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葬儀の種類
2023年 12月 27日(水)

葬儀の種類-形式や参列者の範囲・宗教別に分けて、選び方を解説

葬儀の種類

2024年1月23日更新。

葬儀は普段なかなか経験する機会がありません。

そのため、いざ検討することになった時に「どのような葬儀にしたら良いか分からない」という方が多いのが実状です。

またインターネットなどで調べてみると、「○○葬」と名の付くものが多くて、違いがよく分からないという方もいらっしゃるかも知れません。


そこで、この記事では、葬儀の種類を形式や宗教など、実際に検討する項目に沿って分類して紹介します。

より良い葬儀を行うための一助として、ご参考ください。

 
 
 
 
【もくじ】
1.儀式の形式(日程)による分類
 1-1一般葬(二日葬)
 1-2一日葬
 1-3直葬
 1-4補足:骨葬
 
2.参列者の範囲による分類
 2-1一般葬
 2-2小規模葬(家族葬)
 2-3補足:社葬・団体葬
 
3.場所による分類
 3-1斎場葬
 3-2自宅葬
 
4.宗教による分類
 4-1仏教の葬儀
 4-2神道の葬儀
 4-3キリスト教の葬儀
 4-4無宗教葬(自由葬)
 
5.納骨方法
 5-1自然葬(樹木葬)
 
6.葬儀の支援制度
 6-1市民葬・区民葬
 6-2福祉葬
 
7.まとめ:形式(日程)・参列者・場所・宗教の4つを抑えて検討しましょう
 
 
 
 

0.はじめに

第1章から第4章は、葬儀を行う上で、すべて検討する項目になります。

 
<例>

○日程は、二日(葬)
○参列者の範囲は、家族(葬)
○場所は、斎場(葬)
○宗教は、仏教(の葬儀)
といった具合です。

 
 

第5章と第6章は、「葬」という字が付いていますが、実際には、葬儀の形式ではありません。

 
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1.儀式の形式(日程)による分類

儀式に要する日数の違いから、「一般葬(二日葬)」「一日葬」「直葬」の3つに分けられます。

一般的に選ばれるのは、一般葬(二日葬)です。
しかし、遺族の状況や意向から、最近では一日葬や直葬も少しずつ増えています。

 
 

1-1一般葬(二日葬)

<概要>

1日目に通夜
2日目に葬儀・告別式
を行う形式です。

宗教的な儀式をきちんと行い、また古くからのしきたりや地域の慣習にも則った葬儀形式です。

便宜上、二日葬という名称で紹介していますが、通常は一般葬と呼ばれます。

 
 
 
<メリット>

○家族・親族の意見を葬儀に反映しやすい、反対意見もほとんどない。

○通夜と葬儀・告別式の二日間にわたって行うため、参列者が出席しやすい。

などが挙げられます。

 
 
 
<デメリット>

○本来の流れに沿って葬儀をきちんと執り行う分だけ、決めることや準備することが多い。

○やることが多い分だけ、遺族の精神的・肉体的な負担が大きくなる。

などが挙げられます。

 
 

一般葬(二日葬)の詳細

 
 
 
 

1-2一日葬

<概要>

通夜を省略した形式です。
葬儀・告別式および火葬を1日の中で行うため、一日葬と呼ばれます。

参列者が少ない場合、お身内に高齢の方が多い場合に検討される傾向にあります。

 
 
 
<メリット>

○日程が1日になる分だけ、遺族の精神的負担を軽減しやすい。

○通夜を行わないため、その分の費用(通夜振る舞いの費用や親族の宿泊費など)を削減できる。

などが挙げられます。

 
 
 
<デメリット>

○葬儀の流れを一部省略した形式のため、菩提寺(先祖の眠るお墓がある寺院)がある場合には、事前に相談する必要がある。

○地域の風習を葬儀に反映しにくい場合もあるため、家族および親族へ事前に相談する必要がある。

○参列者が出席しにくい(葬儀・告別式はお昼前後に行われることが多いため)。

などが挙げられます。

 
 

一日葬の詳細

 
 
 
 

1-3直葬

<概要>

火葬のみを行う形式です。
火葬式とも呼ばれます。

通夜および葬儀・告別式といった宗教的な儀式は行いません。

当日は遺族・親族など故人様に近しい関係の人が火葬場に集まり、わずかな時間で、故人様と対面した後、すぐに火葬を行います。

 
 
 
<メリット>

○通夜や告別式を行わない分、必要最小限の費用(火葬料や搬送料、棺、骨壷の料金など)で済む。

○儀式を行わない分、遺族の精神的・肉体的な負担を最小限に抑えられる。

などが挙げられます。

 
 
 
<デメリット>

○二日葬や一日葬と比べると、故人様とお別れできる時間が圧倒的に短くなる。

○一日葬と同様に、本来の葬儀の流れを省略するため、菩提寺がある場合には、事前に相談する必要がある。

○家族・親族にも事前に納得してもらう必要がある。
などが挙げられます。

 
 

直葬の詳細

 
 
 
 

1-4補足:骨葬

<概要>

先に火葬して、遺骨になった状態で、宗教的儀式(通夜、葬儀・告別式)を行う形式です。

○地域の慣習に従う場合
○事故等でご遺体の損傷が激しい場合
○遠方でお亡くなりになった場合
などに選ばれます。

 
 
 
<メリット>

○事故等でお亡くなりの場合は、ご遺体の損傷を気にせずに、参列者をお迎えして葬儀ができる。

○遺骨の状態になっているため、落ち着いてから葬儀を行うなど、日程を調整しやすくなる。

などが挙げられます。

 
 
 
<デメリット>

○一般会葬者は故人様のお顔を見てお別れできない。

などが挙げられます。

 
 

骨葬の詳細

 
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2.参列者の範囲による分類

参列者の範囲を限定するか否かで「一般葬」と「家族葬(小規模葬)」に分けられます。

 
 

2-1一般葬

<概要>

参列者の範囲を限定せずに行う葬儀です。
家族・親族の他、故人様と生前親しかった友人や知人、関係者にも参列していただきます。

多くの方に参列していただくため、二日間にわたり、本来の葬儀の流れで、地域の風習も反映して行われることが多いです。
一般葬と呼ばれるのは、このためです。

 
 
 
<メリット>

○多くの方に故人様とお別れしていただける。

などが挙げられます。

 
 
 
<デメリット>

○参列者が多くなる分だけ、葬儀費用が高くなる(飲食や返礼品の接待費、式場使用料など)。

○多くの参列者に対応するため、故人様とゆっくり対面する時間が短くなる・限定される。

などが挙げられます。

 
 

一般葬の詳細

 
 
 
 

2-2小規模葬(家族葬)

<概要>

家族・親族、故人様と大変親しかった友人・知人のみに限定して、少人数で行う葬儀形式です。

聞いた人に温かい印象を与える「家族葬」という言葉の方が、世間では定着しています。

家族構成の変化や新型コロナウイルス感染症の流行などが影響して、この形式を選ばれる方が増えています。

 
 
 
<メリット>

○参列者への対応の負担が減る分だけ、故人様とゆっくり過ごす時間に充てることができる。

○参列者が少ない分だけ、葬儀の全体費用を抑えやすい。

などが挙げられます。

 
 
 
<デメリット>

○葬儀へ呼ばなかった方に配慮する必要がある(後日対応が必要となる)。

○葬儀後に自宅への弔問が増える場合もある。

○香典の収入は必然的に少なくなる。

などが挙げられます。

 
 

家族葬の詳細

 
 
 
 

2-3補足:社葬・団体葬

<概要>

企業・団体が主催して行う葬儀です。
その点で、一般個人が主催する一般葬・家族葬とは異なります。

○企業の発展に貢献した方(創業者など)
○業務中にお亡くなりになった方(殉職された方)
○企業や公的団体で複数の肩書をお持ちだった方(合同葬の場合)
を偲ぶために行われます。

参列者の数が多くなる傾向にあり、中には1,000人を超える大規模な葬儀になるケースもあります。

有名人がお亡くなりになった時に行われる「お別れの会」も、団体葬の一種です。

 
 

社葬・団体葬の詳細

 
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3.場所による分類

「自宅以外(斎場)」と「自宅」の2つに大別できます。

 
 

3-1斎場葬

<概要>

斎場(葬儀のための専用施設)で行う、葬儀形式です。

集合住宅が増えて、葬儀を自宅で行うことが難しくなったため、現在では葬儀の多くが斎場で行われます。

斎場は、運営母体の違いにより、
○葬儀社の直営斎場
○公営斎場(自治体)
○民営斎場(民営企業)
○寺院斎場(境内にあるホール。寺院)
○寺院(本堂。寺院)※
○集会所(町会などの運営委員会)※
などに分けられます。

※葬儀の専用施設ではありませんが、シンプルに紹介するため、斎場として分類しています。

 
 
 
<メリット>

○参列者が多い場合も収容できる。

○受付や会食場などのスペースを十分に確保できる。

○遺族の要望に合わせやすい。準備の負担を軽減できる。

などが挙げられます。

 
 
 
<デメリット>

○斎場使用料などの費用が掛かる。

○時間に制約がある(館内を利用できる時間や故人様と対面できる時間など)。

などが挙げられます。

 
 

葬儀場の詳細

 
 
 
 

3-2自宅葬

<概要>

自宅で行う葬儀形式です。

ひと昔前までは一般的に行われていましたが、住宅事情の変化から、行われることが少なくなっています。

下記のような理由により減少しています。
○葬儀に十分な広さを確保できない。
○亡くなった事を近所に知られたくない。

一方で、気兼ねなく過ごせる自宅の良さを利用して、コロナ禍では身内だけで行う少人数の葬儀として注目されました。

 
 
 
<メリット>

○慣れ親しんだ自宅で葬儀を行うため、落ち着いてお別れの時間を過ごせて、思い出にも浸れる。

○時間に制限なく、故人様と対面できる。

○自宅が会場になるため、斎場使用料を抑えられる。

などが挙げられます。

 
 
 
<デメリット>

○祭壇の設置や故人様の安置・納棺、参列者の着席など、十分な広さが必要。

○葬儀前の準備や葬儀後の片付けを自分たちで行うため、手間がかかる。

○近隣への配慮が必要。

などが挙げられます。

 
 

自宅葬の詳細

 
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4.宗教による分類

 

4-1仏教の葬儀

<概要>

仏教の教義に則った葬儀形式です。
日本の葬儀の9割以上を占めます。

1日目の夜に通夜、2日目に葬儀・告別式を行います。


仏教には代表的な13宗があり、さらに宗派で分けられます。
各宗派によっても、葬儀の際のお経や礼拝・焼香の仕方が異なります。

そのため、故人様が信仰していた宗教・宗派を確認しておくことが大切です。


菩提寺(先祖の眠るお墓・納骨堂がある寺院)がある場合には、その寺院に相談した上で葬儀の準備を進めます。

 
 

仏式の葬儀の詳細
通夜の詳細
葬儀・告別式の詳細

 
 
 
 

4-2神道の葬儀

<概要>

神道の教義に則った葬儀形式です。
神葬祭とも呼ばれます。

故人様に家(子孫)を見守っていただくための儀式です。

葬儀は神社ではなく、斎場や自宅などで行われます(神聖な場所である神社に不浄を持ち込まないようにするため)。

神社の神官が儀式を執り行うため、万が一の際には「神社に連絡して依頼する(神社の氏子の場合)」または「葬儀社に連絡して神官を紹介してもらう」流れになります。

細かい儀式が多いのが特徴です。
通夜、葬儀・告別式にあたる儀式もあり、それぞれ通夜祭、葬場祭と呼ばれます。

 
 

神道の葬儀の詳細

 
 
 
 

4-3キリスト教の葬儀

<概要>

キリスト教の教義に則った葬儀形式です。

死ぬことは「神のもとへ帰る(召される)こと」と考えられ、そのための儀式を行います。

日本に多い宗派は、カトリックとプロテスタントで、それぞれで儀式の内容が異なります。

通夜は元々ありませんでしたが、現在は日本の風習を取り入れて通夜を行います。

葬儀・告別式の多くは教会で行われます。
カトリックは神父、プロテスタントは牧師が儀式を執り行います。

そのため、万が一の際には、教会に連絡をして葬儀の相談を行います。

準備にあたり、その教会での葬儀に詳しい葬儀社を紹介されることが多いため、教会に確認しておくと安心です。

 
 

キリスト教の葬儀の詳細

 
 
 
 

4-4無宗教葬(自由葬)

<概要>

宗教的な儀式に捉われることなく行う、葬儀形式です。

決まった式次第がないため、自由に企画できます。
故人様の生前の経歴や趣味などを活かした追悼式になることが多いです。

僧侶による読経の代わりに、故人様が好きだった曲を楽団に演奏してもらったりするケースもあります。

○故人様に特定の信仰が無い場合
○社葬・団体葬を行う場合
などに行われることが多いです。

 
 

無宗教葬の詳細

 
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5.納骨方法

葬儀の形式と混同される方が多いので注意しましょう。

 

5-1自然葬(樹木葬)

<概要>

葬儀後、遺骨をお墓ではなく、海や山などの自然の中(許可を得た場所)に納骨・散骨することを言います。
最近では宇宙に散骨するケースも出てきています。

納骨・散骨する場所の名前を採って、「○○葬」と呼ばれることが多いです。

 
 

■樹木葬
樹木の周辺に納骨し、樹木や草花を墓標として故人様を弔います。
永代供養が多く、宗教宗派も不問である場合が多いです。

 

樹木葬の詳細

 
 

■海洋葬(海洋散骨)
海に散骨します。
粉末状にした遺骨の全部または一部を、船上からまき、献花・献酒を行って弔います。

 
 

■宇宙葬
宇宙に散骨します。
粉末状にした遺骨の一部を、専用のカプセルに入れて、ロケットで打ち上げて、宇宙に散骨して弔います。
人工衛星やバルーンを使用したプランもあります。

 
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6.葬儀の支援制度

この章で紹介する内容も、葬儀の形式と混同される方が多いので、注意しましょう。

 

6-1市民葬・区民葬

<概要>

自治体が市民・区民に提供している葬儀の支援制度です(実施の有無および内容は、自治体によって大きく異なります)。


あらかじめ簡素な葬儀内容になるように品目がセット組みされているため、全体費用も安価になる傾向にあります。

故人様もしくは喪主が、その自治体に住民登録されていれば利用できます。

 
 

市民葬・区民葬の詳細

 
 
 
 

6-2福祉葬

<概要>

生活福祉補助(生活保護)を受給していた方を対象とした葬儀の支援制度です。

自治体の補助金制度(葬祭扶助)を利用して行われ、その金額の範囲内で、故人様をお見送りします。

そのため、通夜および葬儀・告別式は行われず、故人様を棺に納めて火葬するだけのシンプルな内容になります。

 
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7.まとめ:形式(日程)・参列者・場所・宗教の4つを抑えて検討しましょう

 

○形式(日程)
○参列者の範囲
○場所
○宗教
の4つは、いずれも葬儀を行う上で検討する項目です。あらかじめ検討しておくと安心です。

 
 

その中でも、形式(日程)と参列者の範囲は、遺族の状況や要望によって内容が大きく異なってくるため、注意しておきましょう。

 
<儀式の形式(日程)による分類>

○一般葬(二日葬)
○一日葬
○直葬

 
<参列者の範囲による分類>

○一般葬
○小規模葬(家族葬)

一般葬は、「形式」「参列者の範囲」の両方で使用される名称です。その点にも気を付けておくと混乱しません。

 
 

故人様とのお別れの時間を納得のいく形で過ごせるよう、家族と話し合いながら決めていきましょう。

 
 
 

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