要です。       ⑦会席料理の手配 会席料理のメニューを決める際、費用の相場は3千円〜1万円ほどです。メニューは和食が一般的で、好き嫌いのないものを選びましょう。近頃は新型コロナウイルスの影響を受けて、会食の席を設けないケースも増えています。この場合は持ち帰り用の折詰を用意し、引出物と一緒に渡します。また案内状で会食は行わない旨を伝えておきます。 法要・法事の準備一覧に戻る         4-2【開催日の1ヶ月半前】 ⑧案内状の準備・発送 ○正式:返信用ハガキを同封した案内状○略式:返信用ハガキのみ目上の方や故人様の友人・知人へは、正式を送るようにします。身内へは、略式の他、電話での連絡でも構いません。また会食に行う献杯の発声を、親族にお願いする際は、この時に依頼しましょう。なお案内状に返信期限を明記しておくと、参列者の人数を早めに確定させることができます。返信期限は引出物や会食の準備などを考慮して、遅くても開催日の2~3週間前までにしておくと余裕を持って行えます。 法要・法事の準備一覧に戻る         4-3【開催日の1ヶ月前】 ⑨参列者の決定 参列者から案内状の返信が届き次第、参列者名簿を作成しておきます。引出物や会席料理、宿泊の手配などを順次進めていきましょう。       ⑩交通手段の確認・宿泊手配 宿泊者がいる場合は、宿泊の手配を行います。また式場までのアクセスを確認し、土地勘がない参列者には事前に経路を伝えておきます。法要の式場が自宅の場合は、有料パーキングの場所も併せて伝えましょう。       ⑪引出物(お返し)の手配 <費用目安> 2千~5千円が一般的です。     <引出物にふさわしいもの> ○軽くてコンパクトなもの(持ち帰りが楽)○消えもの(悲しみが残らない)特に海苔やお茶、お菓子の詰め合わせ、日用品の詰め合わせなどが好まれます。近頃では好きなものを選べるということから、カタログギフトも人気です。     <引出物にふさわしくないもの> 生ものや重いもの、残るものです。       ⑫会席料理の数の確定 参列者の人数が決まったら会席料理の数を確定し、注文先に連絡します。料理は法要直前の参加に備えて、追加はいつまでだったら間に合うのか確認しておきましょう。       ⑬卒塔婆の建立者リストの作成 卒塔婆(そとば)は、基本的には遺族と親族で建てます。そのための名簿リストを作成します。親族に法要の連絡をする際、卒塔婆を立てる意向も聞いておくとスムーズに進められます。     <卒塔婆とは> 卒塔婆は塔婆(とうば)ともいいお釈迦様の遺骨を納めた塔を模した木の板のことです。卒塔婆を立てることはお経を唱えることと同様供養になり、遺族にとって善行を積む意味もあります。ちなみに故人にお経を捧げるという考え方のない浄土真宗では卒塔婆を立てません。       ⑭卒塔婆の依頼 卒塔婆リストを渡し依頼するとともに、菩提寺へ卒塔婆の代金を支払います。代金は施主が立て替えておき、後日親族から代金をいただくようにしましょう。ちなみに浄土真宗では卒塔婆は用意しません。 法要・法事の準備一覧に戻る         4-4【開催日の2~3週間前】 ⑮供花や供物の手配 <供花の手配> 祭壇に供える花を供花(きょうか・くげ)といいます。供花は白菊や百合を中心にデンファレやカーネーションなど、淡い色合いで日持ちの良い花がよいでしょう。トゲのある花や香りの強い花、しおれやすい花はふさわしくありません。     <供物の手配> 供物は「五供(ごく)」という仏教のしきたりに沿って用意します。五供とは以下のものを指します。 ○香:線香○花:生花(供花や墓前に供える仏花)○灯燭(とうしょく):ロウソク○浄水:水・お茶(浄土真宗では用意しません)○飲食(おんじき):供物(お菓子や果物など)       ⑯会席の席順を決める 参列者名簿を元に、会食の席順を決めます。席順は、僧侶が最上座、親族の年長者から順に友人・知人となります。施主と遺族は下座です。席順を分かりやすくするために名前カードを活用してもよいでしょう。       ⑰喪服の準備 施主や遺族の服装は、法要の格式を保つ意味でも正装である正喪服がふさわしいとされています。特に四十九日法要・一周忌法要・三回忌法要までは正喪服の着用が一般的です。七回忌法要より後は喪主・親族ともに準喪服や略喪服でも構いません。     <男性の場合> 正喪服とはブラックフォーマルのことであり、準喪服はブラックスーツ、略式喪服はダークスーツのことです。     <女性の場合> 正喪服や準喪服はブラックフォーマル、略喪服はダークカラーのワンピースやアンサンブルとなります。近頃の傾向として施主・親族ともに四十九日法要から、準喪服や略式喪服を着用するケースが増えつつあります。 法要・法事の準備一覧に戻る         4-5【開催日の1週間前】 ⑱お布施の準備 お布施は、お経を読んでいただいたお礼として渡します。お布施には相場はありませんが、法要では3〜5万円が一般的な目安のようです。菩提寺との打ち合わせの際にお布施の金額について相談しておくとよいでしょう。「お布施」のほかには「会場使用料」「御車代」「御膳料」を用意します。会場使用料は、菩提寺の会場を使用した場合に必要となる場合があります。御車代は菩提寺から式場までの交通費が目安です。御膳料は5千~1万円が相場で、僧侶が会食に参加されない場合に用意します。お布施・御車代・御膳料は、いずれも半紙と奉書紙または白封筒に包み表書きを書きます。 法要・法事の準備一覧に戻る         4-6【開催日前日】 ⑲当日持参するものの準備 法要当日には以下の持ち物を準備します。 ○遺影○位牌○お布施、御膳料、御車代 ※袱紗に包んでおきます○供花、供物○線香、墓前用の花、お供え物○引出物(お返しの品) 四十九日法要では本位牌と白木位牌を入れ替えるため、白木の仮位牌も持参します。納骨前の法要ではご遺骨もかならず式に持参します。供花は生花店に、供物や引出物は依頼した業者に配送してもらえる場合はお願いした方がよいでしょう。位牌について詳しく知りたい方は、コラム「位牌を購入するのはいつ?」をご参考ください。 法要・法事の準備一覧に戻る   もくじに戻る             5.法要・法事の挨拶例 以下に施主の挨拶の例文を紹介します。挨拶をする際の参考にしてみてください。     5-1法要の挨拶 <法要開式の挨拶> 本日は、お忙しい中お集まりくださいまして、誠にありがとうございます。これより、亡き(父・母・夫・妻)〇〇の△△法要を執り行いたいと存じます。本日は◇◇寺より☆☆ご住職様にお越しいただいております。ではご住職、よろしくお願いいたします。     <法要閉式の挨拶> 本日は、お忙しい中お集まりくださいまして、誠にありがとうございました。亡き(父・母・夫・妻)〇〇の△△法要を無事終えることができました。皆様には心より御礼申し上げます。これより墓前にてお参りしたあと、□□にてお食事の席をご用意しております。お時間の許す限り、お過ごしいただければと存じます。では、ご移動をお願いいたします。         5-2会食の挨拶 <会食の始まりの挨拶> 本日はお墓参りにもお付き合いいただき、誠にありがとうございました。こうして○○を偲ぶ席に皆様をお招きできましたこと、本当に嬉しく思っております。心ばかりの粗宴ではございますが、○○の思い出話でもしながら召し上がっていただければと思います。どうぞお時間の許す限り、ごゆっくりおくつろぎください。では▽▽様、献杯の発声をお願いいたします。       <会食の終わりの挨拶> 本日は、お忙しい中最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました故人の思い出話は尽きないかと存じますが、これにてお開きとさせていただきます。皆様から○○の思い出話を伺い、私たちでも知らなかった故人の一面を知ることができました。○○が亡くなり私どもも大変寂しく思っておりますが、どうぞこれからも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。どうぞお足元にお気をつけてお帰り下さい。         5-3法要・法事の案内状 <法要の案内状> 拝啓 **の候 皆様には益々ご健勝のこととお慶び申し上げますさて来る*月*日は 亡父 ○○の△△忌にあたりますつきましては左記により法要を営みたく存じます法要の後は供養のしるしに□□にて粗宴をご用意させていただいておりますご多用中のところ 誠に恐縮ではございますが ご臨席を賜りたくご案内申し上げます尚 お手数ですが*月*日までに 同封のはがきにてご返信ください謹白 誰の何回忌の法要を、いつ・どこで(場所の名前・住所・最寄駅)行うのかを記します。また法要の後で行われる会食についてもお知らせしておきます。案内状には頭語と結語である「拝啓 敬具」または「謹啓 謹白」が使われます。「謹啓 謹白」の方がより丁寧であるため目上の方に使います。文面は「忌み言葉」を避けて、行の最初は開けず、「、」「。」は使わないのが書き方のマナーです。   もくじに戻る             6.宗教の違いによる法要の違い 神道やキリスト教にも法要に似た儀式があります。法要や法事は仏教の言葉のため、神道では、「~祭」キリスト教では、「プロテスタント:記念集会」「カトリック:追悼ミサ、祈念の集いまたは命日祭の祈り」という言葉を使います。     6-1神式の法要の特徴 神式では、法要にあたるものとして「霊祭(れいさい)」と「式年祭(しきねんさい)」があります。   <霊祭> ○翌日祭○十日祭、二十日祭…五十日祭(十日ごと)○清祓祭(五十一日目)○百日祭     <式年祭> ○一年祭、三年祭、五年祭○十年祭、二十年…五十年祭(十年ごと)○百年祭   <式の流れ> ①修祓の儀(しゅうばつのぎ) ・拝礼、献餞(けんせん)②祝詞献上(のりとけんじょう)③玉串奉奠(たまぐしほうてん)④直会(なおらい)です。「①修祓の儀」は、斎主(さいしゅ)が大幣(おおぬさ)で祓い清めてから、拝礼し、献餞によってお供えします。「②祝詞献上」の後、「③玉串奉奠」で参列者が玉串を祭壇に捧げます。「④直会」はお供えした御神酒や神饌物を参列者全員でいただく儀式です。         6-2キリスト教式の法要の特徴 キリスト教ではカトリック教会とプロテスタント教会で内容が異なります。   <カトリック> ○追悼ミサ(3日目・7日目・30日目)○昇天日ミサ(1年後)その後は10年ごとにミサを行うのが一般的です。追悼ミサでは聖歌斉唱・祈祷・聖書朗読が行われます。       <プロテスタント> ○記念集会(10日目、1ヶ月目)○追悼記念集会(1年目・3年目・5年目・7年目)   もくじに戻る             7.まとめ:法要の準備はできる限り早めに余裕を持って進めましょう 法要は、余裕のあるスケジュールで準備していくと安心です。また開催日が命日より後にならないように注意しましょう。そのためにも菩提寺へは早めに連絡し、日程をきちんとおさえておきましょう。家族で準備するのが大変な場合は、葬儀の際にお世話になった葬儀社に法要の準備を相談してもよいでしょう。    

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葬儀後

2019年 12月 20日(金)

納骨の時期と進め方

2023年12月19日更新。葬儀の次にとても大切な儀式、四十九日法要と納骨式。 一般的には四十九日法要をもって忌明けとし、そのタイミングで納骨も行い、仏壇に祀る本位牌も用意しなければなりません。他にも準備することは多くあります。 安心して大事な儀式に臨めるよう、四十九日法要と納骨式についてご紹介いたします。       【もくじ】 1.四十九日法要と納骨 2.手元供養ってどんなもの? 3.納骨式の進め方 4.納骨後の会食 5.納骨式に招待されたら 6.神式での埋葬祭 7.キリスト教での埋葬(納骨)       1.四十九日法要と納骨 葬儀の後、遺骨は自宅に安置してきましたが、多くの場合は四十九日法要(地域や家のしきたりによっては三十五日法要)と同時に納骨します。一般的にはこの四十九日法要をもって忌明けとします。 地域や宗派によっては葬儀後すぐに納骨し、法要は別に行うところもあります。納骨は通常、骨壺に故人の戒名(法名)、俗名、死亡年月日、死亡年齢(行年)を書き入れ、骨壺ごと埋葬することが多いです。 しかし東北地方などでは、骨壺を使用せず、骨箱と呼ばれるものに火葬場で遺骨を入れ、納骨するときは、骨箱から遺骨を全部出し、遺骨だけを納めます。   納骨のとき用意するもの 一般的に手おけやひしゃくは墓地や霊園で借りられることが多いので、お墓にお供えする生花や供物などを準備します。 納骨の際には埋葬許可証を墓地の管理者に提出しますが、基本的には火葬の際に遺骨と一緒に渡されますので、わざわざ準備する必要はありません。   本位牌の準備 四十九日法要が終わると、位牌を仏壇に納めます。葬儀から納骨までは白木の位牌を使用していましたが、仏壇に納める時には本位牌に替えますので、仏壇店などであらかじめ準備しておく必要があります。 多くの場合は、四十九日法要と併せて位牌の魂入れを行います。本位牌の作成にかかる日数なども考慮し、四十九日法要に間に合うように早めに手配しておきましょう。     2.手元供養ってどんなもの? まだ墓地を用意していない場合、埋葬許可証があれば自宅に安置しておいても違法ではありませんが、遺族の心の整理をつけるためにも、そして故人のためにも、納骨先の手配が済み次第、納骨してあげた方が良いでしょう。   どうしても故人をそばに感じたい方は遺骨の一部を残して手元供養するという方法もあります。 「故人を常に近くに感じていたい」「嫁ぎ先で実父母の供養がしたい」「お墓が遠方のため墓参りが難しい」など、大切な人の遺骨や形見の品を身近に置き、心のよりどころとする新しい祈りの形が手元供養です。 ミニ骨壷のようなお部屋に安置するタイプから、ペンダント型の身に着けるものまでさまざまな大きさとデザインがあります。     3.納骨式の進め方 納骨は、事前に墓地や墓石を掃除して、花や故人の好物などを供えます。以下の①~⑦の手順で納骨式を行っていきます。 ① お墓の石ぶたを取り除く② 骨壷をカロート(納骨棺)に安置③ 石ぶたを閉じる  ※①~③までは石屋さんが行います。④ 宗派によっては墓石の後ろに塔婆を立てる⑤ 線香、ロウソクを供える⑥ 僧侶の読経⑦ 施主から順に焼香し、合掌する     4.納骨後の会食 納骨が終了すると、施主、遺族、参列者一同は会食の席に移ります。場所は菩提寺、自宅、霊園の法要室、あるいは料亭、レストラン、ホテルなどを利用するのが一般的です。 席上、施主は納骨と四十九日の法要が終了したこと、納骨式に参列してもらったことへのお礼と挨拶を述べます。 地域によっては、引出物が配られることがあります。表書きは「志」と書くことが多いようです。     5.納骨・四十九日法要の案内状が届いたら 納骨や四十九日法要の案内状が届いたら、できるだけ参加するようにしましょう。 服装は基本的に喪服が良いでしょう。お香典を包む場合の表書きは、宗教や宗旨によっては異なる場合もありますが、四十九日の法要までは「ご霊前」を使用するのが一般的です。 遺族が会食を用意していることもありますので、参列する人数をきちんとお伝えするようにしましょう。     6.神式での埋葬祭 神葬祭が終わると、翌日祭、次に10日毎の祭事と五十日祭、百日祭、式年祭が行われます。 納骨(埋葬祭)は一般に五十日祭までの祭事の間に行われますが、五十日祭に納骨することが多いようです。 埋葬祭では墓に納骨をした後、神主により修祓(しゅばつ)、祭詞奏上(さいしそうじょう)が行われ、一同は玉串拝礼、二拝二拍一拝を行います。 参列者は「御榊料」「御玉串」と表書きをして現金を包み施主へ渡し、施主は神主へ「御礼」と表書きをして渡します。これは仏式でいうところのお布施になります。     7.キリスト教の埋葬(納骨) キリスト教は本来土葬ですが、現在の日本では土葬を行うのは現実的でないため、火葬の後、骨上げをします。 引き続き納骨する場合は、墓地で埋葬(納骨)の祈りを行い、墓に納めます。 埋葬(納骨)まで時間がある場合は一時自宅に安置して、7日目の追悼ミサか1か月後の召天記念日、または命日に埋葬をします。       目次に戻る

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葬儀後

2019年 12月 06日(金)

遺品の整理・形見分け・遺産相続の心得

2023年12月19日更新。故人の想い出にと、遺品を形見分けとして知人に差し上げることがあります。しかし、相続権のない人に高額な遺品をあげることは贈与になり、贈与税の対象になることがあります。遺品の形見分けや遺産相続は、大きなトラブルに発展する可能性もあるので事前の知識が大切です。相続する際の法定相続分や、相続後の相続税などについて、ここでは基本的なことをご紹介します。【もくじ】 ・遺品の整理はまず職場のものから ・形見分けは原則として親族間で ・遺言状の有無による遺産の分割 ・法定相続人 ・法定相続分 ・相続税の基礎控除 ・相続税のかからない財産とは ・遺産相続の放棄 ・相続税の申告   遺品の整理はまず職場のものから 故人が勤めていた場合、葬儀が終了次第、職場に行き、故人の遺品の整理をして引き取ります。自営などである場合は、仕事関係の書類や帳簿類は、税金等の関係を考慮して、少なくとも5年は保存しておきます。日記や手紙は、1か所にまとめて2~3年間は保存しましょう。   形見分けは原則として親族間で 形見分けをする品物は、故人の生前がしのばれる愛用のもの、洋服、和服、時計、愛蔵書、趣味の道具、装飾品(ネックレス、指輪類)などです。これらは、おおむね親族間で分けます。常日ごろあまり付き合いのない人や目上の人に安易に差し上げるのは禁物です。 また、相続権のある方に渡すことは相続となり、相続権の無い方に渡すことは贈与となります。110万円以上の品物は、贈与税の対象となりますので注意しましょう。 遺言状の有無による遺産の分割 故人が遺言を残している場合は、遺言に従って遺産を分けます。遺言のない場合は、相続人同士の話し合いで分けます。話し合いがつかない場合は、法律に従って遺産を分けることになります(法定相続分)。   法定相続人 配偶者は必ず法定相続人になります。次に子や孫などの直系卑属、そして父母や祖父母などの直系尊属、兄弟姉妹やその子の順で相続権が発生します。   法定相続分 故人に配偶者以外の法定相続人がいない場合には、配偶者が遺産の全てを相続します。配偶者と他の親族が法定相続人になる場合の法定相続分は以下になります。 配偶者と直系卑属(子や孫)配偶者2分の1、子2分の1 配偶者と直系尊属(父母や祖父母)配偶者3分の2、直系尊属3分の1 配偶者と兄弟姉妹(またはその子)配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1 相続税の基礎控除 相続税には基礎控除があり、具体的には3,000万円+(600万円×法定相続人の人数)の金額を超えた分だけ相続税がかかります。遺産総額≦基礎控除額の場合には相続税はかかりません。 相続税のかからない財産とは 遺産を相続したり譲り受けたりした場合でも、以下のような課税対象にならないものもあります。 ① 墓地、墓所、墓石、霊廟② 生命保険金のうち「600万円×法定相続人数」の額まで③ 退職金のうち「600万円×法定相続人数」の額まで ④ 香典、弔慰金(金額により) ⑤ 相続税の申告期限前に震災、風水害、落雷、火災などの災害で被害を受けた相続財産 また、葬儀に掛かった費用(香典返しや法要の費用は除く)も相続税の課税対象にはなりません。   遺産相続の放棄 相続には単純承認と限定承認、相続放棄の3つの方法があります。 単純承認プラスの財産もマイナスの財産も無条件に引き継ぐことです。何も手続きを取らなければ単純承認となります。 限定承認マイナスの財産のうち、プラスの財産を超える分は引き継がないことです(マイナスの財産は放棄してプラスの財産だけ引き継ぐ、ということはできません)。相続人全員の総意が無いと行えません。 相続放棄プラスの財産もマイナスの財産も全て相続を行わないことです。単独で行うことができます。この場合、相続人でなかったものとみなされるため、相続の権利が移動します。したがって、他の相続人の相続分が増えたり、新たに相続人になる人が出る可能性があります。   相続税の申告 相続開始を知った日(亡くなったことを知った日)の翌日から10か月以内に行わなければなりません。   贈与税の申告と納税の期限 贈与税の申告と納税は原則、財産をもらった人が、もらった年の翌年の2月1日から3月15日までに、財産をもらった人の住所を所轄する税務署で行います。 (平成30年4月1日現在法令等)

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葬儀後

2019年 12月 05日(木)

仏壇・仏具を購入する前に知っておきたいこと

2023年12月19日更新。仏壇を購入するにあたり、和室がない、家全体がモダンな造りになっていて伝統的な仏壇が合わない、または仏壇を置くスペースがない、など困ってしまうことがありませんか。しかし、仏壇はご先祖や新仏をお祀りするのに必要なものです。このコラムでは、仏壇とはそもそも何なのか?から、仏壇の購入や古くなった仏壇の処分についてなどをご紹介します。【もくじ】 ・仏壇は家庭の中の小さなお寺 ・仏壇を購入するタイミング ・仏壇の種類 ・仏壇を購入するときのポイント ・仏壇の飾り方 ・本尊 ・日々の供養 ・仏壇の処分   仏壇は家庭の中の小さなお寺 家庭での供養、法要の中心になるのは、家庭の中の小さなお寺といわれる仏壇です。葬の儀式が終わり、新仏の四十九日の満中陰を迎える時、あるいは一周忌、三回忌の年忌法要を迎える時、お盆やお彼岸の時など仏事の時や家を新築した場合などに仏壇の新調が行われます。 仏壇は祖先の霊をお祀りするとともに仏像を安置する場所です。文献では『日本書紀』通証34に「仏壇、家ごとに仏舎をつくる」とあります。家庭の仏壇は新仏をはじめ先祖の霊を祀り、それぞれの家の信仰する各宗派の本尊を礼拝します。仏教本来の考えからいえば、本尊が主で位牌が従という関係になります。宗派によって本尊が異なりますから、菩提寺に確認するなどします。仏壇を安置する方角に吉凶はありませんが、一般的に北向きは避けます。家の中で落ち着いて礼拝できる場所を選びましょう。   仏壇を購入するタイミング 仏壇の購入は、新仏を供養するため、法要や祥月命日、お盆、お彼岸、家の新築時になどのタイミングに合わせて購入するのが一般的です。購入する時は十分に選び、納得してから購入しましょう。   仏壇の種類 仏壇は大きく分けると3種類の形と特徴があります。 ① 主に関東地方に多い、黒壇、紫壇などの木目が美しい唐木仏壇(写真左) ② 主に関西、北陸地方に多い、金箔を張った漆塗りの金仏壇 ③ 洋間にも合う家具調仏壇(写真右) 最近は住宅事情などもあり、コンパクトでインテリアにもなる家具調仏壇が人気になっています。 仏壇を購入するときのポイント 仏壇は家庭の中でひとつの心のよりどころです。また、家庭の鏡となるものでもあります。家族の安らぎとなるように、心をこめて選びます。以下のポイントを参考にしてみてください。 ① 自分の家の宗派と合う仏壇を選ぶ ② 予算を決めてその範囲内で選ぶ ③ 仏壇を置く場所も考えて決める ④ 実際に購入する現物を確認する ⑤ 材質や塗りなど品質のチェックをする 仏壇と位牌 仏壇は本尊を祀るための祭壇です。もとは仏像を安置する「厨子(ずし)」から発達したものといわれています。葬儀のときに飾った白木の位牌は、忌明けに寺か墓に納めます。代わりに塗りか唐木の本位牌を用意し、表に仏名、没年月日、裏に俗名と享年を記入して、忌明け法要の際に供養してもらいます。この本位牌は、忌明けに仏壇に安置します。   仏壇の飾り方① 最上段中央に本尊を祀る ② 位牌は本尊の両脇か下の壇に安置する ③ 五具足/ごぐそく(香炉・灯台/火立一対・花立て一対)の場合は、香炉が中央に燭台は左右、その外側に花立てを置く   ①~③が一般的な飾り方となります。③が三具足/みつぐそく(香炉・灯台/火立、花立て各1個)の場合は、香炉を中心に置き、向かって左が花立て、右が燭台となります。 仏壇の飾り方一例 本尊 位牌 高月/高杯(たかつき) 花立て マッチ消し 経机(きょうづくえ) 香炉 吊し灯籠(つるしとうろう) 茶湯器(ちゃとうき) 仏飯器(ぶっぱんき) 置灯籠 灯明(とうみょう) 鈴(りん) 木魚 本尊 ご本尊は、お仏壇の中にお祀りする最も大切な信仰対象ですが、立派な仏壇を買い求めて位牌だけをお祀りしている方を見受けることがあります。お寺の中心がご本尊であるように、お仏壇の中心にもご本尊を安置したうえで位牌や過去帳を納めます。ご本尊には細かい細工が施された木彫りの仏像、掛軸、自立型の掛軸本尊など、様々なタイプがありますが宗旨・宗派によって異なりますので、実家の宗派を確認してください。   日々の供養 毎朝、その日の朝炊いたご飯と新しい水を供え、灯明をともして線香を上げ、鈴を鳴らして合掌します。季節の初物や花も絶やさないようにして供養します。   開眼供養(かいげんくよう) 仏壇を新しく購入すると、僧侶に本尊と位牌の開眼供養(魂入れ)をお願いします。新仏が出て、新しく購入した場合は本位牌の開眼供養を四十九日の法要のときにあわせて行うことが一般的に多く見られます。   仏壇の処分 永年お祀りしてきた仏壇をやむを得ぬ理由で処分したい、でもいざ処分となると躊躇するものです。それは、昔から仏壇は家の中のお寺と言われ、信仰の対象となるご本尊やご先祖様をお祀りしてきた神聖な場所だからです。仏壇は購入した際にご先祖様の魂を宿らせるための開眼供養(かいげんくよう)を行っている場合があります。その場合は処分する際にも閉眼供養(へいげんくよう)を行って魂を抜きますが、最近では開眼供養を行っていないケースもあります。新たな仏壇を買い求めた場合は、購入した仏壇店に古い仏壇の引き取りをお願いしますが、購入はせず処分だけならば有償で専門業者に依頼をします。

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葬儀後

2019年 12月 03日(火)

墓地購入時に知っておきたいこと

2023年12月19日更新。先祖代々受け継ぐお墓は一生に一度、購入することがあるかないかの大切なものです。いざ購入することになった際、購入手順や購入場所、さらには種類など、考えることはたくさんあります。また、遠方にあるお墓を近く移すにはどうしたら良いのか?など、わからないことは尽きません。ここでは墓地購入時に知っておいた方が良いことをご紹介します。【もくじ】 ・墓地は経営母体によってタイプが異なる ・墓地の上手な選び方 ・墓石は墓地に合わせる ・分骨するときの手続き ・お墓の引越しと墓じまい ・改葬するときの手続き   墓地は経営母体によってタイプが異なる 現在の墓地の形態は以下の種類に分けられます。 菩提寺の墓地最も伝統的で壇家の人、同宗派の人のみ利用可能です。 公立霊園墓地自治体が運営している墓地です。応募には墓地のある地域に在住していること、生前は申し込みができないなどの条件があります。 民営霊園墓地民間の団体などが経営する墓地で、近年は大規模に開発されています。公立に比べ条件も厳しくなく宗派も問いません。 納骨堂いわゆるお墓のマンションと呼ばれているものです。個人、夫婦、家族などの単位で納めることができ、手入れが簡単で後継者に負担を掛けないといったメリットがあります。最近利用者が増えている形態です。 墓地の上手な選び方 墓地は永代使用権を払って借り受けるものです。霊園などでは、正当な相続人以外は譲渡、転売ができないところもあるので、購入時に使用権なども確認しておくことが大切です。選ぶポイント以下の5つの項目などを参考にしましょう。①所有者の寺院・霊園の宗派の確認②周囲の環境③交通の便④予算⑤施設の状態   墓石は墓地に合わせる 墓地が決まったら次は墓石を選びます。最も多く利用されているのは、和型の角石塔型(3段型)です。寸法的に調和が取れています。墓石には白の御影石を使うのが一般的でしたが、最近では黒の御影石も使われる傾向にあります。墓石の選択は、石質やいわれなど考慮が必要な面もあるので、石材店に相談しましょう。 お墓は、新仏が出たら三回忌までには購入した方が良いとされています。新しいお墓はまず、開眼供養をすることが大切です。   一般的なお墓の構成 一般的なお墓は墓石以外に次の要素で構成されています。 ・つくばい ・線香立て ・灯籠 ・水鉢 ・花立て ・塔婆立て ・石碑 ・塔婆 ・植木 ・墓誌 ・物置き台 ・名刺受け ・拝石 昨今は、墓地の広さの関係ですべての要素が揃っていないお墓もあります。   開眼供養とは墓石に仏様の魂を入れる儀式のことです。僧侶の読経で入魂が行われると供養のための仏塔になると考えられています。開眼供養では線香と供物を供えますが、納骨と同時に開眼を行うこともあります。   その他、神式のお墓は仏式と同様に角石塔型が一般的です。キリスト教では十字架型や幅広型、洋型が一般的ですが、特に決まりはありません。 分骨するときの手続き 遺骨を2か所以上に分けて納骨することを分骨といいます。宗派によっては遺骨の一部を本山の納骨堂へ納める場合もあります。分骨した遺骨を手元に置いておくだけであれば、特別な証明書などは必要ありません。しかし、お墓や納骨堂などに納める場合には「分骨証明書」が必要になります。すでに墓地などに納めてある遺骨を分骨する場合には墓地の管理者から、火葬時に分骨する場合には火葬場から「分骨証明書」を発行してもらいます。「分骨証明書」は分骨した遺骨を納骨する際に、納骨先の管理者に提出します。 お墓の引越しと墓じまい 「何年もお参りしていない故郷のお墓を近くに移したい」という方のために、お墓の引越しサービスがあります。故郷の役所とお墓のある寺院などで手続きをすることにより、お墓の引越し(改葬/かいそう)が可能となります。また、お墓の継承者がいない場合は、墓じまいなどもありますので、ご家族や菩提寺とよく相談して判断しましょう。   改葬するときの手続き 改葬とはお墓を移転することをいいます。改葬する際は、菩提寺への相談、法要などのほかに法的手続きが必要です。 ①移転先を決める まずは遺骨の移転先を決めて新しいお墓を建立しなければなりません。これから供養をしていくためにどこに新しいお墓をつくるか、交通の便や環境、施設など希望に合った墓地を選んでください。②墓地使用許可証を受け取る 新しい墓地が決まり永代使用契約が済んだら管理者より「墓地使用許可証」を受け取ります。 ③受入れ証明書を発行してもらう 移転先の墓地管理者より「受入れ証明書」を発行してもらいます。これにより遺骨の移転先が決まったことの証明ができます。 ④埋葬証明書・改葬許可申請書を受け取る 今のお墓(移転元)の管理者から「埋葬証明書」を発行してもらい、所在地の役場から「改葬許可申請書」を受け取ります。「改葬許可申請書」には今のお墓の管理者が記入押印する項目があります。「埋葬証明書」「改葬許可申請書」はひとつの様式になっています。また、原則として遺骨1体につき1枚必要となることが多いようです。墓地や市区町村で異なりますので確認すると良いでしょう。 ⑤改葬許可申請をする 今のお墓(移転元)がある市区町村役場に改葬許可申請を行います。必要な書類を提出し、改葬の申請をします。 ※提出する書類の一例…墓地使用許可証・受け入れ証明書・埋葬証明書・改葬許可申請書(印鑑) ⑥「改葬許可証」の発行 書類の不備などがなく申請が承諾されると「改葬許可証」が発行されます。 ⑦遺骨の引き取り 事前に日時を決めて今のお墓(移転元)に「改葬許可証」を提示し、遺骨を引き取ります。このとき、古いお墓の魂抜きの供養をすることがあり、その場合はその手配も必要です。「改葬許可証」の発行手続きと遺骨の引き取りを一日で行う場合は、管理者や遺骨を取り出す石材店と当日の段取りを良く打合せておくことが大切です。また、使用した墓地は整地して管理者に返すことが原則ですので古い墓石は撤去する必要があります。 ⑧新しいお墓に納骨 事前に日時を決め、新しいお墓(移転先)に遺骨を納めます。このとき、納骨の法要と同時にお墓の魂入れ(開眼供養)を行うことがあり、その場合はその手配も必要です。先の「改葬許可証」は新しいお墓(移転先)の管理者に提出します。

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葬儀後

2020年 01月 31日(金)

お盆に行うこと|意味や時期、新盆(初盆)の供養も紹介

2023年12月19日更新。お盆の時期には、実家に帰省される方もいらっしゃると思います。2023年5月8日に新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類へと変わり、行動制限が見直されました。今年こそ「久しぶりに帰省」という方が多いのではないでしょうか。お盆はご先祖様を偲ぶ大切な期間ですが、実は、お墓参り以外にも行うことがあるのをご存じですか。この記事では、お盆におけるオーソドックスな供養について紹介していきます。まずは意味や行いを知っておきましょう。その上で、地域の風習も加味しながら、親族と相談してやり方を決めていきましょう。きっと、より良い供養ができると思います。ぜひ参考にしてみてください。         【もくじ】1.お盆の意味2.お盆の起源3.お盆の時期4.お盆に行うこと5.お盆に関する用語6.お盆中の僧侶のお迎え(棚経)7.新盆(初盆)の供養8.まとめ           1.お盆の意味 お盆は、仏教でお盆を指す「盂蘭盆会(うらぼんえ)」に由来します。お盆には、先祖の霊をお迎えして供養する儀式を行います。   もくじに戻る           2.お盆の起源 釈迦(しゃか)が弟子の目連(もくれん)の母を救うため、7月15日に供養するよう目連に勧めた「盂蘭盆会(うらぼんえ)」が始まりとされています。※1この盂蘭盆会と、古代インドで仏教以前に行われていた農耕儀礼および日本古来の先祖信仰が結びついて「お盆」となりました。※1:盂蘭盆会(うらぼんえ)についてのより詳しい内容は、このページの最後をご参考ください。   もくじに戻る           3.お盆の時期 もともとは旧暦の7月15日でした。現在では、7月または8月の13~16日の4日間とする地域が多いようです。13日をお盆の入り、16日をお盆明けとして、この4日間にお盆の行事が行われます。お盆の時期が7月と8月で分かれるのは、明治時代の改暦が影響しています。●7月:東京都・神奈川県など。新暦の7月15日に合わせた形。●8月:全国的に多い。旧暦の7月15日の時期に該当するため。※新暦の7月は農業の繁忙期にあたることもあり、特に農村部では避けられたようです。なお新暦(太陽暦)に対し、旧暦は太陰太陽暦と呼ばれ、月の満ち欠けをもとにした暦です。15日は必ず満月になる日でした。そのため昔は盆踊りも満月の明かりの下で行われていたそうです。ちなみに2023年は、8月30日が旧暦の7月15日にあたります。   もくじに戻る           4.お盆に行うこと 関東地方における一般的な例を紹介しています。地域によって詳細な部分は異なります。   ■13日 <朝> 仏壇を清掃します。次に精霊棚(しょうりょうだな)をつくります。※お墓はお盆前に清掃を済ませておきます。   <午前中> 位牌を中心にして盆花、野菜、果物などを飾ります。迎え団子をお供えします。   <夕方> 盆提灯に灯りをともします。家の門口でオガラを燃やし、迎え火を焚きます。     ■14日 芋茎(ずいき:里芋やハス芋の葉柄)の和え物やナスとキュウリのごま和え、お供え団子などを、お供えします。     ■15日 蓮飯(はすめし)やお供え団子、精霊馬(しょうりょううま)をお供えします。夜には盆踊りが行われます。     ■16日 送り団子をお供えします。   <夕方> 家の門口でオガラを燃やし、送り火を焚きます。灯籠流し(または精霊流し)を行います。     ■お盆期間中 僧侶に読経していただきます(棚経:たなぎょう)。   もくじに戻る           5.お盆に関する用語 ■精霊棚(しょうりょうだな) 盆棚(ぼんだな)とも呼ばれます。お盆ならではの祭壇のようなもので、仏壇の前に小机を置き、その上に真菰(まこも)を敷いて、飾り付けして供物をお供えします。仏壇の引き出しを精霊棚として設えることもあるようです。位牌は、「仏壇の扉を閉めて精霊棚に置く場合」と「扉を開けたままで仏壇に置く場合」があります。     ■盆花(ぼんばな) 精霊棚に飾り付けするお花のことを言います。代表的な盆花に、鬼灯(ほおずき)、ガマの穂、禊萩(みそはぎ)などがあります。 ほおずき ガマの穂 禊萩(みそはぎ)     ■盆提灯(ぼんちょうちん) お盆に使用する提灯です。先祖の霊が戻ってくる際に迷わないよう照らすという意味があります。先ほど紹介した鬼灯(ほおずき)も、盆提灯に見立てて飾ると言われています。盆提灯には、初盆・新盆用の白提灯と、カラフルで模様の入った盆提灯の2種類があります。白提灯は、喪家の家紋を入れ、一対にしたものが正式です。     ■オガラ 麻の茎で、皮をはいだものを言います。お盆の時期には、仏具店の他、スーパーやホームセンター、花屋などで購入できます。     ■迎え火・送り火 <迎え火> 13日のお盆の入りに、先祖の霊をお迎えするために「迎え火」を焚きます。先祖の霊が迷わずに自宅へ帰ってこられるように明るく照らすという意味があります。家の門口の他、玄関先や庭先、お墓で焚くのが一般的です。地域の風習によっても異なります。   <送り火> 16日のお盆明けに、先祖の霊を送り出すために「送り火」を焚きます。先祖の霊が迷わずにあの世へ戻れるように明るく照らす意味があります。 オガラで迎え火(送り火)を焚く様子     ■迎え団子・お供え団子・送り団子 <迎え団子> 盆の入りの13日にお供えします。あんこをまぶした団子、甘辛いタレをのせた団子、シンプルな白い団子などがあります。自宅へ戻ってこられた先祖の霊に、疲れを癒していただきたいという意味が、習俗として残っています。   <お供え団子> 先祖の霊が滞在中の14~15日にお供えします。おはぎ、シンプルな白い団子があります。白い団子はピラミッド型に積んでお供えする地域もあります。ゆっくりと滞在していただきたいという意味が、習俗として残っています。地域によっては「おちつき団子」とも呼ばれます。   <送り団子> お盆明けの16日にお供えします。シンプルな白い団子が一般的です。先祖の霊があの世へ戻る際のお土産として持ち帰っていただくもので、戻った後に好きなようにして食べていただきたいという意味が、習俗として残っています。     ■蓮飯(はすめし) 蓮の葉にご飯を包んだもの。     ■精霊馬(しょうりょううま) キュウリで作った馬や、ナスで作った牛のことで、精霊棚に飾ります。   <キュウリの馬> 「少しでも早くお越しください」という意味があります。   <ナスの牛> 「滞在後はなるべくゆっくりお帰りください」という意味があります。     ■盆踊り もともとは先祖の霊を慰め、無事にお送りするためのものでした。また先祖の霊も一緒に踊れるように、お面等で顔を隠して踊られていました。なお前述のとおり、旧暦の15日は必ず満月になる日でしたので、昔は盆踊りも満月の明かりの下で行われていました。     ■灯籠流し・精霊流し 16日のお盆明けに、お盆期間のお供え物を紙製や木製の舟に乗せて灯をともし、川や海に流します。今日では、環境に配慮して、菩提寺や地域の特設会場、自治体の指定された場所に持ち込む場合が多いようです。灯籠(とうろう)だけ、あるいは送り火だけを流す地方もあります。   もくじに戻る           6.お盆中の僧侶のお迎え(棚経) 先祖の霊が滞在しているお盆の間には、精霊棚の前で僧侶に読経してもらいます。このことを棚経(たなぎょう)と言います。僧侶はお盆の短期間でたくさんの檀家を回ります。僧侶にお出でいただく日を、早めに僧侶にお声をかけて、決めておくと安心です。棚経の後は、僧侶を無理に引き止めたり、大げさにもてなしたりはせず、おしぼり・飲み物を出し、涼んでいただく程度にしておきます。御布施のお渡しも忘れないようにします。遠方の僧侶には「御車料」、食事時には「御膳料」も別に用意します。お盆に僧侶を招かない時は、お墓参りをした後、菩提寺に御布施を渡して供養をお願いします。   もくじに戻る           7.新盆(初盆)の供養 人が亡くなった後、初めて迎えるお盆を新盆または初盆と言い、丁寧に供養するのがしきたりです。忌明け前(四十九日前)にお盆になる時には、翌年が新盆となります。新盆の供養は、法要という形をとるのが一般的です。●通常のお盆の供物の他に、故人様の好物などをたくさんお供えします。●親族や故人様に縁のあった方を招き、僧侶に読経していただきます。●読経後、会食(精進料理)でもてなします。※僧侶にお出でいただく日を、早めに僧侶にお声をかけて、決めておくと安心です。※お招きする親族などにも、早めに連絡して出欠を確認おきましょう。※人数が決まった後にはなりますが、会食の料理も事前に手配しておきましょう。※僧侶へのお布施や、お供え物や香典への返礼品の準備も忘れないようにしましょう。   もくじに戻る           8.まとめ:お盆を良い機会に、できる限りの供養を行いましょう お盆はご先祖様および故人様を偲ぶ大切な期間です。特に帰省される方は、普段できない分だけ、手厚く行いましょう。都市と地方では、お店の品揃えも変わってきますので、お近くの仏壇店などでお話を聞いたり、準備しておくと良いと思います。           参考:盂蘭盆会(うらぼんえ) その由来として、釈迦(しゃか)の弟子である目連(もくれん)の話が一説として挙げられます。目連は、安吾の最中に、亡くなった自分の母が餓鬼道へ落ちて苦しんでいることを自身の神通力で知ります。※安吾(あんご):僧侶たちが集まって修行すること。※餓鬼道(がきどう):飲食できず、飢えに苦しむ世界のこと。目連が釈迦に相談すると、釈迦は、安吾の終了した日に僧侶たちへ飲食を振る舞いように勧めました。目連が言われたとおりに実行すると、母が餓鬼道から救われたそうです。この日が旧暦の7月15日にあたり、僧侶に飲食を振る舞うとともに先祖の霊を供養する仏教行事として、盂蘭盆会が行われるようになったようです。  

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葬儀後

2020年 01月 24日(金)

なぜお彼岸にはお墓参りをするの?

2023年12月19日更新。春と秋、年に2回ある「お彼岸」。お彼岸の意味をご存知でしょうか。「お彼岸にはお墓参りをする」と漠然と思っている人も多いかと思います。この記事では、お彼岸とは何か?やお墓参りの方法についてご紹介します。お彼岸についての知識をより深めましょう。【もくじ】 ・彼岸は西方浄土への開かれた日 ・なぜ彼岸は7日間なのか ・お墓参りのしかた ・お墓と墓地のお手入れ ・お彼岸の自宅での供養のしかた 彼岸は西方浄土(極楽浄土)への開かれた日 春の彼岸も秋の彼岸も、それぞれ春・秋分の日を中心にその前後の3日間、合計7日間をいいます。最初の日を「彼岸の入り」、立春、秋分の日を「中日」、最後の日を「彼岸明け」といいます。春分と秋分の日は、太陽が真東から出て昇り、真西へ沈みます。西方の彼方には「彼岸」があり、こちら側には「此岸(かがん)」がありますが、死者はこの此岸から彼岸にまっすぐ伸びた道を行きます。そこで、彼岸にたどりついたであろう先祖の霊をなぐさめ、また、いつか自分たちもたどれることを願い、供養するものです。   春分の日と秋分の日 祝日法により天文観測による春分と秋分が起こる春分日、秋分日が選定され国民の祝日として定められます。春分の日は、通年では3月20日か21日のいずれかになることが多いです。昼と夜の時間が同じといわれていますが、厳密には昼の時間がわずかに長くなっています。 秋分の日も、通年では9月22日か23日のいずれかになることが多いです。春分の日と同様に昼と夜の時間が同じといわれていますが、厳密には昼の時間がわずかに長くなっています。 なぜ彼岸は7日間なのか 彼岸に至るには悟りを得なければならないのですが、それには6つの徳目(布施・持戒・忍辱・精進・禅定・知恵)を1日に一つずつ修行し、これに彼岸の中日をはさみ、計7日間となります。 布施金銭や物を施すこと、人々の恐れを払い救う 持戒仏の戒律を守り反省する 忍辱迫害に耐え忍ぶ 精進雑念を去り修行する 禅定心を統一し真理を悟る 知恵ものごとを正しく判断し、命そのものを把握する   お墓参りのしかた 墓地には花や線香を持って出かけます。墓石を洗い、周囲をきれいに掃き浄め、花立ての水も取り替え、新しい花を生けます。線香は束のまま火をつけます。線香につけた火を消すときは息を吹いて消すことは出来ませんので注意してください。これは、仏教では人間の息は「不浄」とされているからです。線香の火を消す際は、手で扇いで消しますが、それでも消えない場合は線香を縦に振り、火を消すと良いでしょう。故人の好物などを持参した場合は、線香と共に墓前に供えます。墓の上から水をかけ、故人と縁の深い人から墓前に向かい、手を合わせます。   お墓と墓地のお手入れ お墓参りは、お盆・春秋のお彼岸、故人の命日などに行うのが一般的ですが、それ以外の日にも、できるだけお参りするのが望ましいとされています。墓地の手入れは敷地内の落ち葉や雑草を除きます。特に雑草は根が張ると抜くのが大変ですので、墓参の都度こまめに行い、また、玉砂利などを敷き詰めておくのも有効です。墓石は天然石ですので、表面がきれいに見えていても細かな凹凸があります。洗剤などを使うとそこから変色してしまう場合があるので水洗いが原則です。洗う際にはスポンジや雑巾を使用しますが、金属性のたわしは細かなキズが付き、そこに汚れが溜まるので使用は避けます。日ごろの手入れが掃除の負担軽減にもなりますが、諸事情により墓参に行けない方へのサービスとして、墓参の代行業者や墓石クリーニング業者などが出てきています。 お彼岸の自宅での供養のしかた 家庭では仏壇の掃除をして、新しく仏花を替えたりします。だんごやぼたもち、故人の好物のもの、果物なども供えます。(春はぼたもち、秋はおはぎと呼びます) この期間、灯明や線香はできるだけ絶やさないようにしておきます。僧侶を自宅に招いて読経してもらう場合は、「御布施」と表書きをして礼金を包みます。

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終活

2020年 01月 16日(木)

エンディングノートはどうやって書けばいいの?

2023年12月19日更新。「終活」には色々ありますが、わかりやすいものでは「エンディングノートを書く」があります。エンディングノートを書くことで、人生の終わりに向かって何を優先し、何をしなければいけないのかが見えてきます。終活への一歩として、エンディングノートの書き方や注意点などをご紹介します。   【もくじ】 ・エンディングノートとは ・エンディングノートの内容 ・エンディングノートのメリット ・いつ書き始めるの? ・エンディングノートを手に入れるには? ・注意点・ポイント   エンディングノートとは 「エンディングノート」という言葉は聞いたことがあっても、実際に目にしたことがある人は少ないと思います。そもそもエンディングノートとは、人生の終末期に関して、自身の希望を書き留めておくためのノートです。あくまでも希望を書き留めておくだけのものであり、遺言書などと違って法的な拘束力はありません。 エンディングノートの内容 エンディングノートには色々なことを書きますが、決まった形式はありません。何を目的にするのかによって、どの内容をどこまで書くかを決めていく必要があるでしょう。 以下は記入内容の例です。   自分のこと 氏名・生年月日・血液型・住所・本籍地などのプロフィール、性格や好み、家族関係(家系図など)、記憶・思い出、資格・特技・趣味、これからの目標や夢、など 記録しておくこと 健康(かかりつけの病院、常備薬、病歴、保険証・お薬手帳の保管場所、健康上の留意点)、介護(自身の希望、費用、延命治療、病名の告知)、身の回りのこと(預貯金、不動産、保険、有価証券、借入金やローン、形見分け、遺品整理)、友人関係(連絡先、住所録)、など   伝えておくべきこと 葬儀の希望、残された方へのメッセージ、遺言書、お墓の所在、菩提寺との付き合い、など   エンディングノートのメリット エンディングノートには自分自身のメリットと、それを読む人(家族)へのメリットがあります。自分に対しては、これまでの人生を振り返ることでこれからの人生を有意義に生きること、そして普段なかなか言えない家族や周囲の人への感謝や想いを伝えられる、ということがあります。また、自身の備忘録として活用する人もいます。読む側のメリットとしては、家族が知らなかった過去や想いを知ることができ、亡くなった後の整理や手続きがスムーズに進む、ということです。さらに、葬儀を執り行う際にも一つの指針として活用することができます。   いつ書き始める? エンディングノートは終末期を迎えてから書くものと思っている人も多いようですが、終末期を有意義に迎え過ごすためのものなので、早めに書き始めることをおすすめします。離れて暮らす家族や兄弟と会った際に、これまで伝えられなかった想いを伝えたいと思い、書き始める人も多いです。また、介護認定を受けた時などにも始める人が多いようです。こういった機会に限らず、自身が「書いてみたい」と思った時に気軽に始めてみるのが良いでしょう。   エンディングノートを手に入れるには? エンディングノートは書店などで購入するのが一般的ですが、販売しているものは内容が濃く、記入に時間がかかるものもあります。せっかく購入しても、記入する項目の多さに嫌気がさし、書くことをやめてしまうのは勿体ないことです。今は葬儀社が無料で配布しているものや、インターネットで無料ダウンロードできるものもありますので、購入をする前にそういったものから始めてみるのも良いでしょう。また、既存のテンプレートを使用せず、一般的なノートに自分で書いていくこともできます。その際は、何を書くべきか自身でしっかりと考えてから書き始めることが大切です。   注意点・ポイント エンディングノートの全ての項目を書くには根気と時間が必要です。まずは書きやすい項目や自身が重要視する箇所から書き始めてください。過去の振り返りや自身の想いを伝える部分と、病院関係・金融関係などの事務的な内容とがあります。事務的な部分は他の家族と一緒に書いても良いでしょう。 一度記入した部分も、状況や想いが変わったりすることもありますので、一年に一回、内容を見直し、必要なら書き直しすることも大切です。

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終活

2020年 01月 31日(金)

遺言をするにはどうしたらいい?

2023年12月19日更新。遺言を書くには?遺言書を見つけたら?など、間違った方法で遺言書を扱うと、せっかく作成した遺言が無効になってしまうことがあります。遺言書の書き方、開封時の注意点などをご紹介しますので参考にしてください。       【もくじ】 1.遺言とは 2.遺言の種類 3.注意点       1.遺言とは 遺言とは、日常生活では「ゆいごん」と呼ばれ、自身の財産の分与などに関して残した文章や言葉のことを言いますが、法的には「いごん」と読み、自身の財産の相続に関して法的拘束力を持つことを目的として書く文章のことを言います。 遺言は亡くなった時点から効力を発するため、故人の意思の確認ができません。よって遺言は民法で方式が定められており、この方式に則った遺言でなければ法的な拘束力は持ちません。     2.遺言の種類 遺言には「普通方式」と「特別方式」の2種類があり、「特別方式」は死亡危急者や船舶遭難者など、緊急性の高い場合の遺言になりますので、自身の財産分与をあらかじめ決めておきたい場合などは「普通方式」の遺言を作成します。「普通方式」の遺言は3種類あります。   自筆証書遺言 遺言者自らが全文、および日付・氏名を自筆し、押印したもの。開封時に裁判所の検認を受ける必要があります。自筆のみ有効で、代筆・PC入力のものは無効となります。   公正証書遺言 公証人2名以上の立ち合いのもと、遺言者が口述した内容を公証人が筆記し、これを遺言者が確認し、署名・捺印したものです。公証人が筆記するため、自筆する必要はなく、開封時に裁判所の検認を受ける必要もありません。 公証人の指導で作成し、原本を公証人が保管しているため、間違いや紛失などの危険性が低く、遺言者本人は正本(原本に対し、権限を持ったものが原本に基づいて作った文章であり原本と同じ法的効力をもった文書)を保管します。   秘密証書遺言 遺言者が証書に署名・押印したもので、証書が入った封書にも同一の印章で封印が必要です。公証人に封書を提出し、公証人にその筆者の遺言書であることを証明してもらったもので、原本は本人が保管します。開封時には裁判所の検認が必要となります。     3.注意点 自分で遺言書を書く時には、民法に定められた方式で作成しなければなりません。 また、開封時に裁判所で検認を受ける必要がある場合には、遺言書の封筒に裁判所での検認が必要の旨を書いておくことや、封筒を2重にしておき、外側の封筒を開封したときに検認の手続きについて簡単な紙を入れておく、などといった工夫が必要です。 費用はかかりますが、最も確実なのは公証人に立ち会ってもらって作成する公正証書遺言です。そもそも公証人の指導のもとで作成するため間違いは少なく、開封時の検認手続きも必要ありません。   遺言書自体を書いたことを周囲に知らせておかなかったため、相続の手続き中に遺言書が見つかったという話も聞きます。 遺言書を書いた場合には、書いた事実と遺言書がどこにあるか、開封時の注意なども含めて周りの人に知らせておく必要があるでしょう。 家族が遺言書を発見した場合には不用意に開封せず、家庭裁判所で検認を受ける必要があるかを調べます。万が一、知らずに遺言書を開封してしまった場合にも、あわてず家庭裁判所で検認の手続きを受けるようにしましょう。       目次に戻る

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終活

2019年 12月 09日(月)

自分の死に向きあう

2023年12月19日更新。「自分の死」についてどこまで考えたことがありますか?「終活」や「エンディングノート」などと言った、自身の死やこれまでの人生(自分史)、これからの人生について考えるものがあります。自分の死と向きあい、最期の時に自身の想いが反映できるようにするため、考えておかなければならないことの一部をご紹介します。【もくじ】 ・終活とエンディングノート ・生前契約 ・生前葬 ・尊厳死と安楽死・まとめ   終活とエンディングノート 超高齢社会の中、自身の終焉を考える方が増え、「終活」という言葉が生まれました。それに伴い、葬儀に対する希望や、家族との思い出などを書き残すための「エンディングノート」なども出てきました。終末期を迎える段階になると、判断力や意思疎通能力が低下する心配があり、元気なうちに終活やエンディングノートの作成に取り組まれる方が年々増えています。エンディングノートは、有料のものから無料のものまで様々ですが、主な構成内容は「生い立ち」、「家族との思い出」、「病気になった際の延命措置」、「介護が必要になった際の希望」、「葬儀について」、「財産や相続の考え方」、「家系図」、「写真貼付欄」、「アドレス記入欄」などがあります。しかし、ここに記載されたことは遺言のような法的効力はありません。 生前契約 これまでタブーとされてきた葬儀の事前相談が一般的になり、様々な葬儀の生前契約も出ています。生前契約の代表的なものに互助会がありますが、互助会は相互扶助を理念とした会員組織です。毎月一定金額を積み立て、会員は結婚式またはお葬式のどちらかに利用します。他には、入会金方式の会員制度を取っている葬儀社もあります。これは5,000円~30,000円程度の入会金を支払って会員になると、万一の際、葬儀利用時に祭壇などの割引が受けられるものです。サービスの内容やセットに含まれる項目、プランの料金は各社異なりますので、契約に際しては内容をよく確認することが必要です。   生前葬 2018年5月、大手建設会社の元社長が生前葬を行って話題になりました。生前葬は自分が元気なうちに、縁のあった方やお世話になった方々を招いて感謝の気持ちを伝えるために行われます。通常の葬儀では、故人への弔意や感謝のみとなりますが、生前葬では本人が存命であるため、参加者へ直接感謝の想いを伝えることができ、本人と参加者が互いに想いや感謝を交わせる式を行うことができます。生前葬の内容には決まりがないため、宗教色を出さないものや立食パーティーなど様々ですが、芸能人や著名な方の開催が多くみられます。また、生前葬を行った本人の死亡後に、遺族が通常の葬儀を行っているケースもありますので、生前葬を検討する際は逝く人の想いだけでなく、残される家族の気持ちも考慮することが大切です。   尊厳死と安楽死 終活の中には、亡くなった後のことだけでなく、亡くなり方も考える項目があります。亡くなり方を考える中で出てきたのが尊厳死と安楽死です。   尊厳死 尊厳死とは医療器具による過剰な延命措置をせず、自然に死を迎えさせることです。「回復の見込みのない末期状態の患者が延命措置中止の意志を持っている場合には、延命措置を中止しても違法とはならないと考えるべき」(横浜地判平成7年3月)という尊厳死を認める判例があります。自身の尊厳死を認めてもらうためには、生前の意思(リビング・ウィル)をはっきりさせておく必要があります。   安楽死 安楽死は死期が迫った患者に対して、致死量の薬剤を投与したり(積極的安楽死)、苦痛緩和剤の多量投与によって死期を早めること(間接的安楽死)をいいます。平成7年3月、東海大安楽死事件で次の4要件を満たせば積極的安楽死は認められるという判決がありました。① 患者が耐えがたい肉体的苦痛に苦しんでいること② 患者の死期が迫っていること③ 患者の肉体的苦痛を緩和・除去するために方法を尽くしほかに代替手段がないこと④ 生命の短縮を承諾する患者の明示の意思表示があること(間接的安楽死の場合は患者の推定的意思でも足りる)しかし、東海大安楽死事件では被告人の医師には有罪判決が出ており、これまで日本で安楽死が認められた判例はありません。   まとめ 終活という言葉が聞かれるようになって10年ほど経ちます。自身の死に向き合うことは決してネガティブなことではなく、むしろポジティブな人ほど終活に力を入れているように見受けられます。葬儀に対して備えるだけでなく、自分自身がどう逝くのかを考えておくことが、これからどう生きていくのかを考えることにつながってきます。また、自分で考えておくとともに、家族ときちんと話しをすることも大切です。

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終活

2020年 01月 06日(月)

自分の身体を役に立てたい!献体や臓器提供って?

2023年12月19日更新。亡くなった後でも自分の身体が役に立つなら…そんな思いから、亡くなった後の身体を献体に提供する意思を持つ人が増えています。具体的にはどのようにすれば良いのでしょうか。       【もくじ】 1.献体について 2.臓器提供について       1.献体について 献体とは、医学の教育・研究に役立たせるために、自身の遺体を大学などに提供することをいいます。 献体を行うためには、歯科・医科大学か、献体の会への登録が必要になります。さらに登録時と亡くなった後に献体として提供する際には、肉親の同意も必要になります。 通夜・葬儀は通常通り行って問題無いですが、出棺後は火葬場へは向かわず登録先の団体に向かうことになります。また、葬儀前に献体として提供し、葬儀は遺体が無い状態で行われることもあります。 献体した遺体は遺骨となって遺族の元へ帰ってきますが、その期間は通常で1~2年、長い場合は3年以上かかることもあります。     2.臓器提供について 臓器提供とは、脳死あるいは心肺停止後に、病気や事故などで臓器機能が低下した人へ臓器を提供することです。 提供するには、生前に本人の意思表示が必要ですが、本人の意思が不明な場合でも家族の承諾があれば提供は可能です。 臓器提供の意思は、①健康保険証・運転免許証・マイナンバーカードの意思表示欄②インターネットによる意思登録③意思表示カードで示すことができます。   意思表示には必ずしも家族の承認が必要なことはありませんが、臓器提供の意思があることを家族が知らないと万が一の時に家族が反対し提供の意思が生かされないことがあるため、事前に家族と話し合っておく必要があります。 また、実際の移植の際には家族の総意としての承認が必要なため、一人でも反対者がいれば臓器提供はできません。 臓器提供を行うには、臨終後すぐに医師に知らせ、登録機関に連絡してもらいます。アイバンクの場合も同様ですぐに連絡し、死亡後6時間以内に眼球の摘出手術を行います。 献体と臓器提供どちらも、最終的には家族の同意が必要になります。家族とよく話し合い、全員の理解を深めておくことが大事です。     献体・臓器提供登録団体 献 体公益財団法人 日本篤志献体協会〒160-0023東京都新宿区西新宿3丁目3番23号ファミール西新宿4階404号室TEL:03-3345-8498 アイバンク公益財団法人 日本アイバンク協会〒101-0054東京都千代田区神田錦町3-2三基ビル4FTEL:03-3293-6616 臓器提供(公社)日本臓器移植ネットワーク〒108-0022東京都港区海岸3-26-1バーク芝浦12階TEL:0120-78-1069(平日:9:00~17:30)       目次に戻る

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